韓流バブルの終焉 ブームは見かけ倒し?
(Newsweek 2011年9月21日号 2011/09/14)
韓流バブルがはじける日
K-POP人気にグン様旋風
日本に吹き荒れる韓流ブームは
今や実態以上に膨らんだ
バブルの域にまで達している
「韓流ゴリ押しやめろ」――先月中旬の日曜日、東京・お台場のフジテレビ前に数千人が集まった『反韓流』デモは、その参加者の多さと予想外に整然とした行働で、「ネット右翼の集まり」と高をくくっていた人々を唖然とさせた。
事の始まりは、俳優の高岡蒼甫の『韓国ネタばかりを流すフジは見ない』というツイードだった。高岡に韓国ドラマやK-POPを直接批判する意図はなかったが、その不用意な発言はネット上で瞬く間にフジテレビたたきから韓流そのものの中傷へと拡大した。
反韓流デモは高岡の意に反し、嫌韓派によって反韓流へと論点が変えられ、必要以上の騒ぎに発展した。だが一方で、最近の韓流の過熱ぶりに違和感を覚えている人が少なからずいるのも事実だろう。
ブームは確実に起きている。昨年夏には、KARAや少女時代のヒットでK-POP熱に火が付いた。韓国ドラマも近年ブームが再燃し、DVDレンタル店は競ってスペースを広げている。俳優チャン・グンソクは「ヨン様」ならぬ「グン様」旋風を巻き起こしている。
しかしそれはもうブームを超え、バブルの領域に達しつつある。今年3~9月に日本デビューしたK-POPアイドルは実に10組以上。彼らはバラエティーや情報番組に出ずっぱりで、男性誌の表紙まで飾ったグン様のCM出演料は1本9000万円でぺ・ヨンジュンを抜いたという。もはやテレビや雑誌で韓流を見ない日はない。
ただメディアが騒げぱ騒ぐほどブームは実態を超えてバブルになる。過大評価や便乗する動きが加達し、「韓流なら取りあえず何でも」という雰囲気が日本全体に漂い始めている。その裏で業界のひずみや負の側面は封印されており、一気に膨らんだ風船は一気にしぽみかねない。(略)
ブームの裏には韓国政府の後押しもある。韓国はアジア通貨危機直後の98年から、映画やドラマなど文化コンテンツ産業の振興に力を入れてきた。国内の産業活性化の先には、輸出による外貨獲得の狙いがある。輸出を増やすため、韓国政府は国外でのドラマ見本市やK-POPライブ開催を支援している。
「韓流は国が主導していると誤解されることがあるが、基本的には外国バイヤーと消費者の判断だ」と、韓国コンテンツ振興院日本事務所のキム・ヨンドク所長は言う。「政府は民間企業の後方支援に回っている」
とはいえ、その後方支援がなければ韓流旋風は起きなかった。韓国のコンテンツ輸出額は毎年着実に伸びており、特に09年以降は音楽の増加が目立っている。韓国政府の文化体育観光省によれば、今年第1四半期の音楽コンテンツの輸出額は、前年同期比54%増の2800万㌦に上る。
コンテンツ全体の輸出額からみれば、主流は約50%を占めるゲームで、ドラマと音楽のシェアは両方合わせても8%しかない。それでもドラマや音楽の間接的な経済効果は計り知れない。韓国全般に対する関心の高まりや、観光客の増加につながるからだ。(略)
版権市場は年々高騰している。SPOやポニーキャニオンといった日本のバイヤー企業の買い取り合戦が激化しているため、韓国側が高い値段を提示しても売れる。ここ数年は、日本側がドラマ完成前の企画段階からキャストと脚本だけ見て購入を決める場合もあるほどだ。「リスクは高いが(他社に)取られる前に取る」と、森丘は言う。
一方の韓国側も日本市場を当て込んでドラマを作る。時にはキャスティングへの意見を求めてくることもある。「こっちから『誰々にして』と指名するわけではないが、候補者を見せてもらったときに『この人がいいな』と言うことはある」と、SPOの櫻井由紀取締役は言う。(略)
通常はバイヤー企業が単独で購入してテレビ局に放送権を売るが、最近はテレビ局や広告代理店が初期段階から絡むケースが増えている。版権の高騰で1社単独では資金的に厳しいという事情もあるが、テレビ局と組めば自動的に地上波放送の枠が決まるし、広告代理店が絡めば宣伝にも有利だ。テレビ局と広告代理店側にも、ブームに便乗して儲けたいという思惑がある。(略)
だがブームに便乗して失敗した例もある。昨年、韓国ドラマとして初めてゴールデンタイムに放送されたイ・ピョンホン主演、制作費15億円のアクション大作『アイリス』だ。制作費を一部出資したテレビ局と広告代理店が買い付け、派手な宣伝をしたが、視聴率は惨敗だった。「市場を読めていなかった」と、韓流ライターの安部裕子は言う。「韓流を動かしているのは女性。男同士の戦いやスパイものは重苦しくて日本で受けない」(略)
04年に『冬ソナ』が大ブームになると、民放各局が似たような内容のドラマばかり放送し、韓流はあっという間に視聴者に飽きられた。06年に『宮廷女官チャングムの誓い』で歴史ものがいったん注目されたが、ブームはすぐに終息した。
さらにシビアなバブル崩壊を経験したのが映画だ。00年の『シユリ』のヒットを機に韓国映画が注目され、日本の配給会社が「取りあえず何でも」買い付け始めたために版権が高騰。ところが『猟奇的な彼女』など一部の作品を除いては興行的に振るわず、05年を境に韓国から日本への映画輸出額は激減した。
こうして韓流ならぬ「寒流」かとまで言われていたときに登場したのが『美男ですね』だった。さらにK-POP人気が重なり、日本における韓国エンタメブームはバブルと言っていい活況を呈するようになった。
ただ「グン様」が「ヨン様」ほどのカルト的な人気を維持できるかどうかは分からないし、K-POPブームもいつまで続くか心もとない。そもそも実力以上にメディアが騒ぎ過ぎている、という見方もある。(略)
空騒ぎに乗せられたにわかファンほど心が離れやすく、ブームもあっという間に終わりかねない。だが日本のレーベル各社のK-POP争奪戦は止まらない。日本で新人を発掘して育てるより、即戦力を輸入して手っ取り早く稼ぐほうが経営上は合理的だからだ。
K-POPのバブルはいつはじけるのか。韓流タブロイド紙「韓Fun」の宇佐美彰彦編集長は「一度にグループ系アイドルばかり来ると、飽きも早いかもしれない」と心配する。
韓流イベントの値段の高さも、ファン離れやブーム終息を加速させるかもしれない。実はK-POPコンサートの相場は割高だ。ジャニーズ系アイドルで6000~8000円、4月のレディー・ガガのコンサートで8000円だったのに、K-POPコンサートは9000~1万3000円もする。
俳優とファンとの集いである「ファンミーティング」も高額だ。韓国では無料だが日本ではなぜか有料で、俳優がファンとトークやゲームをして歌を1曲ほど披露するだけなのに、チケット代は8000~1万円。(略)
日本の韓流バブルが過熟する一方で、韓国国内のアイドル熟は徐々に冷め始めている。「アイドル工場」で製造されたダンス中心のパフォーマンスが飽きられつつあるのだ。
韓国では今年、中堅歌手7人が競演する歌番組が大ヒットし、フォークソング人気が復活した。アイドルに食傷気味だった人たちが心に響く歌唱力を求める動きだと言えるだろう。
朝鮮日報は4月、有名ボーカルトレーナー10人にアイドルの歌唱力アンケートを実施した。「歌へタ」ランキングの2位は、最近日本進出したアフタースクールとティアラ。「聴いている人が不快になる」「普通はある程度歌えるメンバーが1人はいるのに、このグループには見当たらない」など手厳しい評価だったが、1位に輝いたのは、あのKARAだった。
これをバブルと呼ばずに、何と呼ぶのだろうか。 中村美鈴(本誌記者)、安暎娘(ジャーナリスト)
バブルがはじけた時、良質なものだけを残して各分野の一ジャンルとして「韓国○○」を形成することができるのか、“潰れる前に一稼ぎ”的な悪質なものが蔓延しながら互いに足を引っ張り合って「日本人の寄り付かないコリアンタウン内の韓国文化」になる(戻る?)のか、興味深いですね。
あと、テレビ局らの視野に当然入っているとは思いますが、バブルがはじける前に“韓国地上波「日本」解禁”が行われるかも注目ですね。
Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 9/21号 [雑誌]

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軍手・軍足


大宣伝したゴールデンのSPの視聴率が3.9%とかw
日本版「イケメンですね」にゲスト出演した回の視聴率が前の回から0.2%のアップとかww
すごい旋風ですねwww