(ハフィントンポスト 2016/10/26)
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、演説文や閣議の資料などを、知人の民間人女性に流出させていた疑惑に揺れている。朴大統領は10月25日、「国民の皆様に申し訳ない」と謝罪したが、さらに外交や安全保障の文書まで、この知人女性に事前に流出させていた可能性も報じられた。
この女性が関与する財団に、青瓦台(大統領府)が圧力をかけて企業に多額の資金を提供させた疑惑も浮上しており、朴大統領は就任以来、最大の窮地に立たされている。
直接のきっかけは、韓国のケーブルテレビ局「JTBC」が10月24日、朴大統領の40年来の友人とされる女性、崔順実(チェ・スンシル)氏(朝鮮日報によると〈2014年にチェ・ソウォンに改名〉)のパソコンのファイルを入手し、その内容の一部を報じたことだった。
そこには、朴大統領の演説文や公式発言が、発表前に崔氏に渡っており、崔氏が手直しをした形跡もあった。閣議の資料や、朴大統領が地方自治体から受けた業務報告の内容なども含まれていた。
報道を受け、朴大統領は25日、国民向け談話を発表。ハフポスト韓国版によると、「就任後、一定期間、一部の資料について意見を聞いたことはあるが、青瓦台及び補佐体系が完備されてからはやめた」と事実関係を大筋で認め「もっと丁寧にしようという純粋な気持ちでやったことで、国民の皆様にご心配をかけ、驚かせ、心を痛めたことに申し訳なく思う」と謝罪した。
しかしJTBCはこの談話発表後に、さらなるファイルの内容を報道。朴氏が大統領に当選直後の2012年末、李明博大統領(当時)との引き継ぎのため会談したときの朴氏の発言原稿が、会談前に崔氏に渡っていた。この中には「韓国軍が北朝鮮当局と極秘に接触した」などの内容も含まれていた。さらに別のファイルからは、朴氏の外国首脳との電話会談の発言内容が、会談前に崔氏に渡っていたり、崔氏が青瓦台の人事について朴氏にアドバイスしたりしていた形跡もあったという。同じくケーブルテレビのTV朝鮮も、青瓦台(大統領府)の人事に介入していた疑惑を報じた。
韓国には大統領記録物管理法という法律があり、流出させた者は7年以下の懲役または罰金刑に処せられる可能性がある。
■「崔順実ゲート」で支持率低迷。弾劾はあるのか
崔氏を巡っては、文化体育省の許可で設立された「文化財団ミル」と「Kスポーツ財団」の理事長や理事に、崔氏の知人が多数就任し、韓国企業が計800億ウォン(約73億円)を出資していたことが報じられている。存在自体あまり知られていない2つの財団に企業が巨額の資金を拠出したことに、青瓦台の圧力があったのではないかと疑われている。(略)(執筆者:吉野太一郎)
(朝鮮日報 2016/10/26)
(略)TV朝鮮は25日、「崔順実氏は朴大統領の2013年11月西欧訪問や14年9月のカナダ・米国訪問などの日程表を事前に渡され、それに基づいて衣装などを作り朴大統領に渡していたことが確認された」と報道した。外交部(省に相当)儀典長室で作成されたこの文書には、「対外注意」と書かれていたが、民間人の崔順実氏がこれを事前に渡されて朴大統領が着る服を決めていたことになる。
「北斗星日程(案)」という題名の14年9月カナダ・米国訪問日程表には、崔順実氏が手書きでメモを残していた。大統領の海外訪問日程は保安の問題上、大統領府警護室で「北極星」などのように暗号名を付ける。こうした暗号名自体が外部に漏れてはならない保安事項だ。このメモには、9月20日のソウル空港出発時は「青紫」、海外在住韓国人との懇談会には「韓服」、9月21日の公式歓迎式には「赤」、9月22日のカナダ首脳会談には「白」などと書かれている。崔順実氏は日程表に合計11種類の衣装の色を書き込んでいた。同氏の側近は「(同氏の)字の形がとても独特なので、見ればすぐ分かる」と言った。この文書の右上には最終版であることを意味すると推定される「last」という言葉が崔順実氏の筆跡で書かれていた。事実、朴大統領はカナダ首脳会談や国連総会の基調講演など主な行事で崔順実氏が書き込んだ色の服を身に着けていた。朴大統領は同氏がコーディネートする色をメモした11の日程のうち、8つの日程で同氏の指示通りの衣装を着ていた。(略)

(ハフィントンポスト 2016/10/26)
韓国・朴槿恵大統領から、演説文や機密に関する文書などを事前に受け取り、青瓦台(大統領府)の人事にも介入していたとされる女性、崔順実(チェ・スンシル)氏。
アメリカのニューヨークタイムズは10月24日、朴槿恵氏との個人的関係を利用して、大企業から財団に巨額の金を寄付させた崔氏を、「まるでラスプーチン(のように報じられている)」とたとえた。
崔順実氏とは、いったい誰なのか。
話は2014年にさかのぼる。304人の死者・行方不明者を出した大型旅客船セウォル号沈没事故を巡り、産経新聞の加藤達也・ソウル支局長(当時)の書いたコラムが、名誉毀損にあたるとして起訴され、刑事裁判になった(のちに無罪判決が確定)。
コラムで問題となったのは、朴大統領が事故の発生時間に、ある男性と密会していたという内容だったが、のちにこの男性が、一民間人の立場で青瓦台(大統領府)の人事に深く介入しているという疑惑が報道された。この男性は1998年から2004年まで、国会議員だった朴槿恵氏の個人秘書室長を務めていたチョン・ユンフェ氏だ。
このチョン・ユンフェ氏の元妻が、崔順実氏だ。

▲崔順実氏(右)とチョン・ユンフェ氏
崔順実氏は、新興宗教団体「大韓救国宣教会」(朝鮮日報によると〈後「救国女性奉仕団」「セマウム奉仕団」と名前を変え〉)の総裁だった崔太敏(チェ・テミン)牧師の5番目の娘だ。
崔太敏氏は1974年、妻を銃撃事件で失った朴正熙大統領に接近し、娘の朴槿恵氏を名誉総裁に担いだ。ここから、朴槿恵氏と、崔順実氏の娘同士の関係が始まったとみられる。

▲(左から)朴正熙・元大統領と朴槿恵氏、崔太敏氏
崔太敏氏の人物像は謎に包まれており、権力と癒着して不正蓄財を重ねた疑惑が指摘されてきたが、朴正熙氏は顧みなかったとされる。1979年10月26日、朴正熙氏は中央情報室長の金載圭に暗殺されたが、金載圭の弁護人は控訴審で「崔太敏氏の疑惑を朴正熙大統領に進言したが、聞き入れなかった」ことが暗殺の動機の一因だったと主張した。
朴正熙大統領の暗殺後、朴槿恵氏は事実上の隠遁生活を余儀なくされたが、崔太敏氏と崔順実氏は朴槿恵氏の財団「陸英財団」をともに運営するなど、朴槿恵氏を支え続けた。朴槿恵氏は「崔順実氏は、昔、私が苦しいときに助けてくれた縁」と表現しており、信頼の深さを物語る。
長らく隠遁していた朴槿恵氏は1998年、国会議員に初当選し、政治の表舞台に復帰する。このとき、個人秘書室長に据えたのが、崔順実氏の夫だったチョン・ユンフェ氏だった。朴槿恵氏の政界の側近も、このときに形作られた。
朴槿恵氏が大統領に就任後、崔順実氏との深すぎる関係が表面化し始める。典型的な例が、崔順実氏の娘を巡る騒動だった。
崔氏の娘、チョン・ユラ氏は乗馬の有力選手だったが、2014年の仁川アジア大会代表を決める2013年4月の大会で2位となり代表入りを逃した。その翌月、青瓦台(大統領府)は「乗馬協会を監査しろ」と文化体育省に命じる。
「協会もチョン・ユラ氏も問題があった」という報告書を作成した課長と、上司の局長は、朴大統領が直接、更迭を指示したという。(略)
「協会もチョン・ユラ氏も問題があった」という報告書を作成した課長と、上司の局長は、朴大統領が直接、更迭を指示したという。(略)
疑惑が報じられ、崔氏とその娘は行方をくらませている。ドイツで豪邸住まいをしているという説もあるが、真偽は分からない。(執筆者:吉野太一郎)
韓国ではもちろん問題になっているようで、大統領辞任、セヌリ党離党、内閣総辞職、大統領府秘書陣総辞職、弾劾訴追(議員3分の2以上の賛成で、憲法裁判所が審判して棄却するまで職務停止)など野党やマスコミが取り上げていますが、どうなるんでしょうかね。
絶望は私を鍛え、希望は私を動かす【朴槿恵自叙伝】 Kindle版(朝鮮日報 2016/10/26)
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は25日、就任前はもちろん、就任後も相当長い期間にわたり崔順実(チェ・スンシル)氏に「演説文や広報」などについて意見を尋ねていた事実を認め、謝罪した。「もう少し細かいところまで目を行き届かせたいという純粋な思い」が動機だったという。しかし謝罪からわずか数時間後には、崔氏が演説文や広報だけでなく、政策のほぼ全ての分野に関与していた事実が複数のメディアを通じて報じられた。崔氏とその側近のオフィスにあったパソコンなどを調べたところ、大統領府民政主席の人事関連書類、北朝鮮関連の情報やデータを記したファイルなどが次々と発見された。また政府の次官が崔氏の側近に何度も履歴書を送付し、崔氏に人事で影響力を行使するよう求めていたことも分かった。TV朝鮮が確保した動画によると、崔氏は大統領府行政官と共に、大統領が着る服のデザインまで指示し作らせていたという。崔氏が国政諮問委員会のような集会を幾つも主催していたという関係者の証言もすでに出ている。
朴大統領は崔氏が政策に影響力を行使してきたことについて「根拠のない疑惑に動揺すべきでない」などと一蹴してきたが、この日政策に混乱をもたらしたことを国民に謝罪する席でさえも「うそ」を語っていたことになる。(略)
韓国ではもちろん問題になっているようで、大統領辞任、セヌリ党離党、内閣総辞職、大統領府秘書陣総辞職、弾劾訴追(議員3分の2以上の賛成で、憲法裁判所が審判して棄却するまで職務停止)など野党やマスコミが取り上げていますが、どうなるんでしょうかね。
朴槿惠 横川まみ


成程ね。