(朝日新聞 2016/11/15)

 韓国料理店や韓流スターのグッズ店が立ち並ぶ東京・大久保(新宿区)。「韓流の聖地」とも呼ばれるが、街の韓国人に最近、「脱韓流」の動きがあるという。

 人気グループ「BIGBANG」のメンバーが主演の「同窓生」。女優の小雪さんと共演したことがあるチョン・ジヒョン出演の「暗殺」……。3~7日に新宿区内の4カ所で開かれた「新大久保映画祭」では韓国映画の新旧8作品が上映された。

 さすが「聖地」と思いきや、ネパールやベトナム、インド、日本などの作品も。映画祭の実行委員長を務める呉永錫(オヨンソク)さん(64)は「初めは韓国映画だけだったのですが……」と話す。

 韓国以外の作品を上映するようになったのは昨年の2回目から。集客は初年の1万人から7千人程度に減ったが、呉さんは「いろんな国や地域の人が一緒に暮らす街だとアピールしたい」と話す。

 大久保は、いずれもJR新宿駅隣の新大久保駅と大久保駅周辺を指す。JR新大久保駅の東は2002年のサッカーワールドカップ日韓大会以降、韓国系の飲食店などが増え、「コリアンタウン」として知られる。

 韓流ブームに火がつき、「KARA」や「少女時代」などのKポップが人気になると歌手や俳優の関連商品を扱う店も加わり、一時は客がすれ違うのもやっとだったが、流れが変わったのは李明博(イミョンバク)大統領(当時)が竹島に上陸した12年8月ごろ。大久保をはじめ、各地でヘイトスピーチが続き、書店に嫌韓本が平積みされた。

 テレビ地上波での韓国人の露出は減った印象を受けるが、映画の上映数は11年が36本、13年が46本、15年は43本(外国映画輸入配給協会調べ)。ドームツアーを続けるアーティストもいる。韓流は健在だが、大久保では「打撃を受けた」と話す人が少なくない。

 ヘイトスピーチが社会問題化し、今年6月に対策法が施行された。ただ、新宿韓国商人連合会によると、12年春に500超だった韓国系の店舗は今年8月現在で320と4年で4割減だ。「友だちを連れて来られなくなった」。韓国料理店「妻家房」を経営する呉さんも日本人客からそう言われた一人だ。大久保は韓流を象徴する街だっただけに、「日韓の対立」をイメージさせる場として敬遠されているのではないか――。

asahi20161115sio

■他のアジア系急増

 代わりに増えてきたのが他のアジア料理店。9年前にネパール料理店を開いた男性は「来日時は韓国の店がほとんどだったけど、最近はネパール、インド、タイ料理の店も増え、横のつながりができてきた」。ケバブ屋台や中国人向けの免税店、ベトナム人用ネットカフェもある。新宿区によると10月現在、区内のベトナム人は約3400人で5年前のおよそ15倍にのぼる。

 変化に向き合い、街をどう盛り上げるか。同連合会長も務める呉さんは仲間と話し合った。結論は「韓国人のことだけを考えるのはやめよう」。東日本大震災の後、チャリティーイベントで韓国料理の店を出し義援金を送ったことを思い出した。同じ日本で暮らしている以上、隣の人のことも考えるのが当然と改めて実感した。

 同連合会などは昨年9月から新宿駅や都庁と大久保を循環するバス「K―シャトル」(21人乗り)を金~日曜と祝日に1日6便走らせる。無料でだれでも乗れる。経費は年約500万円。車内広告で足りない分は同胞の援助に頼る。

■共生で個性を

 日本一の歓楽街と言われる歌舞伎町に近く、日本語学校も点在する大久保は1980年代から外国人の飲食店員や留学生らが集まった。「オオクボ 都市の力」の著者、法政大兼任講師の稲葉佳子さん(62)は、大久保が性的少数者やシングルマザー、ホームレスらも含めて多様な人を受け入れてきたと指摘。「きれいごとで終わりがちな『多文化共生』も大久保なら形になる可能性がある」と話す。

 コラムニスト八田靖史さん(40)は09年、「新大久保コリアンタウンガイド」を出した。紹介した70店あまりのうち残るのは半分ほどだが、この先に期待する。「地元韓国人アイドルにライブ会場で会えるなど、ここにしかない体験を求めてくるファンは今も多い。いろんな国の文化とぶつかり合いながら、大久保ならではの個性を磨いてほしい」


『新大久保映画祭』の実行委員長を務め、韓国料理店『妻家房』を経営し、2年前に発足した『社団法人新宿韓国商人連合会』の会長も務めるオ・ヨンソク(呉永錫)氏は、連合会発足式で↓

オ会長は危機脱出のキーワードを「地域密着」とした上で、「新宿地域の約10の日本商人会と連合し、清掃、消防訓練などを共にすることにより、地域と一つになる姿を見せる」と説明した。
2014年11月07日


調子の良いときは、「韓流の聖地ニダ」と“韓国人の街”として振る舞ってきたのに、落ち目になると「日本人と連合」、さらに落ちると「アジア系と」ですか・・・韓国人らしいですね。

そして、それを『多文化共生』と日本人に語らせるとこは朝日新聞らしいですね。



おとなの週末 2016年9月号  Kindle版 
B01HMAVGZ8