「またも韓国は日本に40年遅れた」という反日韓国人たちの嘆き節
(週刊ポスト2016年12月16日号 2016/12/05)
(略)

◇40年前から変われなかった
ただし、今の韓国を覆うショックは、一時的な現象では済まされない。韓国政治に詳しい浅羽祐樹・新潟県立大学国際地域学部教授は、その失望感は韓国の歴史観の上に立つものなのだと言う。
「韓国では40年前に朴大統領の父・朴正煕大統領が軍事独裁政権を率いていた頃から民主化闘争が始まり、激しい闘争を経て民主化を獲得したことで、近代国家になったと考えられてきた。そのときから韓国は、家族的な情に政治が翻弄されやすい国民性と、政治から情を排除しなければならないという近代国家の建て前の狭間で苦しみ続けてきた。韓国のほとんどの歴代大統領が家族の問題で失脚しているのはこのためです。
「韓国では40年前に朴大統領の父・朴正煕大統領が軍事独裁政権を率いていた頃から民主化闘争が始まり、激しい闘争を経て民主化を獲得したことで、近代国家になったと考えられてきた。そのときから韓国は、家族的な情に政治が翻弄されやすい国民性と、政治から情を排除しなければならないという近代国家の建て前の狭間で苦しみ続けてきた。韓国のほとんどの歴代大統領が家族の問題で失脚しているのはこのためです。
そのなかで朴大統領は、両親を暗殺され、弟とも妹とも疎遠で、かつ独身であり、情に流されることのない本当の民主政治がついに実現すると国民は期待したわけです。しかし、現実には〝疑似妹〟の崔順実に利用されていた。そのような状況になるまで許してしまっていたことに韓国国民はショックを受け、自責の念に駆られているというのがあのデモの本質なのです。デモの異常な盛り上がりは、近代国家を目指しながら40年前、つまり民主化以前の朴正煕の時代から全く変わることができなかったという国家全体の悔しさが爆発しているのだと思います」
朴氏と崔順実被告の関係は、1974年、朴氏の母だった朴正煕夫人が暗殺されたことに端を発する。崔被告の父で「韓国のラスプーチン」と呼ばれた崔太敏氏が朴氏に「亡くなった夫人が枕元に立ち、『娘に私の思いを伝えてほしい』と言われた」という手紙を送ったことから、この一家と朴氏の関係が始まる。
つまり、韓国の国民が情から離れた民主政治を確立しようとしてきた40年の問に、その集大成だったはずの朴氏は崔被告との情をひたすら育んできたのである。皮内としか言いようがない。
◇日本なら角栄の時代の話
朴正煕夫人が亡くなり、崔順実スキャンダルの萌芽が芽生えた1974年、日本でも、〝情と政治〟をめぐる一つの事件が起きていた。
田中角栄首相のスキャンダルである。
その年の10月に月刊『文芸春秋』に掲載された「田中角栄研究」と「淋しき越山会の女王」という2つのレポートは、田中ファミリー企業の資産形成と、政治団体・越山会の女王と呼ばれた秘書・佐藤昭子氏との愛人関係を暴き、権勢を誇った田中首相の退陣に繋がった。
その40年前の日本と今の韓国が「重なる」と言うのは、元朝日新聞ソウル特派員でジャーナリストの前川惠司氏である。
「今回の韓国の100万人デモの光景を見ていて、駆け出し記者時代に取材していた田中角栄時代のメーデーを思い出しました。あの頃、田中政治の批判の場になったメーデーも100万人規模で、家族連れもいてプラカードや旗をもってデモをするというのも今回と似ていた。
そして何より、田中角栄のスキャンダルと朴槿恵のスキャンダルがともに近しい人物との関係によって引き起こされてしまったことが同じ構図。つまり韓国では40年前の日本と同じことがいまだに繰り広げられているのです」
日本では田中政治への反省から、良くも悪くも政治から情が失われたと言われる。だからこそ日本人の目には、韓国政治が極めて旧態依然としたものに映ってしまうのだ。前川氏が続ける。
「朴氏の政治姿勢が民主主義に反していたのはもちろんですが、実はデモに参加する側も民主主義をいまだに理解していない。子連れの参加者には『子供たちにこれが民主主義だと見せたい』という人が多いようですが、選挙で選ばれたはずの大統領に決定を負託できない、つまり民主主義が機能していないからデモが起こっているのに、そのことを勘違いしてしまっている。今回のデモにしても反日感情にしても、韓国中が一色に染まり、それが絶対正義になって異論が許されなくなる。むしろ多様な価値観で相対化されることが民主主義であることに気づかないといけない」
そうした国民性が変わらない限り、一時的に「日本に見習え」論が出たとしても、結局はまた反日に戻ってしまうのではないか。
実際に、次期大統領候補の顔ぶれを見ると、今年の7月に大統領選を見据えて竹島に上陸するアピールを行なった文在寅氏、「朴槿恵は大統領ではなく日本のスパイ」と罵るなどの過激発言で〝韓国版トランプ〟と呼ばれる李在明氏など、反日で知られる人物ばかり。
「日本は嫌いな国1位であると同時に、憧れる国1位でもある。そのどちらが前に出るかということ。ただし、次の大統領が反日に振れれば、ようやく軌道に乗ってきた日米韓の安保連携まで崩れかねない。韓国の混乱に日本まで巻き込むことは勘弁してもらいたい」(前出・浅羽氏)
韓国では今、朴氏の進退をめぐって、「日本に亡命するのでは」とまで取り沙汰されている。
野党幹部が、「朴大統領は辞任した瞬間に拘束される可能性が高い。亡命しなければならないだろう」と発言したことがきっかけとなり、野党を中心に「日本に亡命させてしまえ」という暴論が、まことしやかに飛び交っている。どこまで日本を巻き込むつもりなのか。



>まで取り沙汰されている。
お断りします。