(朝鮮日報 2017/11/29)

 中国の観光旅行政策を総括する国家観光局が28日に旅行会社に口頭で通達した指針には、「韓国旅行を段階的に開放する」とある。だが、そう言いながらも、「すぐには韓国に行く団体観光ツアーを取り扱うな。北京市・山東省からのツアーのみ取り扱うように」と条件がつけられている。

 この指針には、「クルーズ船・チャーター機・ロッテは絶対不可」という「三不」要件も含まれている。特にロッテには「ホテル・レジャー施設・免税店などすべて協力禁止」とクギを刺した。

 この8カ月間にわたり全面的に禁止されていた韓国への団体観光
をほんのわずかばかり解放する一方で、中国国内向けには「終末高高度防衛ミサイル(THAAD)報復は継続する」というメッセージを出したものだ。韓国に対しては「THAAD報復完全解除までの道のりはまだ長い」とをあらためて認識させたものと見られる。

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 国家観光局は「インターネットによるツアー販売は暫定的に禁止する」という条件も付けている。中国人がよく利用する「Ctrip」や「Qunar」といったモバイル旅行アプリや旅行会社サイトではまだ韓国の団体観光ツアーを販売できないという意味だ。北京市内の旅行会社関係者は「あれこれとさまざまな規制が付いているので、中国人団体観光客がどれだけになるかは疑問だ」と言った。韓国を訪れる団体観光ツアーの販売割合が40%と中国国内1位の華東(上海市・浙江省・福建省など)や他地域の団体観光を解禁するかどうかについては全く言及がなかった。「THAAD報復は民意に基づくもの」としてきた中国外務省は同日の定例記者会見で今回の措置について「状況がよく分からない」とコメントを避けた。

 こうした状況にもかかわらず、韓国国内の観光・免税業界はひとまず歓迎ムードだ。韓国観光公社によると、北京・山東省地域から昨年訪韓した中国人観光客は、訪韓した中国人観光客全体(807万人)の約30%に当たる240万人だったという。これは昨年訪韓した日本人観光客(229万人)よりも多い。今年に入って10月までに韓国を訪れた中国人観光客は354万人で、前年同期に比べ50%減少した。このため、限定的な解除とは言え観光・免税業界にとっては「恵みの雨」となる可能性があるというのだ。

 各免税店では中国人新規会員に積み立て制を導入するなど、中国向けマーケティングを再開した。北京の旅行関係者からは「早ければ来月中にも今回の措置による最初の中国人団体観光客が韓国に行くかもしれない」との見通しが出ている。韓国観光公社もこれまで先送りしてきた中国の旅行会社による視察ツアーや各地域の観光説明会を来月から開催する。同公社関係者は「北京や上海など大都市を中心に観光ツアーのPRを行うことになるだろう。平昌冬季五輪もあるので、近くすべての中国人の訪韓が可能になるものと期待している」と語った。

 その一方で、今回の指針でもターゲットになっているロッテグループ側は戸惑いを隠せない。ロッテグループ関係者は「正確な状況を把握して対策を立てているところだ。来月行われる韓中首脳会談以降、段階的に解決するだろうという期待を持って見守る」と言った。ある観光業界関係者は「国家間の関係改善を図る状況ですら一介の民間企業に対して差別的待遇をするのは、中国が依然として韓国を軽く見ているということだ。長期的に見れば東南アジアなどを対象とした観光の多様化にさらに力を入れるようになるだろう」と語った。

 一方、国家観光局は同日、北朝鮮と日本への旅行を制限する指針も通達した。同局は「北朝鮮情勢は深刻だ」として、遼寧省・吉林省を除く地域の居住者の北朝鮮旅行を禁止した。だが、中国の大手旅行会社は既に北朝鮮ツアーを取り扱っておらず、冬はもともと北朝鮮観光のオフシーズンなので、北朝鮮に対する圧力という点では実質的な効果は大きくないと見られている。

 国家観光局はまた、日本に対しては「民族の気概と尊厳を守ろう。各旅行会社の日本に行く旅行客数について2016年と17年の平均水準を超えないようにせよ」という指示を下した。韓国のTHAAD報復の影響で日本に行く中国人観光客が急増していることから、それに待ったをかけたものだ。


2017年11月15日