(朝鮮日報 2019/04/18)

・警護処職員およそ150人を対象に「通話・メールの記録を提出せよ」
・「過剰な監察ではないか」と批判の声

 チュ・ヨンフン大統領警護処長(63)が部下職員に家事をさせているという疑惑がメディアで報じられた後、警護処が職員らに携帯電話の通話・メールの記録を提出させ、本格的な通報者あぶり出し作業に乗り出したことが16日までに分かった。

 警護処は最近、全体でおよそ490人いる職員のうちおよそ150人以上に対して「携帯電話の通話記録を提出せよ」という指示を下したという。こうした通報者あぶり出し作業は、警護処内の監察部門が主導している。警護処の関係者は「監察の過程で『通話内容などを提出しなければ外部に漏らした人間として容疑の線上に浮かべる』『提出しない人間には銃を提げさせない(警護業務から外す、という意味)』という言及もあった」と語った。

警護処は、職員らが採用の際「内部情報流出に伴って、携帯電話の通話記録などを調査できる」という内容の保安誓約書に署名しており、通話記録を提出させて監察することは問題ない、という立場だといわれている。

 警護処の集中監察が始まると、先週から韓国大統領府(青瓦台)近くの通信会社の支店には、通話記録を出してもらおうと警護処の職員らが一斉に押し寄せ、業務がまひすることもあった。警護処の職員らは、昨年10月から今年4月までの通信記録を受け取っていったという。携帯電話の加入者が照会を要請した場合、最大で7カ月分の通話・メール送信記録を受け取ることができる。相手方の電話番号、通話時間などが記録されている。ただし、メールの内容自体は出てこない。警護処の職員らは、個人用の携帯電話のほかにも業務用法人携帯電話を持つケースが多い。通信会社の関係者は「支店にやって来た一部の警護処職員は『こんなことをなぜやるのか分からない』『時間もないのに、よその通信会社にも行かないといけない』とぼやいていた」と語った。

 大々的な保安調査が行われる中、警護処職員の間では、カカオトークなどメッセージアプリ類のグループチャットルームから出ていく現象も起きているという。ある警護処関係者は「同窓、友人などとの一般的な外部連絡をするのも顔色をうかがうほど雰囲気がよくない。共産主義国の警護機関もこうはしないだろう」と語った。


【社説】韓国大統領府職員に家事手伝いをさせた警護室長 
(朝鮮日報 2019/04/09)

 韓国大統領府のチュ・ヨンフン警護室長が大統領府施設管理チームの女性職員を自らの官舎に出勤させ、家事手伝いの仕事をさせたとして波紋が広がっている。複数の警護室関係者が8日に明らかにしたところによると、施設管理チームに所属する契約期間の定めがない女性職員が2017年後半から大統領府近くにあるチュ氏の官舎に出勤し、チュ室長の家族らが着た衣服の洗濯、掃除、ごみ出しなどを行い、さらには食事の準備まで求められたという話も聞こえてきている。

職員が所属する施設管理チームは警護室オフィスなどの点検や管理、さらに周辺の清掃などを担当する部署で、この職員は警護員が使用するトレーニング施設の清掃が担当だった。職員が警護室長の自宅にまで来て家事手伝いをすべきいかなる根拠も理由もないのだ。

  問題が表面化すると警護室は「職員は会議室などの公的な空間がある(官舎の)1階だけの清掃を行ってきた」と弁解した。チュ室長の家族が使用する2階の清掃はやっていないということのようだ。しかし職員は電話インタビューで「確かに官舎に出勤していた」との事実を認めた上で「掃除をして時間が余ったときに、官舎に何度か行って家事手伝いをした」という趣旨の説明を行った。言葉を変えた理由は分からないが、いずれにしても掃除や洗濯などの家事手伝いに行ったのは確かなようだ。チュ室長も電話インタビューで「公職者として批判を受けるべき点は受けたい」との考えを示した。

  職員が警護室長の家事手伝いを始めたのは2017年7月、朴賛珠(パク・チャンジュ)元陸軍大将が公館付きの兵士に家事手伝いなどをさせた問題が発覚し、これを受けて李洛淵(イ・ナクヨン)首相が「公館付き兵士制度廃止の方針」を掲げた直後だった。当時は朴賛珠氏を職権乱用で処罰するよう求めた与党に勢いがあり、現場の司令官たちも公館付き兵士たちの顔色をうかがうようになった。そのような中で大統領府の安全に責任を持つ警護室長が公務員に準ずる立場の女性職員を官舎に呼びつけ、家事手伝いをさせた疑惑が今回表面化したわけだ。この政権では甲質(カプチル、「上から目線」の意)でさえ完全な「ネロナムブル」(自分のことならばロマンス、他人のことならば不倫=同じ失敗をしても、自分に甘く他人に厳しいという意味)のようだ。


(朝鮮日報 2019/04/18)

 韓国大統領府のチュ・ヨンフン警護処長が職員に自宅の家事手伝いをさせた疑惑と関連して、大統領府警護処は情報を外部に提供した犯人探しに乗り出した。まず全職員490人のうち150人以上に対し「携帯電話の通話記録とメール記録」を提出するよう指示したという。これに応じなければ「情報を提供した容疑者と見なす」などと圧力をかけているようだ。そのため大統領府周辺の携帯電話会社などの支店には、これらの記録を取りだそうとする警護処職員が一気に訪れ、業務が一時まひ状態になるという珍しい光景が見られた。チュ処長は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、盧元大統領夫人・権良淑(クォン・ヤンスク)氏の運転手だった人物を文在寅(ムン・ジェイン)大統領の運転手として採用する際、この運転手に本来なら5・6級の地位を3級にしたなどとも報じられ問題となった。

 警護処が把握すべき内部情報は、大統領の動線や警備員の配置など、いわば警護本来の業務と関係するものでなければならず、上司の不当な指示や命令、あるいは慣例から外れた人事の横暴を国民から隠すのが目的ではない。

与党・共に民主党は野党時代、政権の内部告発者を「良心の笛」などと称賛していたが、自分たちが政権を握るとその笛を探し出して無き者にしようと必死だ
。

 大統領府は2017年末、メディアのある報道と関連して外交部(省に相当、以下同じ)幹部10人以上の携帯電話を回収して通話記録を調べ、情報をリークした痕跡を発見した人物に対しては、その私生活まで調べ上げて懲戒処分を行った。

昨年11月に国民年金保険料率の引き上げが報じられると、保健福祉部のある実務担当者が使っていた携帯電話の通話記録を調べた。影響で最近は政府関係者がメディアと接触する際には、スパイ映画のように周囲を気にしなければならないという。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を批判するポスターを貼った大学生たちには「国家保安法」を口実に捜査し、学生たちの自宅に警察官が無断で入り込んで証拠になりそうなものを押収した。取引先との会議で激高し紙コップを投げたとして、財閥グループのオーナー家族と関連する企業が全ての政府機関から攻撃を受け、結局オーナーは取締役を解任されしばらくすると病気で死去した。多くのメディアがこのような雰囲気に便乗し、人民裁判のような光景が今やさまざまな方面で見られる。そのため企業経営者たちは萎縮し、外では何も言えなくなっているという。生涯をかけて「民主化」や「言論の自由」を叫び続けたはずの人間たちによるこのような現状に、「この国は本当に民主国家か」と問い掛けずにはいられない。