(毎日新聞 2019/11/02)

 日韓関係が悪化する中、松山市とソウルを結ぶ航空路線の搭乗率を上げようと、愛媛県の国際交流部門が部局ごとの目標人数を示して、私費での韓国旅行を職員に促していたことが1日、県への取材で判明した。「目安」として掲げた目標は10~12月の3カ月間で660人とし、各部局から利用予定者数の報告も求めていた。県は「強要ではない」としているが、事実上のノルマと捉えられかねず、有識者からは「やりすぎだ」との指摘も出ている。

 県国際交流課によると、経済労働部長が10月ごろ、本庁9部局と3地方局、公営企業管理者、県教委に伝えた。同路線の搭乗率は今年7月まで80%以上だったが、9月は63%に落ちた。運航するチェジュ航空は今年10月から週3便を5便に増やすことを検討していたが、見送った。同課は路線維持のため搭乗率10%アップに該当する利用者数を試算し、各部局の所属職員数で案分、目標人数を割り振った。松田雄彦課長は「行ける人は行ってください、ということ。報告は確認のためだ」と釈明している。

 新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)は「ソウル線廃止への危機感は理解できるが、やりすぎだ。事実上、上からの指示で強制的な要素があると職員が受け取る可能性がある」と指摘した。【花澤葵、木島諒子】


(朝日新聞 2019/11/02)

 日韓関係の悪化により国内各地でソウル便の運休や搭乗率の低下が相次ぐ中、松山―ソウル便の搭乗率維持のため、愛媛県経済労働部の幹部が他部局の幹部に対し、職員の私的な搭乗を依頼していることが分かった。担当課は「お願い」としているが、職員からは「なぜ私費で行かなくてはいけないのか」と批判の声が上がっている。

 松山―ソウル便は2017年に韓国の格安航空会社のチェジュ航空が就航。現在、直行便を週3往復運航している。これまで80~90%台の搭乗率を維持していたが、今年8月は75%、9月に63%に落ち込んだ。

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▲松山―ソウル線の就航1周年と増便の記念式典の様子=2018年11月2日午前11時22分、愛媛県松山市南吉田町

 国際線の振興を担当している同部の国際交流課によると、この状況を受け、部の幹部が10~12月に職員やその家族ら600人程度が乗った場合、全体の搭乗率が1割程度上がると試算。9月末以降、他の部局の幹部に口頭で依頼し、人数の割り当ても提示したという。

 担当者は「ノルマや強制ではなく、あくまでもお願い。直行便の良さを県民に伝える上で、まずは職員やその家族に知ってもらい、PRのきっかけになればと思った」と説明する。

 しかし、複数の職員によると、依頼を受けたある部署では文書が作成され、職員の人数をもとに各課ごとの「目標人数」が定められたという。また、別の部署では上司から「うちからも必ず行かなくてはいけない」と説明されたという。

 部署ごとに対応はさまざまで、親睦会のための積立金から旅行費の一部を捻出する部署もあれば、部下に頼みづらいと感じた管理職が自ら渡航することもあるという。ある職員は「上司に頼まれたら断れない。苦境は分かるが県職員の私費で搭乗率を上げるのはおかしい」と話した。

 国際交流課によると、依頼をした幹部は「目安として伝えたが、その際に目標と言ったかもしれない」と話しているという。3カ月間で何人乗ったかは今後確認するといい、依頼を取り下げる予定はないという。

 法務省の出入国管理統計によると、18年に松山空港から入国した外国人は約3万2千人。うち6割強にあたる約2万1千人が韓国人だった。

 県はインバウンド対策としてソウル便の誘致に力を入れてきたほか、パスポート新規取得者にツアー代のクーポン券を助成してきた。(藤井宏太)


経済労働部長かどうかわかりませんが就航を進めた県幹部、または議員が、2年で自分の実績がダメになることに危機感を覚えて、こんな指示を出させたんじゃないですかね。