(朝鮮日報 2020/11/24)

〇フェンスの上段を越えたが警報は作動せず

 先月3日に江原道の最前方地域GOP(一般哨所)のフェンスを乗り越え、14時間にわたり南側の地域を歩き回った北朝鮮住民A氏は、元器械体操選手だったという。23日までに判明した。20代後半のA氏の亡命動機はまだ明らかにされていない。ただ、A氏は北朝鮮で罪を犯して亡命したわけではないと伝えられている。

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 韓国軍関係者は「A氏は情報当局の調査において、北朝鮮で器械体操選手の経歴があると供述したらしい」と語った。韓国軍ではこれまで、A氏が高さ3メートルほどのフェンスを乗り越えたことに対し疑念を持っていた。A氏はフェンスを越えた後、GOPのフェンスから1.5キロ南下した地点で身柄を確保された。韓国軍に発見された当時、A氏は青い私服を着ていた。

 韓国軍当局は、A氏がフェンスの柱を伝って登った後、フェンスの上段に設置された鉄条網を踏み越えたものとみている。この過程でA氏は、フェンス上段の円形鉄条網に触れたが、警報は鳴らなかった。韓国軍の合同参謀本部は事件発生直後、「鉄条網の上段に押しつぶされた痕があった」としていた。

 これにより韓国軍内外からは、A氏のフェンス越えを巡って「軍の警戒が破られ、科学的警戒システムすら駄目だった」という声が上がった。A氏が鉄条網を越えていく現場を韓国軍は熱映像監視装置(TOD)でリアルタイムに捕捉していたのに対応が遅れ、A氏が韓国側の地域を14時間も歩き回ったからだ。


(朝鮮日報 2020/11/27)

〇北朝鮮住民がGOPフェンスを越えたとき、ねじが固定されていなくて監視センサー作動せず
〇2016年に作った後、一度も点検せず

 江原道東部の前線で最近発生した北朝鮮住民の「フェンス越え亡命」事件では、フェンスに設置されていた動作検知センサーが作動しなかった。韓国軍当局が原因を調査した結果、核心部の装置のねじが外れていたことが26日までに判明した。韓国軍が誇ってきた「科学化警戒システムのねじが外れた」という指摘がなされている。

 韓国軍の合同参謀本部(合参)は25日、東部前線GOP(一般前哨)の科学化警戒システムをメディアに公開するとともに、フェンス越え亡命事件の調査結果を一部公開した。今回の調査は、今月3日に北朝鮮住民A氏が江原道の東部前線のGOPフェンスを越え、14時間にわたり南側地域を歩き回るという事件が起きたことを受けて実施された。当時、A氏はフェンスを乗り越えてきたが、動作監視センサーは作動しなかった。合参は「調査の結果、フェンス警戒システムの主要構成品の一つである『上端感知誘発機』のねじが外れており、警報音が鳴らなかったと推定される」と明かした。

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 韓国軍の前方フェンス監視センサーは光ファイバー素材の網のような形状で、成人の身長の2倍程度に当たる3メートルの高さに設置されている。この「網」に一定の引っ張り力が加えられると警報音が鳴るが、荷重を感知する役割のねじがきちんと固定されていなかった-というのが韓国軍の説明だ。

これに関して、韓国軍関係者は「ねじが外れたのは風雨など外部要因」と語った。

この部品は、2015-16年ごろに構築が完了してから一度も点検が行われていなかった。韓国軍は「肉眼点検などのマニュアルはあるが、問題の部品についての点検マニュアルは別になかった」と釈明した。問題のねじは外部に突出しておらず、密閉されたボックスの中にあった。韓国軍が妄信してきた科学化警戒システムは、きちんと管理されていないねじが一つ外れたことで無力化されたのだ。

 これに関して、韓国軍関係者は「ほかのフェンスの部品も点検してみた結果、一部でねじが外れる現象が見つかった」とし「これに伴い、今回問題になった上端感知誘発機について全数調査に着手した」と語った。ただし「科学化警戒システムが構築されてから数年たっているので、製品に最初から欠陥があったと断定するのは無理」としつつ「ねじが外れる可能性があるという欠陥が確認されたので、全数調査の後、『外れないねじ』に変える計画」だという。なお合参は、フェンス越え亡命事件に関連した部隊の対応については「正常な作戦」だとして、合参レベルでの処罰は検討していないと明かした。


2020年11月05日