(朝日新聞 2020/12/04)
日中の有識者らが意見を交わす「東京―北京フォーラム」(言論NPOなど主催)が11月30日と12月1日、オンライン方式で開催された。最近の世論調査で中国に悪い印象を抱く日本人が増えたことを踏まえ、中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相は日本側の認識に「偏りがある」と指摘。一方、茂木敏充外相は尖閣諸島周辺での中国公船の活動が影響しているとし、双方の主張が衝突した。
台湾や南シナ海でも強硬な姿勢を増している中国。記事の後半では、日本の背後に米国の姿を見る中国の軍関係者らの発言を紹介します。
王氏はビデオメッセージで、9~10月に日中双方で行われた世論調査の結果について「日本社会の中国認識には偏りと問題があるようだ」と主張。中国政府による貧困対策や環境対策など「生き生きとした事実を客観的に報道するべきだ」として、日本メディアの報道などに注文をつけた。
一方、代読の形でメッセージを寄せた茂木氏は「(印象悪化の)背景には、中国公船による尖閣諸島周辺海域における行動などの懸案がある」として、接続水域への侵入を続ける中国側の動きなどが原因だとの認識を示した。
「メディアの伝え方の問題ではなく、(尖閣諸島周辺での)中国の行動は実際にエスカレートしている」。パネルディスカションでも、河野克俊・前統合幕僚長がそう語ると、程永華(チョンヨンホワ)・前駐日中国大使は「2012年に日本が(尖閣諸島の)国有化に踏み切ったために中日関係を厳しくした」と反論するなど激しい応酬があった。
言論NPOなどが行った日中共同世論調査では、中国の印象を「良くない」「どちらかといえば良くない」とした日本人は約9割にのぼり4年ぶりに悪化した。 参加者からは日中の協力に期待する声もあがった。
パネリストとして参加した香港出身で世界保健機関(WHO)前事務局長のマーガレット・チャン氏は、新型コロナウイルスでは国際協力が不足し、状況の悪化を招いたと指摘。世界経済の回復に向けて「日中は多国間主義を引き続きサポートすべきだ」と語った。
福田康夫元首相は基調講演で、中国の隣国で、米国の同盟国である日本が「積極的におせっかいをやいてもいい」と語り、米中の関係改善に向け日本が役割を果たすことへの期待を述べた。(北京=高田正幸)
■日本側は軍事増強に懸念
1日は米中間の緊張が高まる台湾や南シナ海情勢をめぐり、日中の有識者が議論した。日本側は中国の強硬な動きがあるとして自制を求めたのに対し、中国側は米国が緊張をあおっていると主張した。
元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は、中国軍が南シナ海に対艦弾道ミサイルを発射したことなどに触れ「問題解決に武力を使っている」と非難。元防衛事務次官の西正典氏は中国への警戒を深めた結果、日米豪印が「自由で開かれたインド太平洋」に向けて連携を強めたとして「中国は自分で敵をつくっている」と指摘した。
一方、中国国際戦略研究基金会学術委員会の張沱生主任は「米国が台湾問題で中国のレッドラインに触れるならば、非平和的な方法で台湾独立を防がなくてはいけない」と米国が軍事的な緊張を生んでいると主張。元中国空軍司令官の陳小工氏は日米豪印の連携は「中国を念頭に米国が主導しており、軍事的色彩が強い」と非難した。
日本側からは、中国が軍事力の増強を続けていることへの懸念とともに、軍備管理の枠組みに積極的に参加するよう求める声が相次いだ。
慶応大の神保謙教授は「そろそろ中国は多国間軍縮交渉に取り組むべきだ」と主張。核兵器のほか、極超音速兵器や無人兵器など最新技術を使った兵器の国際ルールづくりに関与するよう求めた。中国側も軍備管理の必要性は認めつつ、「われわれの保有する核兵器は米国に及ばない」(張氏)として、米国が中国にも交渉に加わるよう求めている米ロの新戦略兵器削減条約(新START)などへの参加には否定的な見解を示した。

コイツ自身のせいもあるな。
specificasia
が
しました