(イートゥデイ 韓国語 2020/12/08)
ペ・スギョン国際経済部長
2年前、ナイキ[NIKE]はアメリカンフットボール選手コリン・キャパニック[Colin Kaepernick]を『Just do it』30周年記念広告モデルにして天国と地獄を味わった。
キャパニックといえば、2016年に試合前に国歌が流れた際、公権力の人種差別に抗議する意味でひざまずくことを主導して議論になった人物。当時、彼のひざまずくことを支持する人も多かったが、国とスポーツに対する冒涜として批判する声がより大きかった。特にドナルド・トランプ,アメリカ大統領をはじめとする保守派の気持ちを刺激、オンラインでナイキ製品を燃やす映像があふれ、不買運動まで起きた。事態が深刻化するとアメリカプロフットボールリーグ(NFL)はひざまずくデモを禁止し、キャパニックは早期契約満了でチームから追い出された。
しかし、その後、予期せぬ状況が起きた。ナイキに対する非難が高まるほどファンが増え、結果的にブランドイメージに途方もない『プラス』効果を得たのだ。
この時、本当に儲かったのだろう。ナイキがまた事を行った。今度は日本でだ。先月28日、ナイキジャパンがユーチューブに公開したナイキの広告は一週間も経たないうちにアクセス数が1000万回を突破し、コメントは何と6万件に迫った。
今回の広告も2年前のように愛国心に燃える日本保守派を刺激した。『動かしつづける。自分を、未来を』という題名の広告には3人のサッカー少女が登場する。1人は学校で集団いじめにあい、別の1人はいわゆるザイニチ(在日韓国人)[朝鮮籍(在日朝鮮人)]、残りの1人はアフリカ系の父親を持ち肌の色が黒い。これら疎外された少女がサッカーを通じて悩みと葛藤を克服し、自分の未来を変えるという内容だ。
日本人たちが爆発したのはこの広告が日本社会に集団いじめや差別が多いという誤解を海外で招きかねないという理由だ。襟をかすめただけでもしきりに頭を下げて「すみません」を繰り返す、とても道徳的で礼儀正しい日本人がそのような非倫理的な行為をするわけがないという、『日本人は崇高だ』という史観に反するということだ。この広告に対しては『高く評価』が8万5000個、『低く評価』が5万5000個と好き嫌いが拮抗している。ひとまずナイキの目的は達成したと見られる。
日本の人権問題を指摘したナイキの今回の広告は、緻密に計算されたマーケティング戦略であるかもしれないが、間違った話でもない。最も近い例をあげるなら、昨年初め、日本のラーメン会社日清は、2018年USオープンテニス大会女子シングルスで優勝カップを手にしたテニススター大坂なおみをモデルにしたアニメ広告で波紋を起こした。大坂は日本人の母親とハイチ人の父親の間に生まれた黒人混血だが、アニメでは彼女を白い肌と茶色い頭など白人のように描写、いわゆる『ホワイトウォッシュ』をしてしまったのだ。
政府の調査結果もある。2017年、日本法務省の調査によれば、外国人という理由で就職を拒絶された人は25%、入居を拒絶された人は40%であった。また、今年3月、文部科学省の調査では、日本に暮らしている外国人の子供約2万人が学校に行っていないことが明らかになった。言語の問題もあるが、人種差別によるいじめが原因であるという分析だ。実際、文部科学省が発表した『学校に行かない理由調査』によれば、2019年、全国の小中高校のいじめ件数は前年より6万8563件多い61万2496件に達した。
在日韓国人、いわゆるザイニチ3世は成人になってアイデンティティに大きな混乱を覚える。生まれつき二重国籍者は、日本国籍法により満22歳の誕生日前に国籍を選択しなければならないが、帰化するならば自分がザイニチという事実を一生隠さなければならず、韓国人として残るならば余生を差別を甘受しながら生きなければならない。このような社会的弱者にナイキのような力がある企業の広告はありがたいことかもしれない。
しかし、ナイキも相手を見ながら是非を論じるようだ。以前、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、ナイキ、コカコーラのようなアメリカの大企業が、人権弾圧が深刻な中国,新疆ウイグル自治区での強制労働を防ぐためにアメリカ議会が審議中の法案に反対するロビーをしていると報道した。
現在、ナイキジャパンのユーチューブ広告のコメントには、新疆ウイグル自治区での人権弾圧を扱った広告の中国版も出せと多くの喚き。人口14億人、世界最大の消費市場中国の人権弾圧に対抗する勇気があるのか。ナイキの本当の勇気を試す時だ。「Just do it.」(機械翻訳 若干修正)
2020年12月01日
2020年12月01日

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