(中央日報 2021/09/27)

チェ・ジュンホ/科学・未来専門記者、論説委員

全羅南道高興郡峰来面(チョンラナムド・コフングン・ポンレミョン)。高興半島からつながる橋を渡り内羅老島(ネナロド)に、さらに橋を越えると到着する。外羅老島(ウェナロド)南端にある羅老宇宙センター。打ち上げ場東側の組み立て棟には長さ47.2メートル、重さ200トンの宇宙ロケットが眠っている。20日ほど後の10月20日午前7時に組み立て棟の扉が開けば、韓国宇宙探査の一線を画するプロジェクトが始まる。2010年から純国産技術で開発してきた韓国型ロケット「KSLV-2」ヌリ号が初めての試験打ち上げに向かう日だ。ヌリ号は打ち上げ場まで1.8キロメートルの曲がりくねった山道を1時間ほど移動し、打ち上げ台に据え付けられる。打ち上げ予定時刻は翌10月21日午後4時。もちろん気象条件など全てが順調なことを前提としたスケジュールだ。

推進力75トンの液体ロケットエンジン4基を取り付けたヌリ号はこの日果たして火を噴いて宇宙に飛んでいくことができるだろうか。2013年に打ち上げに成功した初の韓国型ロケット「KSLV-1」は名前こそ韓国型だが、核心である1段部はロシアのロケットエンジンを導入して使ったものだった。今回は違う。航空宇宙研究院がAからZまで設計し、ハンファエアロスペースなど韓国の大企業と中小企業が純国産技術で作り上げた初めての作品だ。

日曜日の26日夜9時。羅老宇宙センターに電話をかけた。コ・ジョンファン韓国型ロケット開発事業本部長とオク・ホナム羅老宇宙センター長が外羅老島を守っていた。特にコ本部長は翌日朝の会議主宰に向け自ら300キロメートルの夜道を車を走らせちょうど到着したころだった。センター長のオク氏は「最善を尽くしてできるすべての点検をすでに終えた状態。成功しようが失敗しようがいまは人事を尽くして天命を待つとしか言えない」と話した。ヌリ号は10月の初の打ち上げを始まりに来年5月に2回目の打ち上げ、その後2027年まで5回の追加打ち上げが予定されている。このように全6回の打ち上げを通じてヌリ号の安定性と商業性を検証することになる。ヌリ号には1300個のセンサーが取り付けられており、打ち上げ後に異常の有無などのデータがリアルタイムで送られる。6回の打ち上げがすべて成功するかもしれないが、失敗した場合でもセンサーを通じて送られてきたビッグデータがその後の問題改善の重要な情報となる。

ヌリ号初の試験打ち上げが成功するかどうかは占い師でなければ話せないだろう。だが世界的にこれまで打ち上げられた宇宙ロケットの統計を見れば、初の打ち上げの成功率は30%に満たない。この日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は外羅老島を訪れるだろうか。政権の政治業績広報効果を狙うならば確率30%に賭けるものなので来ない方が良い。航空宇宙研究院の立場でも大統領の訪問は負担だ。そうでなくても焦眉の緊張状態なのに、VIPまでやってくるならば追加で神経を遣わなければならないことはひとつやふたつではない。打ち上げ成功確率にプラスよりはマイナスになるという話だ。

羅老号時代に戻ってみる。2009年8月の初めての打ち上げでフェアリングが分離できず衛星軌道進入に失敗し、翌年6月には打ち上げ137秒後に1段ロケットが爆発して墜落した。相次ぐ失敗の知らせに当時国産衛星ロケットに対する世論は冷めきっていた。結局当時のイ・ジュジン航空宇宙研究院長が2度の打ち上げ失敗の責任を負い辞任しなければならなかった。打ち上げ責任者だった当時のチョ・グァンレ羅老号開発事業団長は科学技術情報通信部の監査室から横領などの容疑まで含む数回の監査に苦しめられなければならなかった。もちろん結果は無嫌疑だった。

どの分野でもそうだが宇宙産業での失敗はむしろ資産だ。失敗を通じて一歩ずつ前進した。宇宙ロケットが初めて世に出た1950年代には合計48回の打ち上げがあり、そのうち58%の28回が失敗だった。その後歳月を経るにつれ打ち上げ失敗率は急激に低くなり、2010年代には6.8%を記録した。だが2000年代までにロケットを確保した国のうち新たに開発したロケットの初の打ち上げ成功率は27.2%にすぎない。代表的事例がイーロン・マスクの宇宙企業スペースXだ。スペースXはいまでこそ世界トップの民間宇宙企業の地位にあるが、2006年から始めたファルコン1ロケットの打ち上げに3回連続で失敗し破産直前まで追いやられた。4回目の打ち上げで奇跡的に成功して投資が続き復活に成功できた。最近火星・月探査船用として開発しているスターシップロケットもまた相次ぐ失敗の中で成功率を高めつつある。これと関連してイーロン・マスクは「私たちには失敗もひとつのオプションだ。失敗がなければまともな革新もない」という名言を残したりもした。

KAIST失敗研究所長であるノ・ジュンヨン文化技術大学院教授は「スペースXは失敗によって挑戦が挫折せず、むしろそれを通じて蓄積したデータを活用して結局は他の人たちが作り出すことのできない革新を引き出す代表的な事例。われわれももう成功だけ追求して漸進的な成果に満足するよりは、失敗の認定を基盤に果敢な試みをするようにし、結局は革新的な成果を作り出すことができる社会的雰囲気が作られる時になった」と話す。

ヌリ号の初の打ち上げは成功するかもしれず失敗するかもしれない。ヌリ号開発には羅老号当時からの技術蓄積が大きな役割をしている。当時の2回の痛恨の失敗が資産になったのはもちろんだ。韓国社会が開かれた心で10月のヌリ号初の試験打ち上げ成功を待つことを期待する。