(中央日報 2021/10/12)

岸田文雄首相と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の電話会談が就任から1週間以上行われていない中、日本メディアでは総選挙を意識したとの見方が出ている。

文大統領は4日、日本の第100代首相に就任した岸田首相にお祝いの書簡を送り、「韓日関係を未来志向的に発展させるために、ともに努力していこう」とし「両国が民主主義と市場経済という基本的価値を共有し、地域・文化的に最も近い国家として、隣国としてふさわしい協力の模範を示すことができるように意思疎通し、協力していくことを期待する」と述べた。

しかし、岸田首相は就任8日目の11日まで何の反応も示さなかった。岸田首相は就任後、ジョー・バイデン米大統領、スコット・モリソン豪首相、プーチン露大統領、ナレンドラ・モディ・インド首相、習近平中国国家主席などと電話で話した。しかし、文大統領とは電話をしておらず、韓国を外交の優先順位において後回しにしたという分析が出ている。

日本経済新聞は12日、日本外務省と官邸は当初から岸田首相が早期に電話会談を実施する国のグループに韓国を入れない方がいいとの認識で一致していたと報じた。岸田首相が外国首脳と就任の挨拶を交わす最初の通話グループに韓国を含めなかったのは、31日に予定されている衆院選を意識した面もあると日経新聞は伝えた。

 首相の電話外交、クアッド優先 衆院選意識し韓国後回し 初の対面、バイデン氏を希望
(日本経済新聞 2021/10/12)

岸田文雄首相は電話による首脳外交を計5カ国と実施した。1巡目は同盟国である米国や「準同盟国」と呼ばれるオーストラリアやインドを優先し国際情勢に関する認識を擦り合わせた。首相は11日のテレビ東京番組で、対面で最初に会談したい外国首脳としてバイデン米大統領を挙げた。

首相は「日本外交の基軸は日米同盟だ。外交のありようを考えると、まずは日米で信頼関係をつくるのが基本だ」と述べた。4日に就任し、5日朝のバイデン氏を手始めに首脳外交を開始した。これから1カ月ほどかけて10カ国を超える首脳と電話での話し合いを重ねる。

最初の1週間で5日に米豪、7日にロシア、8日に中印の首脳とそれぞれ話した。首相は8日に「日米豪印の『QUAD(クアッド)』の国すべてと電話で会談した。大変良い形で首脳外交をスタートさせることができた」と振り返った。

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就任直後の首脳外交の順番は新しい首相がどの国を重視するかという国内外へのメッセージになる。時差や先方の日程の都合といった事情はあるものの、首相官邸と外務省は慎重に順番を検討してきた。

1巡目で優先したのはクアッドのメンバーである米豪印だ。クアッドは9月末に菅義偉前首相の下で初めて対面の首脳会議を米ワシントンで開いたばかりだった。

首相はクアッドを法の支配や航行の自由などを掲げる「自由で開かれたインド太平洋」を実現する要と位置づける。中国は台湾海峡や沖縄県尖閣諸島で威圧的行為を強めており、日本としては同志国との協力が不可欠となっている。

菅氏の場合、首相就任4日後から電話を始めた。まずは米豪首脳と電話し次いでドイツや欧州連合(EU)、英国といった欧州勢、その後に中韓やインドなどと話した。

今回、中国の順番はロシアよりも後になった。菅氏の時は中国はロシアより4日早かった。

それでも中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との電話は日本側が想定していた日程で最も早いタイミングだった。

中国の国慶節(建国記念日)を祝う大型連休が7日に終わったばかりで、外務省内では週末をはさんだ11日以降になるとの見方が大勢だった。中国側が早い時期の開催にこだわったとされる。

中国の国家主席が日本の新首相に電話で祝意を伝えたのは昨年9月の菅氏が初めてだった。それまでは中国の首相級が多かった。2代連続で習氏が対応したのは米中対立が続いており、ひとまず日本とは関係を保っておこうとの思惑が透ける。

中国側によると、習氏は両国関係について「チャンスと挑戦が共存している。対話と協力を強めたい」と主張した。「歴史や台湾などの重大な問題で食い違いをうまくコントロールし、両国関係の政治的基礎をしっかりと守ろう」とも話した。

韓国は1巡目に入らなかった。菅氏のときは電話協議を米豪から始め、その4日後には韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と挨拶を交わしていた。

韓国政府は元徴用工問題で解決策を示せず関係改善の糸口はみえない。日韓関係は戦後最悪との指摘がある。外務省と官邸は当初から「早期に実施する国のグループに韓国を入れない方がいい」との認識で一致していた。12日以降の日程で韓国側と調整している。

韓国を後回しにするのは今月31日に迫る衆院選を意識した面もある。自民党の支持基盤の一つである保守層には首相が中国や韓国に「弱腰な態度をとるのではないか」との懸念がある。

首相が率いる宏池会(岸田派)が伝統的に周辺国との関係を重視し、外交路線も穏健的だとみられているためだ。

日中国交正常化は当時の田中角栄首相と、宏池会を率いていた大平正芳外相で実現した経緯もある。韓国との協議の順番を先延ばしすることでこうした見方を払拭する狙いがある。