(読売新聞 2023/08/12)
【ウィーン=中西賢司】ウィーンで開かれていた2026年核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会は11日に閉幕した。東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出への「支持」を示した議長総括案の採択は見送られた。日本政府は、会期中の討論で放出計画に理解を示す発言が相次いだことから、「文書の有無以上に世界に理解が広がった意義は大きい」との立場を示した。
議長総括案は、準備委で各国から出された核軍縮・不拡散に関する意見を122項目にわたって列挙した。処理水放出の妥当性を認めた国際原子力機関(IAEA)を「強く支持」すると記していた。しかし、イランが自国の核開発に対する懸念を示す記述がある点を批判し、全会一致が必要となる採択に反対した。
閉幕後に記者会見した在ウィーン日本政府代表部の引原毅大使は、欧米やアジアなど10か国以上がIAEAや日本への理解と支持を明確に示し、批判的な発言は中国だけだったと指摘した。その上で「日本の取り組みに対する正しい理解は広まっている」と述べた。
(毎日新聞 2023/08/12)
2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けてウィーンで開かれていた第1回準備委員会が11日、閉幕した。ビーナネン議長が示した総括の案に対し、イランが自国のウラン濃縮活動などを名指しで非難された部分に反発、公式文書化は見送られた。この総括案では、東京電力福島第1原発の処理水放出を認めた国際原子力機関(IAEA)を支持する考えも表明されていた。
各国の発言内容をまとめた議長総括が全会一致で採択されたケースはこれまでもなかったが、議長による作業文書として公式に記録されるのが通例だ。だが、イランは作業文書として残すことにも反対し、中国やロシアも自国の主張が総括案に反映されていないと指摘。決裂を回避するため、ビーナネン議長は作業文書としての提出を断念し、11日の会合では「深く失望している」と述べた。
議長の総括案は、中国が処理水放出の中止を求めたことには触れていなかった。また、ウクライナでの侵略戦争を巡って核兵器の使用をちらつかせるロシアを念頭に「扇動的な核のレトリックへの警戒が表明された」と記載。ロシアが占領するウクライナ南部のザポロジエ原発についても「安全性への重大な懸念が表明された」と盛り込んでいた。
NPT再検討会議は15年、22年と続けて決裂しており、核軍縮や核不拡散などの礎としての位置付けが大きく揺らいでいる。それでも、軍縮会議日本政府代表部(ジュネーブ)の小笠原一郎大使は会合後、記者団に「合意が得られない中でも、中身の濃い意見交換をする意義は大きい」と述べ、NPT体制の維持・強化を目指す考えを示した。
NPTは米露英仏中の5カ国以外の核兵器保有を禁じ、保有国には核軍縮に向けた交渉に誠実に取り組むよう義務付けている。再検討会議では核軍縮や不拡散の取り組みを議論、検証する。【ベルリン念佛明奈】

CPTPPでは、その轍を踏まないことを祈るわ
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