(読売新聞 2023/10/27)
【北京=比嘉清太】中国では27日、李克強前首相の 訃報(ふほう)を伝えるNHK海外放送のニュース番組が途中から遮断された。当局が検閲したとみられる。
遮断されたのは、習近平国家主席の権力が強まる一方、李氏の存在感が低下していたとニュース番組が伝えた部分で、中国では「信号異常」とテレビ画面上で表示された。李氏と習氏の間で確執があったとの見方が国内で広がり、李氏への哀悼が政権批判に転じることを懸念している模様だ。
中国のSNS上では「総理、安らかに」などと惜しむ書き込みが目立つ。過去の首相経験者の中には、親族による蓄財疑惑が米メディアで伝えられたケースもあるが、李氏は汚職のうわさとはほとんど無縁だった。北京市内の車修理会社に勤務する男性(35)は「習氏への忠誠心が目立つ現在の政権高官より能力は高い印象があった。若いのに残念だ」と語った。
(読売新聞 2023/10/28)
【北京=川瀬大介】中国の 李克強(リークォーチャン)前首相が27日未明、心臓発作のため上海で死去した。68歳だった。
習近平(シージンピン)政権のナンバー2として2013~23年に首相を務めたが、習氏への権力集中が進むにつれて権限が制限され、存在感の低下が指摘されていた。
習近平(シージンピン)政権のナンバー2として2013~23年に首相を務めたが、習氏への権力集中が進むにつれて権限が制限され、存在感の低下が指摘されていた。
李氏は今年3月、習氏側近の 李強(リーチャン)氏に首相の座を譲り、退任したばかりだった。国営新華社通信によると、李氏は上海で休養中で、「全力の救命措置も効果がなかった」という。党中央などは27日夜に 訃告(ふこく)を出し、李氏を「党と国家の卓越した指導者」とたたえ、新型コロナウイルス禍に対策トップとして対応したなどの功績を挙げた。
安徽省出身。北京大学を卒業し、党のエリート養成機関である共産主義青年団(共青団)でトップの第1書記を務めた。同じ共青団出身の 胡錦濤(フージンタオ)前国家主席に目をかけられ、河南、遼寧両省のトップを経て、07年には党最高指導部の政治局常務委員に昇格した。一時は、習氏と並ぶ最高指導者候補と目された。
習政権発足後は、共青団出身の高官排除が進められる中で、習氏との確執が指摘された。昨秋の共産党大会では、慣例の「68歳定年」に達していなかったが、党指導部から外れた。
首相在任中の18年に東京での日中韓首脳会談に出席するために来日し、日中関係の改善につなげた。日本とのビジネス関係を重視していたとされる。
(BBC 2023/10/27)
中国の李克強前首相が27日に死去したと、中国の国営メディアが同日報じた。68歳だった。
李氏は昨年の党大会で中国共産党の役職から外れるまで、党ナンバー2の実力者だった。
国営メディアによると、上海で「休養」していた26日に心臓発作に見舞われたという。
国営放送局CCTVは、救命措置が取られたが、27日午前0時10分ごろに息を引き取ったと伝えた。
李氏は権力基盤がない中で党内で出世を果たし、一時は国家主席候補とも言われた。
経済学の博士号をもち、中国経済の手綱を任された時期もあった。構造改革と債務削減を掲げた経済政策は「リコノミクス」(李経済学)と呼ばれた。
しかし、習近平国家主席が自らに権力を集中させるにつれ、傍流へと追いやられていったと、アナリストらは指摘する。
今年3月まで首相を務めたが、任期終盤は政府の最高幹部で唯一、習氏に忠実なグループに属していなかった。
李氏は、昨年の党大会で習氏の指示によって壇上から降ろされた、胡錦濤・前国家主席に近いとされた。
胡氏は退席させられる際に李氏の肩を親しげにたたき、李氏もうなずき返した。(略)

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