(聯合ニュース 2023/12/28)
 韓国大法院(最高裁)は28日、徴用被害者の遺族らが三菱重工業と日立造船を相手取って損害賠償を求めた訴訟の上告審で、原告勝訴の判決を言い渡した。日本企業に原告1人当たり5000万ウォン~1億5000万ウォン(約550万円~1640万円)の賠償金支払いを命じた下級審の判決が確定した。大法院は21日の同種の訴訟に続き今回も、日本企業が主張する消滅時効成立を認めないとの判断を示した。

 裁判の途中で亡くなった原告の一人は、1944年9月に広島にあった三菱重工業の軍需工場に連れて行かれて労働を強いられ、翌年8月に被爆した。帰国後は社会経済的な困難に加え被爆の後遺症にも悩まされた。こうした存命の被害者と死亡した被害者の遺族は2013年、同社を相手取り1人当たり1億ウォンの賠償を求める訴訟を起こした。16年に一審は「日本政府の強制的な人員動員政策に企業が積極的に賛同し、強制労働に従事させた」として日本企業の賠償責任を認めた。約3年後の控訴審判決も一審の判断を支持した。

 1944年9月から日立の造船所などで働かされた被害者は、2015年に日立造船に対し損害賠償を請求し、一審と二審で一部勝訴の判決を勝ち取った。

 これらの訴訟は、被害者の賠償請求権を初めて認定した12年の大法院判決に勇気づけられて別の被害者らが起こした、「2次訴訟」とくくられる訴訟の一部。大法院は12年、日本製鉄を相手取った損害賠償請求訴訟で審理を差し戻し、険しい道のりを経て18年に初めて大法院で日本企業への賠償命令が確定している。

 日本企業側は、訴訟を提起する権利の消滅時効が成立しているため賠償責任はないと主張した。消滅時効とは、権利を行使しない状態が一定期間継続した場合にその権利を消滅させる仕組み。

 だが大法院はこの日、18年の判決が言い渡されるまで、被害者が日本企業に対し権利を事実上行使できない障害理由があったと判断した。少なくとも18年の判決までは日本企業は消滅時効成立を主張できないと認めたことになる。

 大法院は今月21日、三菱重工業と日本製鉄を相手取った別の2次訴訟で、日本企業が消滅時効成立を主張することは認められないとの判断を初めて示していた。

 被害者遺族たちは判決後に記者会見を開き、一斉に万歳を叫びながら喜び合い、日本には謝罪と賠償を要求した。賠償の確定判決を得た徴用被害者らに対し日本企業に代わって韓国政府傘下の財団が支払う「第三者弁済」を受け入れる意向があるか問われた遺族は「私は三菱と裁判したのだ」「とんでもない話」と一蹴した。

 原告側代理人を務める林宰成(イム・ジェソン)弁護士は「日立造船に対する判決言い渡しにより、より多くの日本企業による強制動員加害事実と法的責任が認定されるだろう」との見解を示した。


(聯合ニュース 2023/12/28)

 韓国外交部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は28日の定例会見で、徴用被害者らが損害賠償を求めた訴訟の上告審で大法院(最高裁)が同日に日本企業への賠償命令判決を確定させたことについて、この訴訟の原告に対しても「第三者弁済」の解決策に従い賠償金を支払う方針を明らかにした。

 第三者弁済の解決策は、韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が民間の寄付によって財源をまかない、日本企業に代わって賠償の確定判決を得た徴用被害者らに賠償金などを支払うというもので、政府が今年3月に発表していた。

 任氏は「今後も財団とともに被害者、遺族ひとりひとりと会い、さまざまな形で政府の解決策を忠実に説明し、理解を求める努力を続ける」と述べた。

 大法院はこの日、徴用被害者の遺族らが三菱重工業と日立造船を相手取って損害賠償を求めた訴訟の上告審で、原告勝訴の判決を言い渡した。日本企業に原告1人当たり5000万ウォン~1億5000万ウォン(約550万円~1640万円)の賠償金支払いを命じた下級審の判決が確定した。

 この日の訴訟で勝訴が確定した被害者は17人で、このうち1人は日立造船で労働を強いられた被害者。日立造船を相手取って起こした徴用訴訟で勝訴が確定したのは今回が初めて。

 徴用訴訟を巡っては、2018年に大法院で賠償判決が確定した訴訟の原告15人のうち11人が政府の解決策を受け入れ、財団から賠償金と遅延利息を受け取った。

今月21日には三菱重工業と日本製鉄(旧新日鉄住金)をそれぞれ相手取って損害賠償を求めた訴訟2件の上告審で原告勝訴の判決が確定し、第三者弁済の対象が11人増えた。

この日、確定判決を受けた17人を加えると対象者は計43人になった。

 大法院で係争中の徴用訴訟が4件あり、下級審で係争中の裁判を含めれば、被害者の数はさらに増えるとみられる。

 韓国政府は対象となる被害者には第三者弁済の受け入れ意思を問う手続きを続けていくとみられるが、問題は支払いのための財源が不足していることだ。財団は鉄鋼大手・ポスコが今年3月に拠出した40億ウォンを第三者弁済の財源としている。ポスコの前身の浦項総合製鉄は1965年の韓日請求権協定で日本の経済協力資金を受けた経緯から財団に合計100億ウォンを拠出する方針を決め、16〜17年に2回にわたり30億ウォンずつ入金し残る40億ウォンを今年3月に寄付した。

 外交部当局者は「財源は民間の自発的寄付などを通じて調達し、今後、財団の目的事業と関連した財源を拡充できるよう必要な努力をかたむけていく」との立場を改めて示した。

 日本企業は依然として財団への拠出を行っていない。日本外務省は21日と同様にこの日の判決に対しても、在日韓国大使館の次席公使を呼び遺憾を表明し抗議した。

 日本は1965年の韓日請求権協定で徴用問題は解決済みとの立場を固守しており、自国企業による財団への寄付については一線を画しているものの、日本側の参加がなければ財団の財源不足により、第三者弁済は続けることが難しいとの見方が出ている。