(朝日新聞 2024/01/19)
群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある、戦時中の労務動員で犠牲になった朝鮮人の追悼碑について、県は行政代執行によって撤去する方針を固めた。29日から2月11日にかけて公園を閉鎖し、撤去にのりだす。

▲県の行政代執行で撤去される予定の朝鮮人追悼碑=2024年1月14日午後1時59分、群馬県高崎市、高木智子撮影

▲アジアの平和と友好を願う朝鮮人追悼碑の碑文
碑をめぐっては、設置を不許可とした2014年の県の処分を「適法」とする判決が22年に最高裁で確定。碑を所有する市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」に対し、県は23年4月に撤去命令を出した。さらに同10月、行政代執行法に基づく「戒告書」を送り、同12月28日までの撤去を求めていた。
すでに碑の周辺は重機が入れるように伐採済み。県は29日から2月11日に群馬の森の閉鎖を決めており、この間に撤去工事をする見通し。守る会側にも19日付で、代執行の日程を記した通知が送付されたという。
追悼碑は04年4月、「守る会」の前身の団体が建立。戦時中に重労働や飢えなどで亡くなった朝鮮人を悼み、アジアの平和と友好の発展を願う趣旨だった。碑の設置については、当時の県議会でも全会一致で趣旨採択され、県が用地を提供していた。許可期間は10年で、「政治的な行事をしない」との条件もついていた。
だが、追悼碑の前で開いた式典で「強制連行」などの発言を「政治的行事だ」「反日的だ」と問題視する声が出た。14年に設置許可の取り消しを求める請願が県議会の賛成多数で採択。その後、設置許可の更新にあたり、県は許可条件に違反する行為があったとして設置を「不許可」とした。
守る会は県の処分は違法だとして14年に提訴。一審の前橋地裁は訴えを認めたが、二審の東京高裁は原告の訴えを退け、最高裁も22年に上告を棄却したため、東京高裁の判決が確定した。
守る会は県の処分は違法だとして14年に提訴。一審の前橋地裁は訴えを認めたが、二審の東京高裁は原告の訴えを退け、最高裁も22年に上告を棄却したため、東京高裁の判決が確定した。
守る会は23年10月にも、撤去命令の取り消しを求める新たな訴訟を起こしており、第1回口頭弁論が2月7日に予定されていた。県による撤去が現実味を帯びたことについて、守る会代表委員の宮川邦雄さんは「ショックの一言」と話した。
守る会は20日、前橋市の県教育会館で集会を開く。宮川さんは「碑の存続をかけた集会と位置づけ、今後の対策を話し合いたい」と語り、今後、韓国大使館にも働きかけたいという。(高木智子)

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