(KOREA WAVE 2024/09/16)
日本海に浮かぶ竹島(島根県隠岐郡隠岐の島町)を韓国は「独島」と呼び、実効支配を続けている。日本政府は「韓国による竹島の占拠は国際法上何ら根拠がない」「不法占拠」と抗議を続ける一方で、その領有権を巡る問題について「国際法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決する」との立場を取っている。

韓国による実効支配が続く竹島の様子を日本側からうかがうのは困難だ。日本人が韓国の出入国手続きに従って竹島に上陸すれば、「韓国の領有権を認めた」と誤解されるため、日本政府は自粛を求めている。

一方、韓国側では「島の重要性や韓国の主権を学ぶ」という教育目的で、「独島探訪」などと銘打った行事が頻繁に開催されている。教育機関や地方自治体、民間団体などが主催し、学生や一般市民らが幅広く参加して、島への理解を深めるという活動が展開されている。

韓国政府の統計によると、「独島」への年間訪問者数は2022年に28万312人、2023年は23万2380人。2005年以降で今年7月までの訪問者数は約330万人に達する。

こうした行事で、韓国側は自国民にこの島の実効支配についてどう伝えているのか。その一端を、韓国海洋財団が主催し、韓国海洋水産省と民間ニュース通信社NEWSISが後援する「独島探訪」から紹介したい。

◇歴史・人物・生態を幅広く学ぶプログラム

韓国の青少年や教職員らが「独島」を見て、感じ、海洋領土の重要性を実感する機会を提供する――こんな目的で企画されたのが「2024年・体験と参加中心の独島・鬱陵島探訪」だ。

このイベントは、8月30日から9月1日までの2泊3日の日程で実施され、世宗市のチェ・ギョジン教育監や高校生・教職員ら計43人が参加した。

世宗市教育庁は今年6月、管内のすべての高校生と教職員を対象に参加申し込みを受け付け、日ごろからどのぐらい「わが国の領土・独島」に関心を持ち、「独島」教育活動に参加し続けてきたか――を基準に人選した。

このイベントは、「独島」と、そこから約92km離れた鬱陵島の歴史・人物・生態を幅広く学ぶプログラムで構成された。特に、1900年10月25日に当時の大韓帝国政府が「勅令第41号」を公布するのに重要な役割を果たした鬱陵島検察官のイ・ギュウォン(李奎遠)が当時、鬱陵島を調査した場所を中心に訪れた。

初日は安全教育を受け、慶尚北道蔚珍の後浦港を経由して鬱陵島に到着し、通九味、台霞海岸散策路と待風坎、芸林園など、鬱陵島の歴史と生態を体験した。

2日目は遊覧船に乗って鬱陵島の海岸生態を見学し、「独島博物館」「アン・ヨンボク(安龍福)記念館」「独島義勇守備隊記念館」、羅里盆地などを探訪した。

最終日、鬱陵島の沙洞港から出発して「独島」に上陸した。「SEJONG ♥ DOKDO」と書かれたタオルと横断幕を掲げ、「独島」の大切さを再確認する時間を持った。その後、後浦港を経て世宗市に帰った。

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学生らは▽「独島」に関するコンテンツのショート動画制作▽「独島」訪問の感想文の作成▽「独島」名誉住民証の申請――などの活動に参加した。

チェ・ギョジン氏は「探訪は、独島が韓国固有の領土であることを体験し、正しい歴史観を心に深く刻む感動的で意義深い時間だった。学生が生き生きと独島を体験できるよう、独島体験館の活性化や探訪プログラムの運営継続に努めていく」と語った。

世宗市教育庁は2020年に「世宗特別自治市教育庁独島教育強化条例」を制定し、セロム高校で「独島体験館」を運営している。また、管内の優れた「独島」教育活動に参加した学生や教職員を対象に「独島探訪」を毎年実施し、日本政府の主張や教育に対抗するための多様な取り組みを続けている。(つづく)


(KOREA WAVE 2024/09/16)

「独島は歴史的・地理的・国際法的に、明確にわが固有の領土であり、独島に対する領有権紛争は国際法上存在せず、解決すべき問題もありません」

韓国慶尚北道蔚珍にある韓国海洋科学技術院東海研究所で9月4日、韓国海洋財団が主催し、海洋水産省と民間ニュース通信社NEWSISが後援する「2024独島探訪」の特別講演会が開かれた。

冒頭の言葉は、講演会で登壇した高麗大学法学専門大学院のカン・ビョングン教授によるものだ。

カン教授は次のように言葉を重ねた。

「日本は1905年の日露戦争の際、占領地の領土や法・制度などを自由に変更してはいけない戦時占領法に違反した」

「これは明らかに国際法違反であり、日本が独島を自国領だと主張するのは、国際法上、とんでもないことだ」

さらに、次のように続けた。

「日本が韓半島(朝鮮半島)に対する独占的影響力を行使するため、日露戦争を起こした。この過程で韓国を占領したのは国際法上、根拠のない行為だ」

「韓国はすでに独島に対する立法・行政・司法的な領土主権を行使している。独島には韓国の警察が常駐し、軍が独島の領海や領空を守り、独島に関するさまざまな法律が実効支配のもとで施行されている」

そのうえで次の点を強調した。

「第二次世界大戦の終結を準備したカイロ宣言や、終戦後のポツダム宣言でも、独島は明確に韓国の領土と認定されている。二つの宣言などにより、日本による独島の併合は不法であり、特に暴力と強欲によって奪われたということが国際的に公認されている。したがって、独島が韓国固有の領土であることは国際法上、立証されている」

カン教授は▽「独島」の地政学的価値▽多様な資源を活用するための科学技術の発展▽実効支配を強化するための方法――などにも言及した。

一方で、日本の主張や、その国際法上の根拠については触れられていないようだ。(つづく)


(KOREA WAVE 2024/09/16)

9月4日、韓国慶尚北道蔚珍の德邱温泉ホテル宴会場。ここでも「2024独島探訪」の行事が開かれた。

「独島よ、私が守ってあげるよ」

行事に参加したキム・ハリンちゃん(6)は、小さな手に赤いインクをつけた。「独島」の東島と西島が太く刻まれた横4m、縦1mの大きさの大きな「独島」旗に、インクをつけた手を夢中で押し付けていた。旗に鮮明に残った手形を不思議そうに見つめながら、探訪に一緒に参加した姉キム・ハユルちゃん(8)に向かって明るく微笑んだ。

「独島探訪」の参加者らは「独島ハンドプリンティング」をするため、大きな「独島」旗の前に集まった。

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黒いゴム手袋をはめて順番を待っていた参加者らは、赤や青などのカラフルなインクを手に付け、大きな旗に次々と手形を押していった。

幼い参加者らは、インクが飛び散るのも気にせず、手形を押すことに懸命だった。その無邪気な姿に、他の「独島探訪」参加者にも笑顔が広がった。

また、自分の手形が押された旗の前で、いわゆる「認証ショット」を撮る参加者らの姿も目立った。

しばらくすると、大きな旗にはさまざまな色の手形が鮮やかに刻まれた。参加者の中には、旗に「独島は我が領土」「独島最高」「独島よ、その場所にいてくれてありがとう」「独島よ、守ってあげるよ」といったメッセージを書き込む人もいた。

手形を押した参加者らは、それぞれの方法で「韓国の大切な海洋領土を守る」ことを誓った。

参加したキム・ハヌルちゃん(12)に感想を尋ねると、次のような言葉が返ってきた。

「今回の独島探訪を通して、独島について知らなかったことがたくさんわかった。独島の大切さを感じ、絶対に守らなければ、と考えるようになった」

子どもたちとともに今回の行事に参加したキム・ソニョンさん(45)は「子どもたちに独島の大切さと重要性を教えたくて、今回の『独島探訪』に参加した。子どもたちが手形を押しながら、独島がどれほど大切な我が領土なのかを感じてくれたらうれしい」と語った。

参加者らは、「独島」に上陸し、手形が押された大きな旗を広げ、「独島」を巡る。

韓国海洋財団関係者は「独島探訪の参加者が、海洋領土の重要性と意味、独島の大切さを感じる機会になればと思う。今後も独島をはじめ、韓国の海洋領土を広く知らせ、守っていくために最善を尽くす」と強調した。

こうした活動を通じ、韓国の子どもたちは幼いころから「領土の意識」を持つようになる。(つづく)


(KOREA WAVE 2024/09/16)

「鬱陵島全体がまるで自然博物館のようですね」

日差しが照りつける晩夏の暑さが厳しかった9月5日、韓国慶尚北道鬱陵郡西面にある通九味の亀岩の前。「2024独島探訪」に参加したチャン・ソニョンさん(47)は、太古の景観を眺めながら感嘆の声を上げた。

天然記念物第48号に指定された通九味のイブキの間から差し込む陽光が青い海に広がるたびに、感嘆の声が漏れた。その美しい瞬間を逃さないようにと、カメラのシャッターを切る参加者の姿が至る所で見られた。

胸がすっきりするような青い日本海を背景に、参加者らは写真撮影に夢中だった。カメラのシャッターを切る参加者の顔に、子どものようなときめきが満ちていた。

参加者の間では「胸がすっきりする気分」「海が本当にきれいだ」「こんな美しい風景は初めてだ」と感嘆の声が続いた。

二人の娘と「独島探訪」に参加したチョン・ジュノさん(53)は「テレビで見ていた鬱陵島の姿を実際に見ると、感動せざるを得ない。二人の娘とともに、この自然が作り出した風景を見ながら、良い保存状態が続くことを願った」と語った。

ただ、昨年10月2日に亀岩の頭にあたる部分が崩壊し、約400トンの落石が発生した。この事故の影響がまだあるようで、黄色い安全フェンスが長く設置されていた。

鬱陵島は、島全体が美しい自然景観を誇り、参加者の目を引いた。特に、そびえ立つような絶壁が屏風のように周りを囲む景観は、参加者の足を引き止めた。

羅里盆地もまた、感嘆せずにはいられない天恵の景観だった。鬱陵島唯一の平地と呼ばれるここは、半径約2kmの小さな土地だ。大量の溶岩と火山噴出物が放出されてマグマが溜まっていた空間が空洞化し、頂上部の岩石が崩れてできた。このカルデラは、韓国で唯一観察できる浮石が多く見られる場所でもある。

「独島探訪」の参加者らは、鬱陵島固有の伝統的な住居形式の家を見学した。風が強く、冬には3mも雪が積もる鬱陵島の気候や、先祖の生活様式を体験した。

参加者らは、鬱陵島の各所を巡りながら、海洋領土の重要性を改めて認識した。ハン・スヨンちゃん(12)は「神秘的なほど美しい自然を持つ鬱陵島を巡り、こんなに美しい島があることに驚いた。美しい自然環境を守り育てていかなければならないと感じた」と語った。

鬱陵島の「独島海洋研究基地」の見学を終えたキム・ジョンフン君(15)は「鬱陵島と独島にこれほど多くの資源があるとは知らなかった。二つの島について学べる有意義な時間だった」と話した。(つづく)



「独島行きの旅客船『Sea Flower号』がまもなく出航します。本日は波が高く、船が大きく揺れる可能性がありますので、ご注意ください」

9月6日午前7時27分、「2024独島探訪」に参加した約70人の乗った旅客船は、船長のアナウンスとともに、「独島」に向けて出発した。

鬱陵島の南東約87.4キロに位置する「独島」への航路は「三代の徳を積まなければ踏むことができない」と言われるほど険しい道のりだ。

午前中に降り始めた雨は時間が経つにつれ強まり、波も高く荒れていた。出航時から波が大きく、旅客船は絶え間なく揺れていた。

「独島探訪」の参加者らは酔い止め袋を手に、しばらく悩まされた。しかし、太極文様のフェイスペイントを施した子どもたちの顔には、期待と興奮が溢れていた。

どれほどの時間が経っただろうか。

高波を突き進んだあと、船長のアナウンスが流れた。「まもなく独島への接岸を試みます」

船内のあちこちから歓声が上がった。参加者らは船窓からかすかに見える「独島」に釘付けになり、太極旗を振りながら興奮していた。

参加者たちの強い期待と願いが天に届いたのだろうか。荒れていた海は、船が「独島」に近づくとともに静まり、午前中に降っていた雨も止んだ。

船窓の向こうには、海の真ん中にそびえ立つ高さ99.4mの東島の絶景が一望できた。断崖を打ちつける荒々しい波の音が響き、澄んだ日本海の清浄な風が参加者を包み込んだ。

「独島」に滞在できる時間は20分ほど。参加者らは、その絶景を背景に写真を撮ることに夢中だった。太極旗を振りながらシャッターを切り続け、出迎えた島の警備隊員に感謝の気持ちを表していた。

特に、手形が押された横4m、縦1mの大きな旗を広げ、「独島が韓国の大切な海洋領土であること」を再確認する意義深い時間を持った。

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家族とともに「独島探訪」に参加したチョン・ヨンジュンさん(41)は「実際に独島に来てみると、感動で胸がいっぱいになり、わが領土であることを実感できました。美しいわが領土を守っている独島警備隊員にも感謝します」と語った。

チョ・バネサちゃん(11)は「独島についてあまり知らなかったけど、今回の独島探訪を通して、わが領土・独島に一歩近づけた気がします。これからは、わが領土・独島をもっと愛し、大切にしなければならないと思います」と話した。

チェ・イェナちゃん(14)は「独島へ行く道のりは大変でしたが、教科書や写真でしか見たことのなかった独島を実際に見て、誇りに思いました。これからは、わが領土・独島を守るために力を尽くしたいです」と口にした。

「ブ~ン」

乗船の合図を告げる汽笛の音が響き渡り、船員たちの催促も後に続いた。

参加者らは、名残惜しさをこらえて船に乗る。船は再び、沙洞港へ向けて進んだ。

◇「日本の国境」理解深める取り組み

「独島探訪」の参加者は、年齢を問わず「独島」の土を踏んで、その風土を肌で感じ、それによって自国の領土に対する意識を深めていることがわかる。

この「独島探訪」の是非は別として、一方の当事者である日本では、こうした「自国の領土」に対する意識を深めるための試みが、どれだけなされているだろうか。

韓国が「独島」と呼んで実効支配を続けるこの竹島に加え、尖閣諸島や北方領土なども含めた「日本の国境」について、多面的な情報を整理して共有し、海洋国家・日本の置かれた状況を改めて認識する必要があるだろう。(おわり)