(朝日新聞 2024/12/21)
和歌山朝鮮初中級学校が、校舎の老朽化した給水ポンプを取り換えるためクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。学校生活に欠かせない設備も寄付に頼らざるをえない厳しい財政状況が続くが、「子どもたちが安心して学べる環境を」と広く協力を呼びかけている。
昨年創立65年を迎えた同校は和歌山市中島にあり、幼児から中学生までの子どもたちが通っている。取り換えが必要な給水ポンプは校舎と寄宿舎に取り付けられた2台で、老朽化でどちらにも不具合が起きている。止まれば水道水が出なくなるが、応急処置でしのいでいる。金栄哲校長は「早急に取り換える必要がある」と話す。
財政状況は厳しく、同校が学校設備のための費用をCFで募るのは、2022年の教室のエアコン設置費用に続き2度目だ。
県は1981年度から「子どもたちの学ぶ機会を確保する」との趣旨で補助金を交付していたが、徐々に減額し、2016年度に打ち切った。和歌山市も同様で同校への公的支援はなくなった。
「補助金で運営を助けられていたが、すべてなくなったときからとても難しくなった」と金校長は話す。運営資金は各家庭からの月謝だけではまかない切れず、寄付が頼み。人件費などの優先経費にあてると、建物の補修や設備に回す費用が確保できないという。
1973年に建てられた校舎は雨漏りし、ひびが入った外壁、老朽化した塀など補修が必要な部分は多い。さらに電気・水道料金をはじめ物価高騰が運営を圧迫している。
CFは在日本朝鮮和歌山県青年商工会が主催する。同校の卒業生で会長の鄭善幸さん(42)は、母校を「自分のアイデンティティーが育った場所」と話す。「朝鮮語で故郷のことをコヒャンと言う。自分が育った場所や祖父母が生まれた朝鮮半島と同じように、卒業生にとってこの学校もコヒャン。守っていきたい」
CFの目標額は150万円で、2台の給水ポンプの購入・設置費用や手数料などにあてる。寄付は「GIVING100(ギビングハンドレッド)」のウェブページ「和歌山朝鮮初中級学校の給水ポンプを取り替えたい!」(https://congrant.com/project/mireef/13476別ウインドウで開きます)で。28日まで。(榊原織和)
(毎日新聞 2024/12/25)
和歌山市中島の和歌山朝鮮初中級学校が老朽化した校舎の給水ポンプを取り換えようと、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。校舎と寄宿舎で昨夏以降、蛇口から水が出なくなるといった不具合が発生しているといい、同校は「安心して学べる環境作りに協力してほしい」と呼び掛けている。
同校は1958年創立。現在は幼稚班(幼稚園)から中級部(中学校)で計32人が学んでいる。言語や歴史といった独自教科がある以外は、日本の学校カリキュラムに準じた授業が朝鮮語で行われている。24日には2学期の終業式があり、行事の振り返りや成績表の配布があった他、グラウンドで元気に遊ぶ子どもたちの姿があった。
朝鮮学校を巡っては、文部科学省が2016年3月、補助金支出について再考を求める通知を都道府県に出したことから、交付取りやめが相次いだ。和歌山でも県と市からの公的支援がストップし、児童や生徒の減少、光熱費高騰もあり逼迫(ひっぱく)した財政状況となっている。ブロック塀や外壁など老朽化が激しい部分は給水ポンプ以外にも多くあり、今回のように急を要する場合は寄付金に頼るしかないという。
金栄哲校長は「独特な教育環境ではあるが、CFが朝鮮学校のことを知るきっかけになればうれしい。子どもたちが在日コリアンであることに、胸を張って過ごせる環境にしたい」と話している。CFサイト「GIVING100」(https://congrant.com/project/mireef/13476)で28日まで募っている。目標金額は150万円で、1000円から受け付けている。【安西李姫】

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