(産経新聞 2025/05/03)
防衛省は3日、沖縄県・尖閣諸島周辺で同日午後、領海に入った中国海警局の船からヘリコプター1機が飛び立ち、領空侵犯したと発表した。航空自衛隊のF15戦闘機2機が緊急発進(スクランブル)して対応した。中国による領空侵犯は4回目。政府は外交ルートで中国側に厳重に抗議し、再発防止を求めた。

2025No-03
2025No-02
▲沖縄県・尖閣諸島周辺で中国海警局の船から飛び立ったヘリコプター=3日午後(海上保安庁提供)

防衛省や第11管区海上保安本部(那覇)によると、船は4隻で、3日午後0時20分ごろから相次いで領海に侵入。ヘリはうち1隻から発艦し、約15分間飛行した。同時刻ごろに日本の民間小型機が周辺を飛んでおり、防衛省は関連を調べる。

11管によると、4隻は午後1時ごろまでに領海外側にある接続水域に出たことを海上保安庁の巡視船が確認した。中国当局の船が尖閣周辺で領海侵入したのは4月7日以来で、今年11日目。

4隻はいずれも機関砲を搭載。領海から出るよう巡視船が要求した。接続水域を含め、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは166日連続。


(産経新聞 2025/05/03)

【北京=三塚聖平】中国海警局(海警)は3日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で同日、海警船が巡行中に日本の民間機が中国の領空に入ったことを発見し、艦載ヘリコプターを離陸させて「警告、駆逐」したと主張する報道官談話を発表した。

談話は、海警船が定期巡行していたところ、日本の民間機が「中国側の釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)の領空に不法に入った」ことを確認したと主張した。これを受けて海警船が「直ちに法律に基づく必要な管理、コントロール措置を講じた」としている。「日本の民間機」の詳細については明らかにしていない。

海警の報道官談話は「釣魚島とその付属島嶼は中国固有の領土だ」という従来の主張を繰り返した上で、日本側に「一切の違法な活動を直ちにやめる」ことを求めた。同時に「海警は釣魚島の領海、領空で権益を守る法執行活動を引き続き行い、国家の領土主権と海洋権益を守る」とも強調した。


(産経新聞 2025/05/03)

尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で3日午後、領海に侵入した中国海警局の船4隻のうち1隻からヘリコプター1機が飛び立ち、領空を侵犯した。前例のない動きで、専門家は「新たなフェーズ(段階)に入ったといえる」と警戒。中国側による示威行為の転換点となる可能性もある。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、ヘリは「海警2303」の飛行甲板から飛び立ち、約15分間にわたって領空内を飛行した。今年3月24日には、通常4隻で船団を組んでいる中国海警船が一時2倍の8隻態勢となるなど、中国側はサラミを薄く切るように活動レベルを引き上げ、圧力を強める「サラミスライス戦術」を展開しており、今回もその一環とみられる。

11管で領海警備担当次長を務めた元海保幹部の遠山純司氏は「このような事態は従前から想定されていたが、今後とも政府としていかなる事態にも対処していく必要がある」と指摘する。

海警局は2013(平成25)年、海保と同じ法執行機関として再編・設立されたが、18(平成30)年に中央軍事委員会の指揮下にある人民武装警察部隊に組み入れられ、近年は中国海軍のフリゲート艦を白く塗り替えて改修した転用船の配備も目立つ。巡視船の甲板を貫通する能力を持つとされる76ミリ砲の搭載が確認されるなど海警船の武装化が進んでいる。

一方、海上保安庁では現在、中国海警船や台湾有事の住民避難などを想定し、令和11年度の就役を目指し、過去最大の多目的巡視船を建造する計画を進めている。総トン数約3万トンで、現在保有する最大級の大型巡視船(約6500トン)の4倍強。ヘリは最大3機の格納、2機同時の運用ができる。機関砲などは搭載しないが、遠山氏は「洋上の警備上の拠点にもなり得る」と話した。(大竹直樹)