国の特別史跡「大野城跡」無断で造成してキャンプ場 中国籍の夫婦は起訴内容を認める 検察「再三の行政指導にもかかわらず他人の土地を大規模に変更」懲役2年を求刑(FBS福岡放送 2025/05/29)
福岡県太宰府市にある国の特別史跡の区域内で、私有地や共有地を無断で造成し、キャンプ場を開設した罪に問われている中国籍の夫婦の裁判です。29日に初公判が開かれ、2人はいずれも起訴内容を認めました。

◇共有地や私有地を無断で造成

不動産侵奪の罪に問われているのは、福岡県宇美町の会社役員で中国籍の劉暁慶被告(41)と、夫で会社員の李勇被告(42)です。

起訴状などによりますと、2人は2023年5月ごろから10月ごろまでの間に、福岡県太宰府市にある国の特別史跡「大野城跡」の区域内で、21人が共同で所有する土地や15人が所有する土地で樹木を伐採し整地するなどして無断で造成し、トレーラーとプレハブ小屋を設置してキャンプ場を開設し、他人の不動産を侵奪した罪に問われています。

◇キャンプ場利用者の予約サイトも

福岡地裁で29日に開かれた初公判で、2人はそれぞれ起訴内容を認めました。

以下は、検察は冒頭陳述で明らかにした内容です。

劉被告は会社を経営する役員で、夫の李被告はその会社の従業員として働いていました。

2人は現場近くに土地を所有していましたが、2023年4月ごろ、当時、来日していた劉被告の妹が、この土地にキャンプ場を開設することを提案したことを受け、これを決意しました。

劉被告がキャンプ場に設置するトレーラーなどの発注や、キャンプ場の利用者のための予約サイトの契約などを行い、李被告が土地の造成を行い、業者にトレーラーの設置を指示するなどしました。

2人は2023年10月ごろからキャンプ場の運営を開始しました。2024年12月ごろ、「無許可の違法キャンプ場」と報じられたことなどから予約サイトを利用できなくなり、キャンプ場の営業を終了しました。

◇「再三の行政指導にもかかわらず」

その上で、検察は「他人の土地にキャンプ場を開設していて、他人の財産を無断で使い自己の利益を得ようとしていて、利欲的で身勝手」と指摘しました。

さらに「2000平方メートルもの土地で樹木を伐採して土地を造成し、多数の構造物を設置していて、原状回復に相応の期間を要することを考えると、侵奪の程度は相当程度、強度」だとしました。

「行政機関から再三の行政指導を受けていたにもかかわらずキャンプ場を開設し、土地の権利者から返還を求められたにもかかわらず、その後もキャンプ場の経営を続けていて強い非難に値する」として、検察は2人に懲役2年を求刑しました。

◇弁護側は執行猶予を求める

一方、弁護側は「2人とも罪を認め、すでにキャンプ関連施設を撤去するなど原状回復作業を進めている」として執行猶予付きの判決を求めました。

判決は6月5日に言い渡されます。