(西日本新聞/YAHOO 2025/07/17)
◇日本メディア報道後

 中国の原発の運用状況や安全性のデータをまとめた公式資料「中国核能年鑑」で、毎年公表してきた原発ごとに放出される気体や排水に含まれる放射性物質量の統計が、2024年版の年鑑から消えたことが分かった。

東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を非難する中国で、複数の原発が処理水の年間放出計画量の上限を大幅に上回る放射性物質トリチウムを放出していたことを、23年版などの年鑑を基に日本メディアが報じていた。

中国政府側が、不都合な情報を意図的に隠した疑いがある
。

2025No-03
▲2022年に福島第1原発処理水のトリチウム放出計画量を超えていた中国原発

 中国の原発は国有企業が運営しており、年鑑は原子力発電関連の業界団体「中国核能行業協会」が編集し、09年から刊行。原発ごとの放射性物質放出量の前年実績を記載する中国国内で唯一の公式統計とされる。

 西日本新聞が昨年11月刊行の24年版を入手したところ、23年版まで原発ごとの放出量を記してきた「放射性流出物排放情況統計表」がなくなっていた。一方で、年鑑の本文に「放射性物質の放出は各種規定に従って厳格に管理されており、23年の実績は全ての発電所で国家核安全局が定める上限値を下回った」と記していた。(坂本信博)

2025No-04
▲原発ごとの放射性物質放出量を示す表が掲載された2023年版「中国核能年鑑」

2025No-05
▲2024年版の中国核能年鑑の一部。放射性物質放出量の統計表が消え、「23年の放出量実績は国家核安全局の上限値を下回った」という内容を文章で記していた