「回答によっては提訴も必要」路線バスに転用断念の“万博EVバス”大阪メトロがEVMJ社に購入代金の返還と車両の引き取りなど求める 現時点でEVMJ社からの回答はなし(関西テレビ 2026/04/14)
大阪・関西万博の来場者輸送のため導入した「EVバス」をめぐり、大阪メトロが路線バスなどへの転用を断念したことについて、大阪メトロは購入元に対して代金の返還などを求めていると明らかにしました。

そのうえで「回答によっては購入代金の返還などを求め提訴することも必要だ」との考えを示しました。

大阪メトロは、大阪・関西万博の期間中、会場内外の輸送や大阪市内でを運行するオンデマンドバスとしてEVバス・計190台を福岡県北九州市の「EVモーターズ・ジャパン(以下、EVMJ社)」から購入しました。

しかし、各地で不具合が相次いだことから、国土交通省が去年10月、立ち入り検査を実施。

その後、大阪メトロがことしに入ってEVMJ社の特別点検に立ち会ったものの、その際にも新たな不具合が見つかったということから「安全性と長期的な安定性を確保できる方法・体制を確立することは困難」と判断し、全車両について今後使用しないことを決めたと先月31日、発表しています。

この問題について、きょう=14日午後、大阪市議会と大阪メトロなどが意見交換会を実施しました。

会合の冒頭、大阪メトロの河井英明社長は「EVバスについて、議会の皆様はじめ市民、お客様、関係者に多大なるご心配とご迷惑をおかけしていること、心よりお詫びする」と陳謝しました。

その後、大阪メトロ側から一連の経過について説明がありました。

それによると、万博期間中のEVバスの運行について「安全に問題のない車両のみ使用した。不具合発生が続いたので、定期点検の短縮と点検項目の追加、EVMJ社の社員の常時配置などの体制整備、安全確保のために策を講じて安全性を確保しながら運行した」ということです。

一方で万博後、路線バスに転用するにあたり、万博期間中のような体制整備の構築が難しいとしたうえで「ことし1月から特別点検を開始したが、試験走行中に重大な不具合が発生したこと、車両の分析状況から潜在的欠陥が判明した」などとしたうえで「多額の費用をかけても潜在的欠陥を解消する見通しが立たないので、大阪市内を走る公共交通として安全性・長期的な安定性を確保できないと判断した」と説明しました。

また、議員から費用請求などについて問われると、大阪メトロは「EVMJ社と契約を解除して購入代金の返還、違約金請求と車両の引き取りを求めている。現時点でEVMJ社から代金の返還等については回答がない。回答いかんによっては提訴提起することも必要だと考えている」と話しました。

そのうえで、一連の対応により2025年度の決算で特別損失を計上することなるとの見通しを示しました。

大阪メトロがEVバスの使用を断念したことを受け、金子国交大臣は今月3日「大阪メトロから車両を使用しない方針が打ち出されたことを受け、法令に則り補助金返還求める」と、補助金の返還を大阪メトロに求めていくとしています。

これについて、大阪メトロは購入に際して国や大阪府市から補助金の交付を受けているとしたうえで「協議をしたうえで、返還など早期の解決を図る」と話しました。



大阪・関西万博の開幕から1年、閉幕から半年です。成功ムードの裏で残された課題も浮き彫りとなってます。万博の会場内外で活躍していた電気で走る「EVバス」。万博のために税金も投入され購入された車両ですが、いまは止まったままで放置されているというのです。“負の遺産”となってしまうのでしょうか?

◇EVバスが“負の遺産”に?放置された135台

13日午後、報道陣に公開された大阪・関西万博の会場。

上空から見ると、シンボルだった大屋根リングは3割ほど解体され、多くのパビリオンが姿を消し、ほとんどが更地になっているように見えます。

この万博で活躍した“あるもの”が、思わぬ形で残されていました。

清水貴太 記者
「ご覧ください。あちら見えてきました多くのバスが止まっています」

鉄道車両の点検などを行う大阪メトロ・森之宮検車場の一角に並ぶ、電気で動く「EVバス」です。

上空から確認すると、その数は135台にのぼります。

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清水貴太 記者
「バスのタイヤには車止めがつけられていて、固定されています。バスの上の方には白い汚れでしょうか、鳥のフンのような汚れがあり、バスが長い間停められていることが分かります」

これらのEVバスは、万博会場の中や、会場と駅などを結ぶ足として活躍していました。

中国の企業が製造したものを北九州市のEVモーターズ・ジャパン社(EVMJ)が輸入、大阪メトロが2022年度以降に購入したものです。

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国土交通省などによりますと、全国各地の運行事業者から「不具合が多い」という情報が寄せられたことで、国交省がEVモーターズ・ジャパン社に総点検を指示、その後、立ち入り検査も行いました。

EVバスは万博閉幕後、大阪府内で自動運転の実証実験に使われる予定でした。しかし、大阪メトロは"安全性が確保できない"などとして、3月末に全ての車両を今後、使わないことに決めました。

大阪メトロの決定について、EVモーターズ・ジャパン社は…

EVモーターズ・ジャパン社
「弊社としては再発防止策を進めており、大阪メトロ様に対しては、車両の安全性および安定運行の確保に向けて、改善策や運用面での対応について個別に具体的な提案を行い、客観的に評価を実施する第三者機関を探すといったことも行ってまいりました。大阪メトロ様と弊社との見解が異なっており、大変遺憾に存じます」

ただ、問題は安全性だけではありません。

大阪市によりますと、大阪メトロが万博用に購入したEVバスは計150台、約75億円。この購入費用には、国から39億円、大阪府と市から4億8000万円の補助金が出ているとされていて、半分以上が税金で賄われていることになります。

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万博閉幕後も活用されることなどを想定して補助金を交付したことから、国や大阪府・市は大阪メトロに対して返還を求めることにしていて、大阪メトロは「交付者の皆さまと協議のうえ、適切に対応してまいります」としています。

◇万博開幕前からEVバスに不具合の指摘も…

小川彩佳キャスター:
万博から1年、成功ムードというのもありますが、EVバス導入の判断に無理はなかったのでしょうか。

清水貴太 記者:
万博の当初の計画では1日2万6000人がこのバスを使うという計画でした。そのため、かなりの台数を確保しないといけない。さらに、万博は4月13日開幕と期限が決まっていました。この期限に間に合わせるため、必要な台数の確保を急いだ側面は否めません。

購入した大阪メトロに取材をすると、当初、国内メーカーの方に打診しましたが、「その期間で量産は難しい」との回答であったため、今回EVモーターズジャパン社に頼る形になりました。

藤森祥平キャスター:
これらのEVバスを、これからどうするのでしょうか。

清水貴太 記者:
用途はまだ未定で、これからどういうふうに活用するか検討課題になっています。

販売会社であるEVモーターズ・ジャパン社は、後ほど活用するために、大阪メトロに対し「車両の安全性および安定運行の確保に向けて具体的な提案を行っていた」としていますが、大阪メトロは「安全性が確保できない」としてEVバスの使用を断念したという経緯があります。

ただ、このEVモーターズ・ジャパンの関係者に取材すると、「実はこの開幕に間に合わせるために社内として焦りがあった」というような発言もありました。

さらに、このバス自体は、例えばブレーキがきかない、バスのドアが閉まらない、エアコンから水が漏れてくるといった不具合が万博の開幕前から指摘されていました。

このEVバスが負の遺産にならないように、「万博が終わってよかったね」で終わらないようにするためにも、今回のEVバスが導入された経緯というのは、きちんと検証されるべきだと考えます。