(朝鮮日報 2026/05/07)
北朝鮮が、韓半島の北の地域のみを領土と定める領土条項を新設する憲法改正を断行した。
祖国統一条項を削除し、国務委員長を「国家首班」と定義しつつ、核使用の権限を初めて明示した。
6日に政府ソウル庁舎で開かれた統一部(省に相当)記者団対象のメディア懇談会で公開された北朝鮮の新憲法は、第2条を新設して領土を定めた。
第2条は「朝鮮民主主義人民共和国の領域は、北で中華人民共和国とロシア連邦、南で大韓民国と接している領土と、それに基礎しつつ設定された領海と領空を含む」というものだ。
南の陸上・海上境界線については具体的に言及しなかった。
2国家関係路線が全般的に反映されたものだが、金正恩(キム・ジョンウン)総書記・国務委員長の予告とは異なり、韓国を「敵対国」と宣言する内容は無かった。
また、これまで憲法の序文・本文にあった「北半部」「祖国統一」「社会主義の完全な勝利」など、同族関係と統一概念は全て消えた。
金日成(キム・イルソン)と金正日(キム・ジョンイル)による先代の業績は全て省き、序文の統一偉業の記述も全て無くした。
これまで憲法にあった「帝国主義侵略者たち」「搾取と圧迫から解放され」「内外敵対分子たちの破壊策動」などといった戦闘的表現も消えた。
国務委員長の権限・立場は大幅に強化された。
国家機関配列の順序で国務委員長が真っ先に登場し、これを「国家首班」と定義した。
北朝鮮の憲法で国務委員長が最高人民会議よりも先に置かれるのは初めてだ。
「金日成・金正日主義」が削除され、金正恩の統治理念である「人民大衆第一主義」が序文に明記された。
国務委員長の独占的核武力指揮権が初めて明記され、委任根拠条項も新設された。
国務委員長の「重要幹部任命」権限の対象に「最高人民会議議長」と「内閣総理」が明示された。
「無償治療」「税金のない国」「失業を知らない」など、現実と乖離(かいり)した社会主義の無償福祉条項も全て削除された。チ・ジョンヨン記者

(東亜日報 2026/05/07)
北朝鮮が3月に改正した憲法で、領土条項を新設し、統一関連の表現を削除したことが分かった。金正恩(キム・ジョンウン)総書記(写真)が国家核武力指揮機構に核兵器の使用権限を委任できるとする条項も盛り込まれた。正恩氏が攻撃を受けた場合、自動的に核兵器を発射できる、いわゆる「核の引き金」体系の法的根拠を憲法に明文化したのだ。
6日に韓国統一部が記者団向けに開いた説明会で北朝鮮の新憲法が公開された。領土条項が新設され、憲法第2条には、「朝鮮民主主義人民共和国の領域は、北側で中華人民共和国、中国、ロシア連邦、南側で大韓民国と接する領土と、それに基づいて設定された領海および領空を含む」と明記された。北朝鮮は従来の憲法にあった統一、民族などの概念も削除した。
「敵対的2国家」政策を宣言した北朝鮮が、憲法を通じて韓国と北朝鮮を境界を接する2国家と規定した形だ。1948年の北朝鮮政権樹立後、北朝鮮が憲法に領土条項を明記したのは初めて。韓半島全体を領土と規定する韓国憲法第3条と相反するだけでなく、境界を巡る認識の違いもあるため、衝突につながりかねないとの懸念が出ている。
北朝鮮は憲法第89条で、「朝鮮民主主義人民共和国の核武力に対する指揮権は国務委員会委員長(総書記)にある」「国務委員長は国家核武力指揮機構に核武力使用権限を委任することができる」と明記した。北朝鮮の核兵器に対する正恩氏の独占的権限を強調するとともに、有事には核攻撃に踏み切る可能性を明確にしたものとみられる。核兵器の使用権限を憲法に明記した例は極めて異例だ。
梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は、「核使用の権限を憲法レベルに格上げし、委任権限まで明記したのは、核の先制攻撃と迅速攻撃を念頭に置いたものだ」とし、「有事の際、正恩氏が決定しなくても自動的に核戦争が始まる可能性があることを意味する」と指摘した。
一方、改正憲法は前文にあった「金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)憲法」という表現を削除し、総書記の権限を強化するなど、金正恩唯一体制を一段と強固にしたと指摘されている。權五赫

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