(朝日新聞 2026/07/06)
 長年不正をしていた在日朝鮮人系の信用組合「ウリ信用組合」(本店・札幌市)が金融庁の立ち入り検査に対し、資料をシュレッダーで破棄したり外部に運んで隠したりしていたことが分かった。金融庁は同信組の対応が検査忌避などにあたるとみて、同信組の元役員らを刑事告発する方針を固めた。

 複数の関係者によると、金融庁は同信組の行為は「協同組合による金融事業に関する法律」違反(検査忌避、虚偽答弁)にあたるとみている。同信組を管轄する北海道財務局(札幌市)が、北海道警と告発について協議する模様だ。

 同信組は本名で口座を作りたくない顧客の求めに応じ、架空の名義を用いたり、顧客の親族の名義を無断で使ったりして口座を作っていた。元役員が架空口座などに入っていた顧客の預金を着服していたことなども発覚。6月12日、金融庁から一部業務停止命令を受けた。

 同信組では20年以上前にも架空名義や借名口座が発覚した。そのため、金融庁の検査官は直近の立ち入り検査で、架空名義や借名口座の有無についても聞いていたが、同信組側はその存在を否定するなど、うその答弁をしていた。

 経営陣は金融庁に対し不正の事実を隠すことを決めていたとされる。関連資料を廃棄しようと職員らがシュレッダーにかける姿などが防犯カメラに映っていたことで発覚した。悪質性を判断するうえで、組織としての関与の度合いが焦点となる。

 金融庁検査を巡る事件では、旧UFJ銀行が2004年、検査を妨害したとして金融庁が同行の元役員らを刑事告発し、元役員らが銀行法違反(検査忌避)の疑いで逮捕・起訴された。

 最近では、巨額の不正融資が発覚した福島県のいわき信用組合に対し、東北財務局が今年1月、同局にうその報告をしたなどとして、信組と元役員らを福島県警に刑事告発した。県警は受理して調べている。