(東京新聞 2026/08/25)
韓国の革新系与党「共に民主党」の新代表に、金民錫(キムミンソク)前首相(62)が選出された。李在明(イジェミョン)大統領の側近で、日本政界にも知己が多い。日韓は「実用外交」を掲げる李政権の下、良好な関係が続くが、議員交流を加速し、両国関係を確かなものにしたい。
金氏は17日の当選後、党大会での演説で「党は大統領、政府の成功のために駆ける。それが国民の成功だからだ」と、李氏との連携を強める考えを示した。
金氏はこれまでの約1年間、首相として李氏を支え、李氏も就任1年の記者会見で「歴史上このように短期間で具体的な成果を上げた内閣があるか」とたたえた。党員らも金氏の実務能力を評価し、政権安定を望んだのだろう。
代表選で敗れた鄭清来(チョンチョンレ)氏は6月まで党代表として検察や司法制度改革を主導したが、中道・穏健派にも配慮する李氏とは、改革への姿勢の違いも指摘されてきた。
金氏への党代表交代で、政府・与党間の意思疎通が円滑になり、韓国の内政、外交政策が安定することを期待したい。
尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の「非常戒厳」宣言以降、保革両陣営ともに内部での溝が深まり、今回の代表選でも金、鄭両氏が互いを激しく批判した。与党内で「事実上の内戦」(ハンギョレ新聞)状態が続けば社会が不安定化しかねない。金氏の党運営に注目したい。
金氏は30代で国会議員に初当選以降、日本の政治家との交流を続ける知日派でもある。
河野洋平元衆院議長の死去を受け、6月にはSNSで、日韓関係を「今以上に発展させなければならない」と強調。長男の河野太郎元外相とは「難しい問題があり、政治的立場が違おうとも『ホンネ(本音)』を隠さず話し合おう」と約束したことを明かした。
李氏は日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の演説で日韓関係の重要性を指摘し、歴史問題を念頭に「信頼は相手の痛みを理解し、互いに共感する真摯(しんし)さから生まれる」と語った。
韓国の政府、与党ともに対日関係を重視する指導者が就いた今こそ、信頼関係をさらに強固にする好機だ。議員交流を活性化して、共通の課題や歴史問題について率直に話し合うよう求めたい。

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