(朝日新聞 2026/09/12)
世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」の朝鮮半島出身者を含む全ての労働者の追悼式が12日、新潟県佐渡市であった。「追悼の辞」をめぐって日韓の隔たりは埋まらず、韓国側は初開催から3年連続で参加しなかった。
追悼式は民間団体や県、市でつくる実行委員会が主催し、55人が参加した。政府代表として出席した外務省の浜本幸也・国際文化交流審議官は追悼の辞で、「朝鮮半島の労働者の方々は、戦争という特殊な社会状況とはいえ、故郷から遠く離れたこの地で、危険で過酷な環境の下で困難な労働に従事された」と述べ、朝鮮半島出身労働者の過酷な労働環境に言及した。
2024年の世界遺産登録にあたり、韓国側は「強制労働被害の現場だ」と反発。日韓は朝鮮半島出身者を含む全ての労働者の追悼式を毎年開くことや、現地に朝鮮半島出身労働者の過酷な労働を示す展示を設けることで合意した経緯がある。
今回の追悼式の開催に向けても、日韓両政府は韓国側の参加に向けて協議を続けたが、折り合えなかった。
韓国政府関係者は、追悼の辞における朝鮮半島出身労働者の「強制性」に関する表現で合意できなかったと説明している。韓国側は別途、独自の追悼式を開く方針だ。
日韓関係は良好な基調が続いており、隔たりのある歴史問題については、両国関係に影響する問題にならないよう管理する姿勢をとる。日本政府は「強制労働に関する条約上の『強制労働』には該当しない」との立場で、韓国側が追悼の辞に「強制性」を求めれば折り合うのは難しいという状況だ。日本政府関係者は「当面は別々に追悼式を行うしかないだろう」と話す。(太田成美)

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