(産経新聞 2026/10/20)
横浜市の原沢敦美市長は20日の就任記者会見で、市政の実力者とされる平原敏英氏ら副市長4人を当面続投させる考えを示した。「それぞれの担当分野を持つスペシャリストで、しばらくはこのまま行くつもり」と語った。平原氏の発言が問題視される動画については、言葉の使い方を不適切としつつ「動画だけをもって辞めさせることには、おそらくならない」と述べた。

◇続投は「市民のため」で判断

動画では、平原氏が9月下旬の会合で、既に辞職し、再選を目指していた山中竹春前市長を呼び捨てにし、「首を取る」と発言したとされる。原沢氏は動画を見たとした上で「単語の使い方は不適切だったと思う」と指摘。一方、会合の目的などを把握していないとして「全体の文脈の流れでなければ判断できないところがある」と説明した。本人には「聞いてみようかなとは思う」と語った。

続投が発言の擁護につながるとの指摘には、「過去の実績、仕事ぶり、考え方を拝見して、市役所のため、市民のためになるということだったら、続けてくださいとお願いする」と述べ、指摘に反論した。「不適切な発言が一つあったからといって、今までやってきたことを否定することではない」と語った。

自身にも同様の言動が向けられる可能性については、「要は私がぶれなければいい話」と強調。市民のためにならないと判断すれば、動画に関係なく退任を求めると説明し、それは全ての副市長に同じ基準で臨む考えだという。

◇「軽いみこし」論に反論

原沢氏は18日投開票の市長選で、自民党、日本維新の会、国民民主党の地方組織の推薦と、公明党市議団の支持を受けて圧勝した。「軽いみこし」とみる声には、「私と一緒に仕事をしたことがある人は、多分誰も思っていないと思う」と反論した。

社外取締役としても「言いたいことは絶対言うタイプ。忖度もしないし、空気も読まないと言われていた」と説明。正しいと思う発言への批判は自身の責任だが、言うべき内容を言わずに後悔したくないとの考えを示した。

周囲に反対されながら航空整備士や弁護士の道を選んだ経歴にも触れ、「自分がやりたいし、自分が正しいと思えば自分がやる。誰かに何かを言われて、それに乗るほどやわじゃない」と語った。

◇朝鮮学校補助「前向きと言っていない」

朝鮮学校への補助金再開については、「前向きに検討すると言ったことは、おそらく一度もない」と述べた。

「国籍を問わず、全ての子供は平等に教育を受ける権利がある。教育を受ける権利を奪うつもりは一切ない」と強調する一方、補助金の支出には別の観点からの検討が必要と説明した。

「公の支配」に属しない教育事業への公金支出を禁じた憲法89条に言及し、対象の学校が「公の支配」に属するかを確認する必要があると指摘。支出が可能でも、税金の使途などを市民に開示できる団体かを確認し、支給の是非を判断するとした。

補助金を出していない現状は、そうした検討を経た判断ではないかとの見方を示した。その上で「今の状況を何か変える必要があるのかどうかは、考えていない」と述べた。(奥原慎平)