[人生と文化] 今、天皇を呼ぶ理由

日本では先月16日に衆議院で可決された安全保障法案をめぐり賛否の世論が熱く、知識人によって戦争法案と命名された安保法案の阻止のための声でいっぱいだ。特に戦争に動員される可能性が高い若い世代の激しい反対運動が目立つ。安倍総理は8月14日の談話で戦争責任に言及しないだろうという予想が支配的だった。徹底してアメリカを支えとする彼を阻止できるのは天皇だけという意見が安倍に反対する陣営で流れてきた。

日本の天皇は憲法3条で政治介入が禁止されており、国家の公式行事で政治的発言をしない。ところが最近、天皇の態度が大きく変わった。機会があるたびに平和憲法守護を話し、8月15日にも侵略戦争を謝罪した(「さきの大戦に対する深い反省」?)。たぶん安倍政権が天皇の態度を変えたわけである。

安倍総理の無理な安保法案推進は保守勢力の分裂と対立までもたらした。代表的な右翼漫画家小林よしのりの新作漫画『卑怯者の島』は戦争の惨状を伝える内容だった。彼は今、右翼側の安保法案反対者として有名である。ところが彼の反対は決して過去の侵略戦争を謝罪したり、天皇制に反対するものではない。

むしろ興味深いことは、今、安倍の安保法案に反対する右派や進歩勢力すべて天皇の役割に大きな期待をしているという点である。天皇の力が大きいということは十分に理解できますが、これまで天皇制に批判的だった進歩勢力までも天皇を平和の象徴として包装している。

現存の天皇(今上天皇)の平和憲法に対する信念はしっかりして見える。だからといって今の雰囲気が日本帝国の侵略戦争の最高責任者であった昭和天皇の美化につながってはいけない。

最近、映画『日本のいちばん長い日』を見た筆者は、現存の天皇と昭和天皇のイメージが入り乱れる可能性を予感した。いや巧妙にかき混ぜているという気がした。

1945年8月15日、終戦を知らせる天皇の玉音放送直前の24時間が映画の舞台である。映画において日本の無条件降伏を阻止しようとする陸軍若手将校のクーデター(宮城事件)を退け、‘終戦’が国民の犠牲を防ごうとする天皇の‘聖断’を通じて行われたことを強調する。

このように天皇の戦争責任の追求を回避し、陸軍の戦争責任を問う叙事方式は歴代の戦争映画と異なるものではない。注目する点は、映画でこれまでダブー視されてきた天皇が配役で登場するという点である。天皇を実際の配役にした最初の映画として日本映画の新しい一頁を開いたといえるが、リアリティーが倍加されたその映画が生み出す効果に、より目が行くのは筆者だけの過敏な考えであろうか。

今、日本の現実と映画『日本のいちばん長い日』から見える‘天皇’のイメージに強い違和感を感じるのは、別の映画『野火』の陸軍敗残兵の姿が重なるためかもしれない。

『日本のいちばん長い日』にはすっきりした服を着て素朴だが正常な食事と飲酒をする支配層が大挙登場する。空襲が激しい東京の防空壕でも洗練されて肥沃な権力層、また、クーデターを企てる陸軍エリートの洗濯されたすっきりした服装がそうである。これらの清潔さは、飢餓と下痢で全身に便の臭いを漂わせ、食糧不足で略奪とさらに人肉を食べて仲間の血まですする『野火』の敗残兵とあまりにも違う姿である。

日本の‘英霊’はどのように死んだのだろうか。アジア侵略戦争で日本陸軍の半分以上は飢えて死んだという。その歴史には植民地の朝鮮人も含まれている。『野火』で鳴り響く日本兵士たちのすさまじい叫びと、彼らに略奪され、彼らの食糧になったかもしれないフィリピン民衆の叫びは、戦争のむごたらしい末路を見せてくれる。

私たちはもしかしたら『日本のいちばん長い日』の支配層の叙事に引かれて、戦争のむごたらしさと犯罪を見過ごしたり、責任の所在をぼかしているかもしれない。

コウ・ヨンラン(高榮蘭)日本大学准教授(文理学部国文学科 博士。1968年に韓国光州で生まれ、1994年に来日。)(機械翻訳 若干修正)


お金のためだけにベトナムに兵士を送った元首の子供が元首になり、いまだに虐殺についてだまっている自国のことはどう思っているんですかね。


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浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち
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