(中央日報 2016/02/01)

年金利0.1%の当座口座に5000万ウォンあり、1年以内に1000万ウォンを使うとしよう。多くの人は残りの4000万ウォンを利率が高い他の預金に回すだろう。

ところが銀行が当座口座だけを使うよう強要すればどうなるのか。これは騒ぎを招く横暴だ。こういうことが国内であった。数年前に苦境に陥ったイランを相手に。

西側の要求で2010年、韓国もイラン制裁に加わらなければならなかった。核心制裁の一つがドル取引禁止だった。石油導入の中断とともにイランの2500余りの輸出業者が致命傷を受けるところだった。苦心の末に出てきた妙案が韓国ウォン決済システムだ。韓国ウォンを支払って石油を輸入するものの、イランが受けた代金を国内銀行の口座に置いて、韓国の商品を輸入する時に使わせるというものだった。

最初はよかった。しかしウリィ・企業銀行に開設した口座の残高が予想以上に多い4兆-5兆ウォンに増えると、問題が生じた。年金利が0.1%にすぎないため、イラン側が一部を定期預金にしてほしいと何度も要求したのだ。「3%の定期預金でも年1000億ウォン(約100億円)をはるかに超えるが、正当な利子を受けていない」という主張だった。

しかしこうした要求は徹底的に無視された。怒ったイラン側は中央銀行副総裁まで韓国に派遣し、銀行を変えようとしたが、これも叶わなかった。

こうした状況が報道されるまで両銀行は特別な負担なく4兆-5兆ウォンを運用した。暴利論争が出てくると、2012年8月にようやく利子を上げた。しかし年1.6%だった。1年満期定期預金が3%を超えていた時期だった。

当時、イランに精通した人たちは「近いうちに制裁が解除される見込みだが、このようにしていれば不利益にあう」と心配した。

その予想通りイラン制裁は3年後に解除された。いまイランは数兆ウォンの預金を引き出そうとする状況であり、銀行が慌てている。預金を移さないよう交渉団を送るなど大騒ぎしているが、あらかじめ適切に対応していれば雰囲気ははるかによかったはずだ。

利子をめぐり葛藤が深まった時に実務者として訪韓し、屈辱的な対応を受けたのが、現在、中央銀行海外担当副総裁を務めるメディ・グダジ氏だ。

銀行はイランに対して「甲」の立場で数百億ウォン以上の利益を得て、当局はこれをほう助した。国益という仮面をかぶった不義だ。当時、銀行の高位層は蜜を吸ったが、結局、その負担は後任者と国がそのまま負うことになった。当面の利益に目がくらみ、国格の失墜はもちろん、長期的に国益を害することになるのなら、今からでも非難を受けて当然だ。

イラン「韓国口座から資金移す」
(中央日報 2016/01/28)

「イラン発特需」を期待していた国内の企業と政府が伏兵にあった。複数の政府関係者によると、イラン側は経済制裁のため2010年から国内の銀行口座で凍結されていた石油輸出代金を本国に移すという意向を表した。

この口座は2010年にウリィ銀行と企業銀行に開設されたイラン中央銀行の韓国ウォン口座で、その間、国内企業のイラン輸出入代金の精算に使われてきた。

政府関係者は27日、「対外資産凍結措置が解除され、イラン側が口座にあった資金の一部を国内に移したいという意向を表したのは事実」とし「政府はひとまず引き止め、韓国ウォン決済口座を維持しようと伝えている」と述べた。

イラン中央銀行名義の韓国ウォン口座と3兆-4兆ウォン(約3000億-4000億円)と推算される残額は、現在、国内企業がイランと安定的に貿易するうえで必要な手段だ。米国が依然としてイランとのドル取引を制限しているからだ。

しかしイラン側は口座を維持してほしいという韓国政府の要請に返答していない。このため政府は今月末に担当者を現地に派遣してイラン中央銀行と協議し、来月末予定の韓・イラン経済共同委でもこの問題を協議することにした。

企画財政部の関係者は「韓国ウォン口座は安定的であるうえ、為替レート変動リスクもなく、韓国企業に役立ち、イランも直ちに原油取引をするには韓国ウォン取引が避けられないという点を説得する」と述べた。

しかしイランとしても復旧事業のためすぐにも資金が必要な状況だ。さらに韓国との取引でも決済通貨を人民元・ユーロ・円などに多角化するという立場であり、韓国ウォン残額を現水準で維持するかどうかは不透明だ。

海外投資銀行のクレディ・スイス(CS)は最近の報告書で「イランの本国送金の可能性はウォン安要因の一つ」と分析した。政府はイランとのユーロ決済システムを構築する計画だが、これも米国と難しい協議の過程が伴う。

企画財政部の関係者は「ウォン・ドルだけで取引される国内外国為替市場の特性上、ユーロ決済をするにはドルと米国金融機関が中間に入るしかない」とし「米財務省と協議を始めた状態」と説明した。

一方、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の鄭然国(チョン・ヨングク)報道官はこの日、「朴槿恵(パク・クネ)大統領がイラン訪問を検討している」と述べた。青瓦台の関係者によると、朴大統領のイラン訪問は早ければ4、5月になるという。


とっても韓国らしい対応をしていたんですね。


正論2016年3月号
B019NDFGQ2