(アジアエックス 2016/07/13)

〈シンガポール〉
MRT(地下鉄・高架鉄道)車両の部品に欠陥が見つかった問題で、陸運庁(LTA)は7月12日、中国の青島で組み立てる車両については欠陥車両以外もすべて、重要部品を中国製ではなく、神戸製鋼の製品にすると明らかにした。

欠陥が見つかったのはボディーと台車の間の補強材「まくらばり」で、微細なひびが入っていた。26の車両に欠陥があった。

車両を納入したのは川崎重工業と南車青島四方機車車輌のチーム。欠陥部品を製造したのは中国のアルミ製品メーカー、竜口チョンリンで、アルミ合金に不純物が混入したのが原因。ひびが見つかったのは2013年7月。

コンピューターによる検査では、ひびの入ったまくらばりは最大負荷の3倍強の圧力に耐えられる。設計上は3.7倍だが、LTAは安全上の問題はないと判断した。しかし納入業者に、まくらばりのメーカーを変更するよう要請。川崎重工は神戸製鋼の製品を使うことを決めたという。

これまでに5両が修理を終えており、1両が修理中。保証期間内であるため、部品交換、輸送費は全て納入業者が負担する。

欠陥が判明した後の2014年の入札でも、LTAは川崎重工と南車四方の連合体に91両を発注している。チュア・チョンケン副最高責任者は、質、価格、運営コストのすべての面で最高の内容だったためと説明した。


(朝鮮日報 2016/07/07)

 シンガポールで先月12日、秘密裏に列車の輸送作戦が展開された。厚いグリーンの包装材に包まれた長さ20メートルの列車が大型トレーラーに載せられ、ビシャン車両基地からジュロン港に運ばれた。その後は船で4000キロメートル近く離れた中国・青島まで輸送された。

 この列車はシンガポールの都市鉄道であるMRT(大量輸送交通システム)を運行するSMRTが2011年以降、中国の電車メーカー、青島四方機車車輛(CSR四方)から納入を受け、現在南北線、東西線に投入されてきた「C151A型」で、これまで故障が相次ぎ、論議を呼んできた。結局は大規模な交換、修理が避けられないと判断され、リコール(回収・無償修理)措置が取られた。

 中国の鉄道車両メーカーによる海外でのリコールは今回が初めてであり、中国まで持ち帰って修理を行うのは異例だ。北京の消息筋は「香港、タイなどに納入した車両は全く問題がなかったが、今回の一件で中国当局が当惑している」と話した。

 CSR四方は2009年、SMRTが実施した公開入札で日本の川崎重工業とコンソーシアムを組み、韓国の現代ロテムなどを退け、中国企業としては初めて、シンガポールに鉄道車両を供給することになった。2回にわたり、6両編成の35編成を納入した。金額は3億6800万シンガポールドル(約276億円)相当で、うち26編成、156両が問題となった。

 中国がシンガポールに納入したC151Aは、川崎重工業が1980年代から製造したC151を改良したものだが、トラブルなく運行された従来モデルとは異なり、多くの欠陥が見つかり、運転中断が相次いだ。2011年には修理途中に電源を供給するバッテリーが爆発し、中国製バッテリーが全てドイツ製に交換され、車両や下部連結部分などでひびが見つかった。

 CSR四方は中国・広州から深センを経て香港に至る高速鉄道9編成、香港の都市鉄道MTRに93編成の車両を供給している。シンガポール政府はリコールの事実関係を公表していなかったが、香港の新興メディア「ファクトワイヤー」が報じたことから、5日なって事実関係を認めた。SMRT幹部は「構造的な欠陥が見つかり、メーカーに修理を委ねた。2023年ごろに完了する」と説明した。

 今回の大規模リコールは、中国政府が野心的に進める一帯一路構想と鉄道崛起(くっき)にも悪影響を与えそうだ。価格競争力を武器に全世界で高速鉄道公示を受注してきた中国が安全性と信頼性で弱点を見せたからだ。11年には浙江省温州市で高速鉄道が事故を起こし、40人が死亡している。

 一方、東南アジアで中国と鉄道受注を争う韓国、日本にとっては好材料となりそうだ。

 中国は巨大な資金力、価格競争力で大規模プロジェクトを相次いで受注してきた。日本は今年インドの高速鉄道、韓国はフィリピンの地下鉄とインドネシアの軽量鉄道(LRT)などを受注した。


中国式コストダウンモデルですね。


鉄道ファン 2016年 08 月号 [雑誌]
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