(東スポWeb 2017/03/31)

 韓国のソウル中央地裁は31日未明、収賄などの容疑で検察が請求した前大統領・朴槿恵容疑者(65)の逮捕状を発付した。検察は直ちに逮捕、前大統領はソウル拘置所に収容された。韓国で大統領経験者の逮捕は1995年の盧泰愚氏、全斗煥氏以来で3人目。事件が節目を迎え、5月9日に行われる大統領選の行方が注目される中、専門家は韓国の“北朝鮮化”を危惧している。

 朴前大統領は容疑を否認しており、地裁は「証拠隠滅の懸念がある」として逮捕状を発付した。

 職務権限を乱用し、親友・崔順実被告の国政介入を許したとの疑惑に始まった前大統領をめぐる容疑は、崔被告と共謀して大財閥サムスンから約30億円の賄賂を受け取った疑いなど13にのぼる。

 前大統領は10日に職を罷免されたばかり。過去に逮捕された全斗煥氏は退任7年後、盧泰愚氏も2年以上後で、政治的影響力が落ちた後だった。こうした前例に比べると今回のスピード逮捕ぶりは際立つ。

 今後は4月15日の大統領選告示を経て5月9日に新大統領が生まれる運びだが、強い世論が朴前大統領罷免を呼んだように“国民情緒法”が支配すると言われる韓国にあって、支持率の高い有力候補がすさまじい“人治国家”ぶりを世界に知らしめた悪法を作ったとみられている。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「大統領選の本命と言われている野党の文在寅(ムン・ジェイン)氏は、盧武鉉元大統領の弁護士仲間で右腕だった人物。天下の悪法『親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法』(通称・親日法)の発案者と言われていますが、この法律は近代法理の原則である遡及立法の禁止に反します。こんな人物が弁護士で政治家であることが、韓国がすでに法治国家でない証左です」と指摘する。

 韓国で2005年に成立した「親日法」は、戦前の日本統治時代に日本に積極的に協力した人間の財産を国家が没収する趣旨で、その範囲は本人が死亡している場合でも遺産を受け継いだ子孫にまで適用される。

 法曹関係者は「現代の法律学では『実行時に合法だった行為を、事後に定めた法令によってさかのぼって違法として処罰することを禁止する』という原則があります。“後出しじゃんけん”みたいなことが横行したら、社会が大混乱してしまうからです。この原則が、韓国という国では通用しないのです」と語る。

 文氏が大統領になれば、歴史を覆してまで反日を徹底する悪法が次々に作られるのか、逆に文氏が朴大統領のように国民に嫌われ“国民情緒法”で裁かれるのか。

 また、文氏のキャリアから、韓国が“北朝鮮化”する可能性もある。但馬氏は「盧武鉉元大統領は親北派と言われましたが、実際は北朝鮮のエージェントだったと言っていい」と断定する。

 韓国の権威ある保守系オピニオン誌「月刊朝鮮」のジャーナリストの趙甲濟(チョ・ガプジェ)氏の記事によると、盧氏が訪朝時、金正日氏を終始「国防委員長閣下」と呼び、金正日氏は盧氏を「お前」呼ばわりだったという。そのやりとりは「まるで生徒が先生に接しているようだ」と趙氏は書いた。

 但馬氏は「この会談で盧氏は韓国からの米軍の完全撤退を金正日氏に約束させられた。その盧氏の隠れ政策ブレーンといわれたのが文氏。彼が大統領となれば完全に北朝鮮に傾斜した政府が誕生するでしょう。すでに文氏はTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備見直しと開城工業団地(南北経済協力事業)の再開を公約に挙げています。THAAD撤回となれば、当然、米国の逆鱗に触れることになるでしょう」とみている。

 米国が怒れば、韓国の政権は吹き飛ぶ。

「朴正熙大統領を暗殺した金載圭KCIA部長の陰に米国がいたという話もあります。当時、独自に核兵器開発を行おうとした朴正熙を危険視した米国が、朴槿恵の愛人・崔太敏(呪術師で崔順実被告の父)の処分をめぐって大統領の寵愛を失った金載圭に近づき、暗殺をそそのかしたという説です。今回の朴―崔スキャンダルをマスコミを使って火付けしたのは誰か? 中国べったりだった朴槿恵政権を米国が疎ましく思っていたのは事実です」(同)

 文政権が誕生したとしても様々な問題がまた噴出しそうだ。


ノ・ムヒョン大統領の最後の功績(?)↓も行うんでしょうね。

(朝鮮日報 2012/02/29)

 故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領は在任中の2007年10月4日、北朝鮮の平壌で故・金正日(キム・ジョンイル)総書記と首脳会談を行ったが、そのとき発表されたのが「南北首脳宣言」だ。正式名称は「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」。故・金大中(キム・デジュン)元大統領と金総書記が2000年6月15日の第1回南北首脳会談で合意した「南北共同宣言」に比べると、北朝鮮に対する経済支援についてかなり具体的に記載されている。

 「南北首脳宣言」に明記された経済協力事業には▲海州経済特区の建設▲開城-新義州間鉄道の補修▲開城-平壌間高速道路の補修▲安辺郡(江原道北部)-平壌間高速道路の補修▲安辺と南浦の造船協力団地建設▲白頭山観光▲農業・保健・環境分野での協力事業など、内容は非常に多彩だ。

 統一部(省に相当)はこれらの事業について、2008年9月の時点で14兆3000億ウォン(現在のレートで約1兆200億円、以下同じ)が必要と試算していた。民間のシンクタンクの中には「50兆ウォン(約3兆5700億円)以上は必要」と試算するところもあった。

 つまり「南北首脳宣言」は、任期わずか2カ月の政権が負担するのは最初から不可能な「北朝鮮へのばらまき約束」だった。首脳会談が開催される前からこの点を懸念する声はあったが、これに対して盧前大統領は「手形論」で反論した。つまり「前任の社長が発行した手形は、後任の社長が決済の義務を負う。任期が残り2カ月でも3カ月でも、自分が現地でハンコを押して合意したものは、後任の社長も拒否できない」ということだ。

 核問題が明記されなかったことも、「南北首脳宣言」で問題視されてきた。北朝鮮の核問題について、南北首脳宣言には「韓半島(朝鮮半島)の核問題の解決をうたった9・19共同声明と2・13合意が順調に履行されるよう、共に努力する」としか記載されておらず、「核の廃棄」という文言は見当たらない。

 核問題以外で特に問題視されているのが「西海(黄海)平和協力特別地帯」だ。宣言には「西海に共同の漁場を指定し、この海域を平和水域とする方向で協議を行う」と明記されているが、これには国防部(省に相当)が強く反対した。西海北方限界線(NLL)を認めたくない北朝鮮に対し、自由にNLLを行き来できる大義名分を提供する恐れがあったからだ。

 発足直後の李明博(イ・ミョンバク)政権は、「南北首脳宣言」の継承について否定的だったが、2008年7月から同宣言の趣旨を尊重する方向へと立場を変えた。しかし、それでも南北関係の行き詰まりを打開することはできなかった。現政権内部ではこれまで「南北首脳宣言」について「核問題など当面の懸案を解決できず、韓国側だけに巨額の負担を強いる合意」といった批判的な見方が支配的だった。