(京郷新聞 韓国語 2017/06/07)
ソ・スン(徐勝)立命館大学コリア研究センター研究顧問(特任教授)
1990年、19年間の監獄生活を終えて、しばらく日本に留まった後、アメリカで韓国の政治犯収監実態を証言し、政治犯の釈放と拷問反対を訴えた。獄中体験をもとに人権運動家としての社会的位置づけを自然に受け入れた。しかし、私たちの民族の苦痛の原因であり、総体ともいえる分断問題が一時も心を離れなかったため、西洋式の個人主義的人権概念は他人の服を借りて着ているようにぎこちなかった。ただし、統一が“絶対の善”としても、武力による統一は絶対だめで、統一は苦痛がなく、喜びと美しさが溢れる過程でなければならないで考えた。そこで平和に対する指向が芽生えた。
アメリカから日本に戻ると『沖縄人権協会』と台湾出所長期囚の集まりである『台湾地区政治受難人互助会』から講演の招請を受けた。そこで彼らが日帝植民地支配と冷戦時代の分断・軍事支配下で、私たちと同様の苦難を経験したという事実を知ることになった。それなら私たちの課題は、西洋帝国主義と日帝侵略によって枠線が引かれた“東アジア”という政治・歴史的な地域概念を覆し、奪われ踏みにじられた人々の権利を回復することではないのかと考えた。
非西洋の目で西洋帝国主義の犯罪の歴史を照明する作業は、2001年に南アフリカ共和国ダーバンで開かれた〈反人種主義・差別撤廃〉世界人権大会(反人種主義・差別撤廃世界会議、ダーバン会議)で姿を現した。この大会は、人間の自由を剥奪して商品化する奴隷制度をナチスのジェノサイドに劣らない『人道に反する犯罪』と宣言し、大西洋三角奴隷貿易で犠牲になった3,000万人の西アフリカの人々を記憶し、500年に及ぶ奴隷制度の歴史を断罪した。一つの民族を集団的に奴隷化する植民地支配も『ダーバンNGO宣言』(ダーバン会議NGO宣言)に言及され、奴隷制と植民地支配の歴史的清算が21世紀最大の人権問題に浮上した。これはまさに“東アジア”を歴史的に清算する課題と脈を同じくしている。
最近、世界の耳目は、韓半島(朝鮮半島)、東アジアの安保危機、北朝鮮の核・ミサイルに集中している。アメリカや日本の一部で先制攻撃論が出たが、戦争を引き起こす武力行使は絶対に許されてはいけない。軍事的圧力と制裁も結局、帝国主義的な秩序を維持するための覇権論理に過ぎない。この地域を奴隷化して侵略・支配した帝国主義の犯罪を清算せずには真の平和を実現することはできない。
かつて西洋諸国は“文明”を掲げて“野蛮”を侵略し、“普遍”を掲げて“不良国家”や“テロ国家”、“イスラム勢力”などのレッテルを貼り付けて“特殊”を崩壊させてきた。このような人権・平和に対する省察を通じて、私は西洋主導の『普遍的人権』や、平和の破壊を意味する安倍総理の『積極的平和主義』を拒否し、東アジア固有の政治・歴史に根をおろした『人権・平和』に目を開くことになった。1997年に台北で開催された〈東アジアの冷戦と国家テロリズム〉国際シンポジウム(後に「東アジアの人権と平和」に改名)をはじめ、韓国、台湾、日本、沖縄など東アジアの4つの地域の冷戦時期の国家暴力犯罪の清算作業が続いた。
パク・クネ(朴槿恵)を打倒して発足したムン・ジェイン(文在寅)“ろうそく政府”の歩みは気兼ねなく大胆で国民に新鮮な感動を与えている。現在までの歩みは決して難しくて複雑なものではない。権威として君臨せず、国民に開かれており、現場で困難を直接見て、被害者と疎通し、自分の給与で自分のご飯を食べ、人々が愛唱する『あなたのための行進曲』を一緒に歌うなど、“常識”が通じる“普通の国”の簡明で正直な実践に過ぎないのにものすごく新鮮だ。
このような韓国人の歓喜と対照的に日本の世論はムン・ジェイン政府に対する悪意と反感で満ちている。武藤正敏元駐韓日本大使が〈韓国人に生まれなくて良かった〉という本を出したという。この本でムン大統領を親北・反日の“最悪の大統領”と罵倒した。このようなでたらめな主張の背景には、『日本軍慰安婦』問題など日本に歴史清算を注文する進歩勢力と対北朝鮮対話路線を標榜したムン大統領に対する反感が敷かれている。北朝鮮は無条件に武力で屈服させなければならないという根っからの冷戦・好戦主義者の傲慢と旧態にほかならない。
北朝鮮が自国の沖合に撃ったミサイルを機に東京の電車の運行を停止して戦争の危機を煽り、日本の軍事化と改憲推進に悪用する安倍総理は、去る5月30日のムン大統領との電話通話で「北朝鮮のミサイル発射に対する緊密な協力をしよう」と述べた。圧迫と同時に対話を掲げるムン大統領に安倍は「対話のための対話は意味がなく、具体的な行動が必要な時だ。北朝鮮の時間稼ぎに利用されてはいけない」と注文した。日本で高い支持を受ける安倍総理は“傍若無人”のように、母方の祖父であるA級戦犯、岸信介から受け継いだ念願事業である憲法改悪に着手しようとしているところだ。
“血縁の情”はともかくとしても、葛藤の平和的な解決を図る韓国政府の姿勢は極めて当然だ。対北朝鮮制裁の先頭に立つ日本には弱者を執拗に困らせて意気揚揚とするガキ大将の姿が重なる。その上、日本は北朝鮮に対して依然として形式上でも植民地支配の歴史清算を終えずに済ました戦犯国家だ。
それでも日本人拉致事件を口実に被害者然としながら、アメリカを背に負って居直りで北朝鮮に対する“先制攻撃”を主張し、圧倒的な国民的支持を受けているムン大統領の民族和解政策を非難し、厳しく対応するように訓戒する無礼をはばからなかった。まさにこれが今も清算されていない東アジアの加害者と被害者の歴史的構造を見せる部分である。
それでも日本人拉致事件を口実に被害者然としながら、アメリカを背に負って居直りで北朝鮮に対する“先制攻撃”を主張し、圧倒的な国民的支持を受けているムン大統領の民族和解政策を非難し、厳しく対応するように訓戒する無礼をはばからなかった。まさにこれが今も清算されていない東アジアの加害者と被害者の歴史的構造を見せる部分である。
ろうそく革命を通じて“主権者意識”に目を開いたろうそく民心は、韓国が堂々とした主権国家として日本の軍事化、戦争挑発にブレーキをかけ、韓半島の和解・協力・平和政策に邁進することを願うだろう。熱烈なムン・ジェイン大統領ファンである高等学校2年生の娘は、大統領選挙期間、始終ムン候補を誹謗する日本にあまりにも頭にきて一言いった。「日本人に生まれなくて良かった。」

おいおい、お前らが北朝鮮の分までパクってるんだろうが。
まったく、歴史を忘れた民族とは付き合ってられないね。