(読売新聞 2019/10/28)

 韓国が、2020年の東京五輪・パラリンピックでの旭日旗(きょくじつき)の掲揚を問題視する動きを強めている。ナチス・ドイツのハーケンクロイツ(カギ十字)と並ぶ「戦犯旗」だとの主張を国際社会に喧伝(けんでん)し、対韓輸出管理厳格化などを巡る対日外交のカードとする狙いがある。(ソウル 岡部雄二郎、ジュネーブ 杉野謙太郎)

■示威行動も

 今月22日、韓国の超党派の国会議員や市民団体が、東京五輪での旭日旗の規制を目指す「推進委員会」を発足させた。韓国の通信社ニュース1などによると、韓国国会内での発足式で、共同委員長を務める与党・共に民主党の安敏錫(アンミンソク)議員は「日本も圧迫感を感じざるを得ないだろう」と述べ、自信を見せた。旭日旗を切り裂く示威行動も行った。

 韓国国会は9月30日、出席議員199人のうち賛成196、棄権3の多数の支持で、旭日旗使用禁止を求める決議を採択した。安氏は決議案を作成した中心人物で、推進委員会は今後、米国やドイツの議会にも決議を働きかける方針だ。

 決議は、旭日旗をカギ十字と「類似の事例」だと決めつけ、「日本の帝国主義と軍国主義の象徴」だとして、東京五輪の競技場内での使用禁止を国際オリンピック委員会(IOC)などに求める内容が柱だ。

■「人質」戦略

 韓国政府も9月11日、使用禁止をIOCに要請したと発表した。競技団体を統括する大韓体育会も同様の要請をしており、官民と国会が一体となっている。康京和(カンギヨンファ)外相は10月2日の国会答弁で、「平和の祭典となるべき五輪で旭日旗を使うのは認められない」と述ベ、働きかけを続ける考えを示した。

 こうした動きの背景には、東京五輪を事実上の「人質」とし、対韓輸出管理の厳格化の撤回など、日本に外交上の譲歩を迫る戦略がある。日本が厳格化を始めた7月以降、韓国は東京電力福島第一原子力発電所事故の処理水の危険性と合わせて強く提起し始めた。

 IOCは態度を明確にしておらず、「大会の時期に課題が持ち上がれば個別に検討する」との立場だ。IOC幹部は取材に対し、「今の状況を落ち着かせたい」と述べ、事態の行方を注視する考えを示した。

■10年代に「拡散」

 韓国で旭日旗批判が目立つようになったのは、比較的最近のことだ。2008年の韓国での国際観艦式に、海上自衛隊の艦艇が自衛艦旗(旭日旗)を掲げて参加したが、大きな問題にはならなかった。

 批判が高まったきっかけの一つが、11年のサッカー・アジア杯の日韓戦だ。韓国選手が先制ゴール後に猿のまねをし、韓国内で「日本人蔑視(べっし)」だと批判を招いた。選手はツイッター上で、観客席の旭日旗を見たことが理由だと釈明した。これ以降、SNSを通じて旭日旗を日本による植民地支配の象徴とする意識が広まった。韓国人タレントが、赤いしま模様の服でテレビ出演し、謝罪に追い込まれたこともある。

 韓国ハンシン大の河棕文(ハジョンムン)教授(日本学)は、「かつて旭日旗は日の丸に比べて日常生活で目にする機会が少なかったが、10年代以降、SNSの普及で一気に拡散した」と解説する。

 東京五輪を巡る今回の韓国の運動で、一方的なイメージが国際社会に広まる可能性もある。旗振り役の一人、徐坰徳(ソギョンドク)・誠信女子大教授は今月14日のテレビ番組のインタビューで、運動の狙いについて、「ドイツのカギ十字と同じ『戦犯旗』を世界に広く伝える良い機会になる」と述べた。


◇東京五輪で「禁止」国会決議

韓国国会決議のポイント

 ▽旭日旗は日本の帝国主義と軍国主義の象徴。ドイツの「カギ十字」と類似
 ▽スポーツ応援での旭日旗使用は、侵略された国々の痛ましい記憶を刺激
 ▽東京五輪・パラリンピックでの旭日旗や、旭日旗を活用した物の競技場への持ち込みと応援での使用を禁止するよう、国際オリンピック委員会や大会組織委員会などに要求

日本側の主張のポイント

 ▽旭日旗は古くから国内に定着しており、政治的主張や軍国主義の象徴にはあたらない
 ▽五輪会場への旭日旗の持ち込み禁止には応じない
 ▽旭日旗を問題視する韓国の主張には一貫性がない


◇日本 揺さぶり警戒

 日本側は、五輪会場への旭日旗の持ち込み禁止には応じない構えだ。旭日旗は大漁旗や出産の祝い旗など、古くから日本国内で広く定着し、日本文化に根付いている。「政治的主張や軍国主義の象徴にはあたらない」(菅官房長官)ことを国際社会に発信していく考えだ。

 外務省は今年5月、ホームページに旭日旗の由来などを説明した資料を日本語版と英語版で載せた。今後は他言語版も増やすことを検討している。東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会も9月初め、「旭日旗のデザインは日本国内で広く使用され、政治的宣伝にならない」との見解を公表しており、会場への持ち込みを認める方針だ。

 日本側は、韓国が旭日旗を政治的主張と結びつけて批判することに不信感を募らせている。

 2018年の韓国・平昌五輪で、旭日旗は禁止対象とならなかった。さらに、韓国が不法占拠する島根県・竹島を描き込んだ「朝鮮半島旗」は、女子アイスホッケーの韓国・北朝鮮合同チーム(コリア)と日本チームの対戦が行われた会場に大量に持ち込まれた。日本外務省幹部はこうした韓国の対応について、「自分たちの都合の良いように政治的主張を利用し、一貫性がない」と話す。

 ただ、韓国経済にも影響が及ぶ日本製品の不買運動とは異なり、旭日旗は韓国にとって使いやすい「反日カード」となっているのが実情だ。日本政府は「韓国が今後も旭日旗などを口実に、様々な局面で揺さぶりをかけてくる可能性がある」と警戒している。(政治部 阿部雄太)


◇旭日旗が問題視された主な事例

2011年1月 カタール・ドーハでのサッカー・アジア杯の日韓戦で、猿のまねをして批判された韓国選手が、ツイッターで「観客席に旭日旗があったのを見て心の中で泣いた」と釈明

2013年7月 サッカー東アジア杯の日韓戦で、観客席で旭日旗と、日本を批判する横断幕がそれぞれ掲げられ、騒動に

2014年4月 赤いしま模様の服を着てテレビ番組に出演したタレントがインターネット上で批判を浴び、ツイッターで謝罪

2017年4月 韓国・水原(スウォン)でのサッカー・水原-川崎戦で、川崎のサポーターが旭日旗を掲げ、騒動に。アジア・サッカー連盟は旗を差別的象徴だと判断し、執行猶予付き「無観客試合1試合」などの処分。川崎の不服申し立ては棄却

2018年10月 韓国・済州島沖で行われた国際観艦式で、韓国側が日本に旭日旗を掲げないよう求めたことに反発し、海上自衛隊が護衛艦の派遣を見送り

2019年9月 大韓障害者体育会が、東京パラリンピックのメダルのデザインが旭日旗を連想させるとの懸念を表明。国際パラリンピック委員会のアンドルー・パーソンズ会長は「全く問題ない」と否定
     東京五輪での旭日旗使用の禁止を求める決議を韓国国会が採択

yomiuri20191028


中国に『禁韓』されても何も言わず、何もせず。日本が『輸出管理強化』しただけで政官民+マスコミ挙げて不買運動に、あらゆる方面での嫌がらせ。

日頃の付き合いの仕方って大事ですね。