(済州新報 韓国語 2020/02/19)

ムン・ギョンス[文京洙]立命館大学国際関係学部特任教授/論説委員

去る1月から2月にわたり、日本の公営放送NHKで在日韓国人の精神科医師アン・グクチャン(安克昌)[NHKは「安克昌(あん・かつまさ)」表記]の生涯を扱ったドラマ『心の傷を癒すということ』が、毎週土曜日9時から4週間放映された。アン医師は6000人以上が犠牲になった1995年の阪神・淡路大地震[阪神・淡路大震災]発生時、自ら災害を被りながらも他の被災者の心のケアに奔走した末、2002年に39歳の若さで肝臓癌で亡くなった。ドラマでは多くの被災者の声に真剣に耳を傾け、心の痛みを共にしようとするアン医師の姿が描かれ、視聴者たちに深い感動を呼び起こした。在日韓国人[3世]としてのアイデンティティをめぐる心の葛藤も描かれ、嫌韓言説が蔓延し、保守化や右傾化が議論される日本の放送界にも、まだこのような意を抱いている製作スタッフが健在であることを窺わせる。

インターネット上の韓国の報道番組や時事専門のユーチューブチャネルでも、日本メディアや放送界の右傾化を憂慮する声が少なくない。しかも、進歩性向の時事番組でそのような論調が目について、韓日関係が最悪に駆け上がった昨年には、日本のテレビ番組がほぼすべて保守化してという論評まで出た。

日本メディアの右傾化が安倍政権の下でより深刻化したのは事実だ。第1次安倍政権(2006-2007年)は妄言やスキャンダルでマスコミの集中砲火を受けて崩壊した。これを教訓にして2012年に再執権した安倍は、マスコミの掌握に向けて手段を選ばなかった。

安倍政権のメディア戦略の最大の標的になったのはNHKと朝日新聞だった。NHKは日本の公営放送として政府が管轄する特殊法人だ。安倍政権はこのNHKの会長に籾井勝人、そして最高意志決定機関である経営委員会委員に百田尚樹など歴史修正主義者らを送りNHKに対する統制を強化した。

一方、朝日新聞に対しては、いわゆる吉田証言(済州島で200人を強制連行して慰安婦にしたという証言)が虚偽ということを朝日新聞が認めると、産経や読売など右翼メディアらと結集し、あたかも慰安婦問題が朝日の捏造であるような印象を広め、朝日を弱体化した。その他のマスコミに対しても、幹部に対する懐柔策や報道内容に対する脅迫性の干渉など、様々な手法で統制を試みた。

このような安倍政権のメディア戦略はある程度、功を奏したといえる。政権批判の論調は弱まり、政権の顔色を窺う、いわゆる『忖度』や『自主規制』が目立つようになる。

だが、日本メディアが全部右傾化して政府側になったのではない。全国紙は毎日新聞などが自由な論調を維持しており、地方紙は『東京新聞』、『神奈川新聞』、『沖縄タイムズ』など、鋭い安倍批判を続ける新聞も多い。保守陣営が『左派テレビ番組』と非難するTBSの『サンデーモーニング』なども高い視聴率を維持している。NHKや朝日新聞の内部でも、政権の圧力に屈せず、公正な報道やドラマ・ドキュメンタリーの製作に立ち向かう記者やプロデューサーは少なくない。

それぞれの社会の疎通を支えるメディアに対する正確な診断は、異なる国民間の相互理解の土台となるだろう。安倍政権の陰凶[陰湿で凶悪]な圧力に屈せず、視聴率や政府の顔色を窺うことに埋没することを拒否し、真の共生と公正の価値を貫徹しようとする日本のメディア関係者たちに惜しまない声援を送ってほしい。(機械翻訳 若干修正)


韓国や在日、特定日本人の主張・証言が『うそ、大げさ、まぎらわしい』ものだったことが明らかになり、声高に主張して騒いできた分だけ反動を受けているだけなのにね。