(朝日新聞 2020/04/02)

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)をはじめとする離島の警備にあたる沖縄県警の「国境離島警備隊」が1日、発足した。離島での対応を専門にした初めての警察の部隊で、武装集団が離島に不法に上陸・占拠するといった事態に備える。

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 県警本部での発足式で、石垣島に生息するカンムリワシをモチーフにした隊旗が宮沢忠孝本部長から小林雅哉隊長に手渡された。小林隊長は「国境離島のいかなる事案にも適切に対処できる精強な部隊であり続けられるよう、訓練を積み重ねる」と宣言した。

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 警備隊は専従の151人態勢。隊長は警察庁キャリアの警視正で、約40人は警視庁など他の都道府県警からの出向者で構成する。自動小銃や機関拳銃(サブマシンガン)を装備。県警の施設に本拠を置く。二十数人乗りの大型ヘリを今年度中に配備。大型ヘリは福岡県警にも配備し、沖縄の警備隊の支援に活用する。警備隊に関する費用は全額国費が充てられ、警察庁は今年度当初予算に約71億円を計上した。

 実際に現場に一度に展開するのは数十人規模とみられる。離島の急峻(きゅうしゅん)な海岸や起伏の激しい林野などでも活動できる能力を備え、警察部隊として初めて、負傷した隊員を応急処置できる要員も確保する。

 尖閣の魚釣島では不法上陸事件が起きており、2012年には中国人活動家ら7人が逮捕された。不法上陸には、一次的に警察と海上保安庁が対応する。現在は警察官が海保の巡視船に乗って尖閣周辺で警戒にあたっている。沖縄本島から尖閣に隊員を展開する場合、県警の現有ヘリは石垣島での給油が必要だが、導入する大型ヘリは給油なしで往復できるという。

 警察庁は、漁船に乗り漁民を装った武装集団などが上陸、占拠するといった事態も想定されるとして、体制強化が必要と判断した。

 今回の部隊発足の背景には、尖閣周辺での中国側の動きへの警戒感の高まりがある。

 政府が12年に尖閣を国有化して以降、中国公船による領海侵入や領海外側の接続水域の航行が急増。19年は接続水域の航行が282日、延べ1097隻で過去最多となった。領海侵入も13年に次いで多く、32日、延べ126隻だった。18年には公船が所属する中国海警局が軍系統の人民武装警察部隊(武警)に編入されている。

 尖閣周辺では中国漁船も航行。領海近くで海保が退去警告した漁船は10年に430隻に達し、19年も137隻にのぼった。

 海保は尖閣警備の専従体制を組み、石垣島と那覇市に巡視船12隻を配備、警戒にあたっている。

 武装集団などが上陸を図ろうとした場合、各機関はどう対処するか。まず海保が海上で航行を阻止するなど対応。それでも上陸に至る可能性が高い状況となれば、県警の部隊がヘリから降下して先に島に展開するなどして、制圧や検挙にあたる。

 だが、集団が威力の強い武器で重武装し、警察部隊の対処能力を超えた場合は自衛隊が「治安出動」で対応することになる。

 こうした準有事の「グレーゾーン事態」に発展した場合について、県警幹部は「自衛隊が治安出動したからといって警察の権限がゼロになるわけではない」として、武力攻撃事態に発展するまでは制圧活動を続けられるとする。ただ、陸上自衛隊幹部は「準有事でも事態が緊迫化すれば警察部隊も自衛隊による救助の対象になる。その点の議論が詰まっていない」と話す。

 部隊の発足が、尖閣をめぐる中国との関係に緊張を与える恐れもある。

 中国の軍事戦略に詳しい渡部悦和(よしかず)・元陸自東部方面総監は「武装漁民の背後には海警、海軍が控えており、相手の出方によっては数十人の警察部隊では対処しきれなくなる」と指摘。「警察と海保、自衛隊がどう連携できるか真剣に考えるべきだ」と話している。(藤原慎一、編集委員・吉田伸八)



○公安委員会制度

 公安委員会は、警察行政に県民の方々の意見を反映させながら、警察の民主的な運営と政治的な中立性を確保するために設置されており、警察を管理する機関として大きな役割を果たしています。

○公安委員会の構成

 沖縄県公安委員会は、沖縄県知事が沖縄県議会の同意を得て任命した3名の委員で構成されています。

 委員の任期は3年で、再任(2回)も認められております。また、委員長は委員が互選で選出し、その任期は1年となっています。

○公安委員会の職務権限

 沖縄県公安委員会は、沖縄県警察本部を管理し、また、沖縄県警察本部に補佐をさせながら仕事をしています。

 したがって、個々の具体的な警察活動について、直接、指揮監督を行うのではありません。


玉城康裕(玉城デニー)知事らが、訓練、その他で足を引っ張らないと良いですね。