(朝日新聞 2020/05/17)

 新型コロナウイルス対策で成果を上げた台湾が、18日から始まる世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加を国際世論に訴えている。しかし、総会からの排除の背景にある中国との対立は解ける兆しがない。世界が未曽有の危機に直面するさなか、国際対応の要となるWHOの活動になお政治が影を落としている。

◇マスク外交、各国も台湾支持へ

 「台湾はWHOや国連から不当に排除されてきた」

 米誌タイムの電子版に先月、蔡英文(ツァイインウェン)総統の寄稿が掲載された。WHO総会への参加実現に向け、台湾はその後も国際社会へのアピールを強めるが、外交部によると15日時点で招待状は届いていないという。

 台湾は検疫強化やマスクの増産など、独自の新型コロナ対策を展開。15日現在で感染者を計440人、死者7人に抑え込み、その取り組みは世界からも注目されている。蔡氏は寄稿で実績を強調し、「我々は世界と協力できる」と訴えた。

 中国との政治対立を背景にWHOから排除されてきた台湾の扱いは、2002~03年の新型肺炎SARSの流行時も課題となった。

 台湾で患者が確認されてもWHOはすぐに専門家を派遣しなかった。孤立した台湾は、米国の疾病対策センター(CDC)を通じようやく治療に必要な情報やウイルスのサンプルを入手した。しかし、計37人が犠牲となった当時の混乱は台湾のトラウマとなった。

 中台関係が良好だった09年に総会へのオブザーバー参加が認められたが、蔡政権の発足で中台関係が悪化すると、中国の意向で17年に取り消された。

 SARSの教訓を踏まえた新型コロナ対策が脚光を集める今、台湾はWHO復帰をアピールする大きな機会ととらえている。蔡氏は4月、増産に成功したマスクを医療物資が不足する国々へ提供すると表明。日米や欧州、東南アジアなどに計2400万枚を配った。

 各国も台湾支持の動きを示す。ポンペオ米国務長官は6日、台湾の総会参加に支持を表明。カナダやニュージーランド政府も賛意を示した。安倍晋三首相も先月の参院予算委員会で「政治性を無くすことが本来のWHOだ」と発言した。(台北=西本秀)

◇中国大使「ドアは開いている」 WHOは…

 今年のWHO総会は18日から2日間、テレビ電話方式で行われる見通しだ。

 WHO憲章などによると、台湾のオブザーバー参加には「関係国」の同意が必要で、中国を含む外交的な調整の上、最後は総会で加盟国が総意として正式に認める必要がある。

 途上国に影響力を持つ中国の意向は、加盟国の意思決定に大きくものを言う。

 中国のジュネーブ国際機関代表部の陳旭大使は6日の記者会見で、「ドアは開いている」としつつ、問題は、中台が同じ国に属するという「一つの中国」の原則を蔡政権が受け入れていないことだと主張。蔡政権の対中姿勢が変わらなければ、妥協するつもりはないとの姿勢を示した。

 WHOは台湾の総会参加について「(中台)両岸の合意」があれば、事務局としてもオブザーバー参加を促したいとの立場を取ってきた。

 今回はテドロス・アダノム事務局長への「中国寄り」批判も出る中、台湾の参加問題への対応には神経をとがらせており、WHOの法務担当者は「台湾の総会参加は194加盟国の問題だ」と中立の姿勢を強調している。

 SARSなどの教訓もあり、WHOは台湾への一定の情報提供や実務的な連携を行っているものの、参加できる専門家会議などには制約が残る。台湾側には、中国の新型コロナの感染状況に関する台湾の警告がきちんと各国と共有されなかったという不満も強い。

 WHOは人種や宗教、政治信条などに関わらず「すべての人が可能な限り高い水準の健康を得られるようにする」ことを目的に掲げる。新型コロナの深刻な危機の中、その活動が中台対立という政治問題に影響される状況には、世界から厳しい目が注がれそうだ。(ウィーン=吉武祐)

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( 中央日報 2020/05/17)

世界保健機関(WHO)のすべてが中国中心的だと批判し資金支援中断を宣言した米国が部分的に資金支援を再開するという現地報道が出てきた。

米フォックスニュースは15日、トランプ政権がWHOに「中国の分担金水準」で拠出金を支払うことで合意するだろうと報道した。

同メディアによると米国がWHOに中国と同水準で資金を支援する場合、その水準は過去の年間4億ドルの10%である4000万ドルほどになるものとみられる。

フォックスニュースは「米国が過去にWHOに支援した金額は年間4億ドル規模で、中国の分担金は米国の拠出金の10%水準」と伝えた。

トランプ大統領は4月に新型コロナウイルス対応過程でWHOが基本的な義務を履行するのに失敗したとし、再検討作業が進められる間はWHOに対する資金拠出を中断すると発表した。

これに対しWHOは「米国はWHOの第1の寄与者」として決定を再考してほしいという立場を明らかにし、相当数の国も米国政府の決定を批判した。

しかし中国は「WHOが客観的で公正な姿勢で義務を果たし、新型コロナウイルスと関連した各国の対応と国際協力増進に重要な役割をした」としてWHOに2度にわたり5000万ドルを寄付するなどWHO内での中国の影響力強化に出ている。


対中だけ見ればトランプ再選は望ましいとも思いますが・・・悩ましいですね。