(朝日新聞 2020/05/22)

 寄付金の不正流用疑惑が指摘されている韓国の元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(旧挺対協)について、保守系の朝鮮日報は、団体関係者らが北朝鮮を逃れた男女に帰国を勧めていたと報じた。うち男性1人が朝日新聞に報道内容を認めた。

北朝鮮政府はこの男女らの脱北を「韓国政府が主導した」と非難して送還を要求していた。

 この男性は中国の北朝鮮経営レストランの元支配人で、2016年4月に女性従業員12人と集団で脱北し、韓国に入国した。現在は韓国以外の第三国で暮らしている。

 男性によると、韓国に滞在していた18年6月、北朝鮮の主張を支持する革新系弁護士グループ「民主社会のための弁護士会」(民弁)の弁護士から連絡を受けて面会。「(韓国の情報機関「国情院」による)計画的な脱北だったと会見で明らかにしよう」と提案されたという。

 民弁は元慰安婦や元徴用工も支援している。男性は民弁の弁護士から、正義連のトップだった尹美香前理事長や尹氏の夫を紹介された。同年12月にかけ、尹氏の夫から食事などに誘われ、団体が所有するソウルや京畿道の家屋のほか、江原道の施設で、一緒に脱北した女性らとともに食事をしたという。

 男性はこうした場で、民弁の弁護士らから北朝鮮に戻るように諭された。朝鮮総連の関係者や韓国の親北団体のメンバーが同席することもあり、「罪を償い、新しい人生を歩むことを望む」と伝えられたこともあったという。

 男性は民弁の弁護士らが脱北を「罪」と捉えていると感じたと振り返る。一方で、男性は18年10月から韓国を出国するまでの5カ月間に、民弁の弁護士から「後援金」名目で計300万ウォン(約26万円)を受け取っていた。弁護士からは「挺対協(現・正義連)が出した」と聞いたという。

 同団体は元慰安婦支援などを名目に寄付金を募ってきた。事実なら、こうした金が流用された可能性もある。弁護士は朝日新聞の電話取材に「(男性から)生活が苦しく、お金を貸してほしいと頼まれ、個人的に支給した。挺対協とは関係ない」と述べた。(ソウル=鈴木拓也)


(朝鮮日報 2020/05/21)

 韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協、現正義記憶連帯)の尹美香(ユン・ミヒャン)元代表と夫が慰安婦被害者の休養施設として設立した京畿道安城市の施設に中国・寧波市の北朝鮮レストラン「柳京食堂」からの脱北者を2018年に招き、北朝鮮に戻るよう懐柔していたことが明らかになった。当時の出席者が暴露した。その人物は「挺対協が民主社会のための弁護士会(民弁)所属のJ弁護士を通じ、懐柔対象の脱北者に毎月30万-50万ウォン(約2万6300-4万3800円)を送金していた」とし、当時の口座明細も明らかにした。

 柳京食堂の支配人で女性従業員12人と共に16年に脱北したホ・ガンイル氏は20日、本紙の電話取材に対し、「挺対協と民弁の関係者が18年、ソウル市麻浦区と京畿道安城市の慰安婦休養施設に柳京食堂の元従業員の一部を招き、北朝鮮に帰ることを勧誘した。その勧誘を断ると、後援の名目でカネをくれた」と証言した。

 ホ氏は主張の根拠として、当時尹元代表と夫K氏、民弁のJ弁護士とやりとりしたメッセンジャーの内容、脱北従業員が休養施設を訪れた際の撮影した写真を提示した。

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▲中国・寧波市の「柳京食堂」から脱北した従業員が2018年、尹美香・挺対協代表(当時)の夫K氏の招きで韓国・京畿道安城市の慰安婦被害者の休養施設を訪れた際に撮影した記念写真。/ホ・ガンイル氏提供

 ホ氏が民弁関係者に初めて会ったのは18年6月のことだ。ホ氏が同年5月、JTBCの匿名インタビューで「国家情報院の指示で総選挙直前に集団脱北した」と発言したのを聞き、民弁側が連絡してきたという。

 ホ氏によると、民弁のJ弁護士は当時、「(国家情報院の)企画脱北について公開記者会見を開いて知ってもらおう」と提案した。

その後、J弁護士は同年、尹元代表をホ氏に紹介した。ホ氏は18年10月、明声教会が慰安婦被害者のために挺対協に寄贈したソウル市麻浦区延南洞の休養施設で尹元代表と初めて会った。そこでの食事にはホ氏、尹元代表、民弁所属の弁護士3人、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の女性3人の計11人が出席した。ホ氏は「その席で出席者が『あなたが顔を公開して記者会見を開けば、企画脱北事件がもっと話題になり、損害賠償をもっと受け取れる』と話した」と振り返った。ホ氏は翌日、麻浦区の休養施設を再び訪れ、尹元代表と夫K氏と初めて会ったという。

 それ以降、ホ氏の口座にはカネが入り始めた。ホ氏は金銭を受け取った口座の内訳も公開した。ホ氏が明らかにした口座照会画面によると、J弁護士は18年10月から19年3月まで毎月50万ウォン、計300万ウォンを送金していた。ホ氏は「自分だけでなく、脱北した女性従業員3人も月30万ウォンの後援金を受け取った。J弁護士に出所を尋ねたところ、『民弁にはカネはないし、政府はあなたたちの世話をしないので、挺対協が後援金を出した』との説明を受けた」と語った。同じ19年に挺対協が年間で慰安婦被害者に現金で支払った支援金は3人に対し、合計で44万ウォンにすぎなかった。

 18年12月、尹元代表の夫、K氏がホ氏にメッセージを送った。『尹代表の夫で白髪のK代表』を自称したK氏は「地方でサムギョプサル(豚ばら肉)を焼いて食べよう」と持ちかけてきた。2泊3日の日程表も受け取った。日程表の下部には集合場所である安城市の慰安婦休養施設の住所が書かれていた。

 ホ氏は現金を受け取っていた女性従業員3人と共に招待に応じた。一行が到着した安城市の休養施設ではK氏と挺対協関係者、良心囚後援会会員ら7人が待っており、慰安婦被害者女性はいなかったという。ホ氏は「2泊3日の旅行の間、K氏ら招待側はそれぞれが北朝鮮の行事に出席した際の写真を見せ、『将軍様』『首領様』といった単語を頻繁に使い、北朝鮮の革命歌謡を歌った。不安になって、最終日の午前4時に一人でソウルに戻った」と説明した。

 ホ氏は「柳京食堂の脱北従業員12人のうち、事前に韓国に行くことを知らなかったのは3人で、9人は韓国行きを承知で脱北した」とも語った。脱北前に韓国側の情報機関と脱北の期日について話し合ったのは事実だが、何も知らない従業員を連れてきたわけではないという。しかし、民弁と挺対協の関係者は「全員が韓国に行くことを知らずに脱出したと公開記者会見で話せ」と迫ったとされる。

ホ氏が提案を拒むと、民弁のJ弁護士はホ氏に「(柳京食堂従業員らの脱北は)組織的国家犯罪だ」と言い、「ホ氏も自分が犯した罪に応分の代償を支払って贖罪(しょくざい)し、自分の人生を生きてもらいたい」というメッセージを送ってきたという。ホ氏は「命懸けで脱北した人に『脱北は罪だ』と言うのを聞いて憤りを感じた」と話した。

 ホ氏は韓国に定着できず、19年3月末に脱北女性従業員のうち1人と結婚し、海外に亡命した。その後は挺対協側からの後援金の送金も止まったという。

 本紙は挺対協にホ氏のインタビュー内容に対する説明を求めたが、挺対協側は応じていない。J弁護士は「直接取材してほしい」と述べて電話を切った。尹元代表には数回電話をかけたがつながらなかった。


朝鮮総連と正義記憶連帯(旧挺対協)が直接つながって協働しているという証言でもありますね。

2016年05月31日
2018年05月15日