(統一日報 2020/07/08)

 明治日本の産業革命遺産である長崎県軍艦島などの世界文化遺産の登録取り消しを、韓国政府が求めたことに対して、日本の大方の世論は、「良いことなのに、どうしてケチをつけるのか」というもので、韓国からの一方的な批判だと決めつけている。

日本帝国が当時の朝鮮人を多く強制連行して、日本産業革命に動員し強制労働させたことにより、朝鮮人が塗炭の苦しみを味わったことは周知の史実だ。そのようなことを、軍艦島などの説明に明記するように韓国が求め、それを日本も同意していたということだ。

しかし、いざ蓋を開けてみると、軍艦島で働いていた朝鮮人の遺族が、伝聞として、朝鮮人差別はなかったし強制連行もなかったというような、日本帝国を賛美する説明に終始していたのだ。そのため、韓国政府が約束が違うと抗議する形になっているのだ。

それに関して、あるテレビ解説者は、「当時は朝鮮人も日本人だったから」と、言外に同じ民族同士で民族差別などありえないと言わんばかりであった。それは、日韓併合を是とする以外の何ものでもないし、日韓の歴史認識の相違というものは、実にその類い、すなわち加害者と被害者の相違なのだ。

日本は、日韓併合を敢行したが、表面的には日韓の首脳が署名する形で、合法的に行われたと主張する。しかし、その署名がどのような環境で行われたかに関しては、何一つ言及しない。軍隊を駐屯させ、ならず者らを朝鮮の宮中に送り込むなど、脅迫と恐怖のなかで行われた強盗的署名の強要だったのだ。

そのような加害者の史実を知れば、許されざる行為であることは言うまでもない。にもかかわらず、強制連行はなかったなどの証言は茶番そのものであり、それを正当な証言のように装う歴史偽造は、天に唾する行為だ。

日韓併合そのものが違法であり、であれば韓半島の労働者を募集することも違法そのものだ。それは、大局的見地からすれば、日韓併合という違法行為の檻の中での労働者募集も違法であり、自由意思で応募したとしても、それは強制連行・強制労働の範疇に入るとみなければなるまい。

換言すれば、加害者意識を完全に忘却していることであり、戦後日本になっても、その加害者意識の欠如は、歴史偽造に拍車をかける行為だ。

豊臣秀吉の朝鮮出兵による文物の略奪や日本帝国による韓半島の資源搾取は、人間社会の悪であることを認識し、その悪を賛美するのではなく、二度とそうした加害を繰り返さないという善意の反省が、いま日本に求められていると思う。(韓登)