(朝鮮新報 2020/08/03)

1923年関東大震災時に流言飛語などにより虐殺された朝鮮人を悼む目的で、民間団体が毎年9月1日に行ってきた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」(東京・墨田区)に対し、都が式典会場である公園使用について「誓約書」の提出を求めていた問題と関連し、東京都は式典実行委に対し「誓約書」の提出を求めないことを明らかにした。式典実行委が7月29日、東京都建設局と面談を行い、建設局が明言した。同日に都は実行委の公園の占有使用許可申請を受理した。

実行委の宮川泰彦委員長は、インターネット上で都の決定について報告し「誓約書」取り下げは「様々な立場から抗議の声を上げ、奔走して下さった多くの方々の努力の成果」だとしながら、都に対し「『慰霊の公園』における差別的言動を確実に防ぐため、実効ある取り組みを行うこと」を求めた。

追悼式典は、関東大震災発生時に虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼するため、追悼碑が建てられた1973年の翌年から毎年行われており、小池百合子都知事を除く歴代の都知事たちも追悼文を寄せてきた。

しかし排外主義団体「そよ風」が17年以降に同日同時刻に虐殺を否定する発言を伴う集会を開催し始めたことを背景に、都は昨年12月にいくつかの条件を提示し、それを守るよう「誓約書」を提出することを追悼式典実行委と「そよ風」両団体に求めていた。

これに対し式典実行委は、拡声器を使い、歴史修正主義発言を行うなど「トラブル」の原因となっている「そよ風」の集会と、これまで虐殺による犠牲者を厳粛に追悼し続けてきた追悼式典を同列に扱っていることを批判し「誓約書」の撤回を求める声明(5月18日)を発表。東京都建設局の担当者と撤回のための交渉を重ねてきた。

これに対しネット上では「誓約書」の撤回を求める署名が3万筆以上集まり、知識人ら117人が、式典実行委に公園使用のための占有許可を従来通り出すことを都に求める声明を6月11日に発表するなどし、批判が集まっていた。(金孝俊)


(朝日新聞 2020/08/04)

 関東大震災の際のデマなどで虐殺された朝鮮人犠牲者らの追悼式典をめぐり、会場の公園を管理する東京都が主催者に誓約書の提出を求めた問題で、都は、誓約書なしで公園使用を許可する方針に転換した。

 追悼式典は1974年から日朝協会などでつくる実行委員会が、9月1日に都立横網町公園(墨田区)の朝鮮人犠牲者追悼碑前で開いてきた。これに対し2017年から、虐殺の事実を否定する団体も同時刻に同じ公園で「慰霊祭」を開催。昨年は抗議する活動家との衝突もあった。

 都は昨年末、公園使用許可申請の際に、管理に支障となる行為をしないなどの条件が守れない場合は「管理者が集会の中止を指示したら従います」とする誓約書の提出を双方の主催者に求めた。実行委は「誓約書は集会運営を萎縮させる」と反発。抗議署名や抗議声明の動きが相次いだ。

 都は7月末に方針を転換。「注意事項を守り、行事を平穏に行う意思が口頭で確認できた」として、誓約書なしで実行委の申請を受理した。都公園緑地部の樽見憲介・適正化推進担当課長は「今後も必要が生じたら誓約書を提出してもらう」と話す。

 実行委は3日、「都が誓約書の要請を取り下げたのは、多くの方々の抗議の成果」との見解を発表。都に対し「差別的言動を防ぐため実効ある取り組みを」と求めた。9月の追悼式典は新型コロナウイルスの感染防止のため、一般参加者を入れずに実施し、インターネットで中継する。

 追悼式典をめぐっては歴代の都知事が追悼文を送ってきたが、小池百合子知事は「犠牲者数については様々な意見がある」と発言し、2017年から見送っている。(西村奈緒美、編集委員・北野隆一)


「騒げば変わる」という事例を作ってしまいましたね。