(朝日新聞 2020/10/21)
日本の経済的主権が及ぶ排他的経済水域(EEZ)内にある日本海の好漁場・大和堆(やまとたい)周辺で中国船の違法操業が急増している。取り締まる水産庁は安全が確保できないとして、9月末から一部海域への日本漁船の入域を自粛するよう要請。日本海で操業する国内の漁業者からは「主権が及ぶ海域で日本漁船の方を締め出すのは本末転倒だ」と不満の声が上がっている。
大和堆は日本海中央部に位置する海底山脈。周辺海域はスルメイカやカニなどの資源の宝庫で、EEZに進入し操業する外国漁船が後を絶たない。昨年10月には北朝鮮漁船が水産庁の取締船と衝突し、沈没した。
水産庁によると、北朝鮮漁船への退去警告は昨年は延べ4千隻だったが、今年は1隻のみ。代わりに目立ち始めたのが中国漁船だ。退去警告は9月末時点で延べ2586隻で、昨年同期の3・6倍に上る。海上保安庁の巡視船による退去警告も同様の傾向で、毎年1千隻以上の北朝鮮漁船への退去警告は今年はゼロ。一昨年、昨年と延べ89~12隻だった中国漁船への警告が今年は延べ102隻(16日時点)と最多を更新した。
なぜ北朝鮮漁船は姿を消したのか。聖学院大の宮本悟教授(北朝鮮政治・外交)は新型コロナウイルスの影響とみる。「現地報道を見ると海洋の漂流物を拾うのも感染リスクがあると考えられており、漁業も制限されているのではないか。競合する北朝鮮漁船がいなくなり、漁獲への期待が高まった中国漁船が増えたのだろう」と分析する。
■中国船の漁は北朝鮮船以上にダメージ
しわ寄せを受けているのが日本のイカ釣り漁船だ。石川県漁業協同組合の担当者は「昨年は記録的な不漁で今年こそはと期待していた。日本海に接してもいない中国の漁船がなぜ日本のEEZで操業するのか」と憤る。中国漁船は資源管理上も脅威だという。「北朝鮮漁船は多くは小型の木造船だが、中国漁船は大型の鋼船で、釣りではなく、底引き網で漁獲する。資源へのダメージは大きい」
こうした中、水産庁は9月30日から大和堆西部の特定の海域に入るのを当面、自粛するようイカ釣り漁船側に要請。理由は「諸般の事情」とだけ説明された。
石川県漁協によると、イカ釣り漁船の船団は一時的な自粛要請と受け止め、10日ほど近くで待機したが解除されず入域を断念。別の漁場に移ったという。漁労長らからは「自宅の庭先に泥棒に入られたのに、近づくなと言うのか」といった不満が噴出した。
大和堆の周辺海域での自粛要請は昨年もあった。昨年8月、海保の巡視船が北朝鮮海軍の旗を掲げた小型船から小銃を向けられた。水産庁はその後、周辺海域に入らないよう要請した。石川県漁協の担当者は「今回も水産庁だけでは対応できない事情が起きたのかもしれない。せめてどんな危険があるのか説明してもらえれば、いらだちも収まるのだが……」と嘆く。水産庁幹部は「日本漁船の安全確保のためということだけ」と言葉少なだ。
全国漁業協同組合連合会(全漁連)は16日、首相官邸や関係省庁に早急に操業できるよう要請。岸宏会長は「自粛を指導すること自体がおかしい。日本の船が操業できるよう国は毅然(きぜん)と対応してほしい」と訴えた。
加藤勝信官房長官は20日の会見で、「(自粛要請は)日本漁船の安全を確保するためにやむをえないものと聞いているが、関係省庁が連携して漁業関係者の方にまずは丁寧な説明を行う必要がある」と述べた。
東海大の山田吉彦教授(海洋政策)は「(自粛要請は)場当たり的な対応だ。水産庁の対応能力を超える問題が起きているのなら、外交を含めて政府を挙げて一元的に対応する必要がある」と指摘する。(兼田徳幸、贄川俊)
習主席蛮行! 中国船、日本海にも大挙襲来! 最近2カ月で違法操業が急増、9月末までに2500隻超 北朝鮮不測の事態も想定か 山田吉彦氏「拿捕などの対応必要」 (ZAKZAK 2020/10/21)
沖縄県・尖閣諸島周辺では、中国海警局の公船が国有化以降最長となる領海侵入の暴挙に出たばかりだが、同様に重要警戒が必要なのが、日本海中央部に位置する日本の排他的経済水域(EEZ)内にある好漁場「大和堆(やまとたい)」だ。以前は、北朝鮮の漁船が跋扈(ばっこ)していたが、今年に入って中国漁船が大挙して違法操業を繰り返しているのだ。このままでは、軍事的覇権拡大を続ける習近平国家主席率いる中国が、歴史や国際法を無視した身勝手な主張をしかねない。専門家は、日本政府が一致して中国の蛮行を容認せず、強硬な措置を取るべきだと主張する。
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「わが国漁船の安全操業の妨げになっており、極めて問題だ」
加藤勝信官房長官は20日の記者会見で、大和堆で、外国漁船による違法操業が相次いでいる件について、こう語った。
大和堆は、面積1万4652平方キロメートルで、最大水深は3039メートルの海底山脈。生物の多様性が高く、甘エビやスルメイカ、カニなどが捕れる日本海有数の漁場である。
昨年までは、イカの漁期である6月以降に北朝鮮漁船が姿を現し、違法操業を繰り返していた。水産庁は昨年、延べ4007隻の北朝鮮漁船に対して退去警告を行った。
ところが、今年に入って“異変”が起きている。北朝鮮漁船が姿を消し、入れ替わるように中国漁船が押し寄せているのだ。
日中両国は2000年6月、「漁業に関する日本国と中華人民共和国との協定(新日中漁業協定)」を発効した。中国漁船は日本の許可を得れば操業可能だが、大和堆の場合、中国漁船は許可を得ておらず、明らかな違法操業である。
水産庁によれば、昨年、違法操業した中国漁船は延べ1115隻だったが、今年は9月30日までで、延べ2586隻が違法操業を行っている。特に、最近2カ月で急増しているという。
海洋防衛に詳しい東海大海洋学部の山田吉彦教授は「東シナ海の中国漁船が大和堆に来ている。北朝鮮漁船は小さく、日本漁船の被害もたかが知れているが、中国漁船は大型で日本の漁師はまともに漁業ができない」と指摘する。
加藤長官は冒頭の会見で、「日本漁船の安全を確保するため」として、水産庁が9月30日から日本漁船に対し、大和堆の一部海域に入らないよう要請していたことも明らかにした。
北朝鮮漁船が消え、中国漁船が急増した驚くべき背景もあるという。
山田氏は「北朝鮮情勢が不安定になっているため、何かあれば日本海にある北朝鮮の港を『漁民の保護』という名目で中国人民解放軍が制圧するためだ」と指摘した。
外国漁船の違法操業が問題視されるのは、日本だけではない。
折しも、菅義偉首相が初外遊で訪問したインドネシアでは参考にすべき事例があった。
対中強硬派として知られるスシ・プジアストゥティ元海洋・水産相が任期中、中国やベトナム、フィリピンなどの違法操業する外国漁船を拿捕(だほ)した後、海上での爆破を命じたのだ。
一部で批判もあった強硬策だが、スシ氏は「盗賊は盗賊だ。中国だろうがどこの国だろうが、違法操業した漁船は区別せず爆破する」とブレなかった。大臣就任から約1年で、爆破した外国漁船は170隻以上にも達した。国外へのアピールとともに国民の支持も得る効果があった。
日本では、水産庁が外国漁船への立ち入り検査などを行っているが、大和堆では違法漁船の数が多いため、退去警告や放水などを実施している。
同庁は限られた取締船を大和堆に集中させ、海上保安庁とも連携し、万全の対応を講じている。4月には、同庁漁業取締本部新潟支部に55年ぶりの新造船「白鷲丸(はくしゅうまる)」が配属された。最新の取締設備や通信設備を備えている。
ただ、山田氏は「水産庁が船を1隻増やすだけでは意味がない」と厳しく指摘したうえで、こう続けた。
「実効性を伴った警備の方針を、外務省も含めて一体となって確認する必要がある。日本は(警告や放水などで)違法漁船を止めるだけではなく、拿捕(だほ)するなどして排除する方法を取り、法を守らせなければならない」

沈めた場合の漁場への悪影響とかはわからんけど
本当は拿捕なんて面倒な事せずに直接船底に穴開けてしまいたい所だけどな
specificasia
が
しました