(八重山日報 2021/02/06)
八重山漁協所属の「恵美丸」「第一桜丸」が5日午後8時ごろ、石垣市の登野城漁港から尖閣諸島周辺海域に向けて出港した。中国が1日、海警局の艦船に武器使用を容認する「海警法」を施行したあと、八重山の漁船が尖閣海域に向かうのは初めて。
2隻には漁業者が2人ずつ乗船している。この日午後3時過ぎ、海上保安庁の職員が次々と船に入り、臨検を行った。

▲尖閣諸島周辺海域に向かう漁船を臨検する海上保安庁の職員=5日午後、登野城漁港
「第一桜丸」オーナーでチャンネル桜社長の水島総氏は「勇気ある漁師が漁をやってくれる。大漁を目指したい。安全に帰ってきてもらうことが大事」と強調した。
水島氏と長尾敬衆院議員は漁船への同乗を求めていたが、水産庁は尖閣海域に向かう場合、漁業者以外の乗船は認めないとして許可しなかった。「純粋な漁業活動とは認められない」などと伝えられたという。
水島氏らと共に来島した長尾氏は「海警法が施行されたことで、第二海軍の軍艦が日本漁船の目の前に来るような状況になる。海警法は国際秩序に対する挑戦だ」と指弾。一方で「日本政府が海警法を国際法違反だと言い切れないことに、忸怩(じくじ)たる思いがある」と語った。
石垣市で漁業者の意見を聞き、今後の安全保障に関する議論に生かす考えを示した。
水島氏は、自らと長尾氏のほか、漁業見習いとして申請した数人の乗船も認められなかったことから、海保の担当者に厳しく説明を要求。出港時間は当初の予定から大幅に遅れた。
尖閣諸島周辺では武装した中国海警局の艦船が連日航行。「海警法」では、自国主権の侵害を排除するため、艦船に武器使用を含むあらゆる措置を認めている。
(八重山日報 2021/02/07)
第11管区海上保安本部によると、6日午前4時45分ごろから、石垣市の尖閣諸島・南小島周辺領海に中国海警局の船「海警1301」「海警2502」の2隻が侵入。南小島の南約22㌔の海上で、近くを航行していた日本漁船2隻に接近しようとする動きを見せた。海保が漁船周辺に巡視船を配備し、漁船の安全を確保した。海警局に武器使用を認めた中国の「海警法」施行後、尖閣周辺での領海侵入は初めて。領海侵入は今年に入り4日目。
「海警1301」「海警2502」は、魚釣島周辺で操業する日本漁船2隻への接近を続けたが、約8時間後の午後1時13分ごろ、相次いで領海外側の接続水域に出た。
日本漁船2隻は、5日に石垣島から出漁した八重山漁協所属の漁船「恵美丸」「第一桜丸」と見られる。それぞれ石垣市の漁業者3人が乗船している。
接続水域には5日夜から6日朝にかけ、新たに機関砲のようなものを搭載した「海警1305」のほか「海警6303」が入り「海警1301」「海警2502」は6日午後2時ごろ、相次いで接続水域を出た。中国公船が尖閣周辺を航行するのは8日連続。
政府は中国公船の領海侵入を受け、首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に格上げして情報収集や分析に当たった。
(産経新聞 2021/02/07)
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で6日に操業中、領海侵入した中国海警局の公船に接近されるなどした日本漁船の漁師らが7日、産経新聞などの取材に応じ、当時の様子を語った。漁船の周囲を海上保安庁の巡視船がガードし、「あまり危険は感じなかった」という。ただ、中国で武器使用を認める海警法が施行されたため、今後に不安を訴える声も聞かれた。
漁師らによると、漁船は5日午後8時に石垣市の登野城漁港を出港。6日未明に尖閣諸島沖に到着したところ、午前3時半ごろに2隻の中国公船があらわれ、同4時すぎ、漁船を追うような形で領海に侵入した。その後、中国公船は漁船と並走する形で航行し、同日午後に漁船が領海外に出た後、しばらくして漁船から離れたという。
この間、海保の巡視船8隻が漁船の前後左右を囲むような形で航行し、中国公船が漁船に接近しようとするのを阻止した。海保によると、中国公船が領海に侵入した時間は午前4時45分ごろから午後1時15分ごろまで約8時間半に及んだ。
漁船に乗り込んだ砂川幸徳さん(56)は「武器使用もありうるので出港前は心配だったが、巡視船がついてくれたので安心して漁ができた」と話す。
これまでも尖閣沖で中国公船に何度か遭遇し、急接近されたり、警笛を鳴らされたりしたこともあったが、今回はそうした威嚇行為はなかったという。漁船は6日午後7時ごろに登野城漁港に帰港した。
操業には当初、漁業経験のある自民党の長尾敬衆院議員も別の漁船で同行する予定だったが、水産庁の許可が下りずに断念した。漁港で漁船を出迎えた長尾氏は7日、「武器使用を認めた海警法に対する地元漁師の不安は強い。中国公船の領海侵入が常態化する中、不測の事態が起きないとも限らず、一層の緊張感をもって対応するよう政府に働きかけていきたい」と話した。

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