(聯合ニュース 2021/05/05)
韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は5日(現地時間)、英ロンドン市内のホテルで日本の茂木敏充外相と会談を行った。韓日外相が対面で会談するのは昨年2月以来で、両氏による2者会談は初めて。
会談では共通の関心事である北朝鮮核問題での協力を確認したものの、韓国の裁判所が日本側に旧日本軍の慰安婦被害者と強制徴用被害者への賠償を命じた判決などの問題や、日本政府が東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出を決定した問題などについては、立場の違いが浮き彫りになった。
両氏はこの日、米国のブリンケン国務長官を交えた韓米日外相会談を終えた後、約20分にわたり2者会談を行った。
外交部は会談後に出した報道資料で「両長官は韓日が北東アジアおよび世界の平和と繁栄のために緊密に協力する必要性があることに同意し、韓日関係を未来指向的に発展させていくという考えで一致した」と伝えた。
両氏は北朝鮮核問題と関連し、韓日および韓米日が緊密に意思疎通してきた点を評価し、今後も朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着に実質的な進展をもたらすために協力を続けることを確認した。
鄭氏は会談後、聯合ニュースの取材に対し、「良い話し合いができた」と伝えた。
韓日は大きい枠組みでの関係発展に同意したものの、両国を巡る懸案については立場の差を埋めることができなかった。
鄭氏は日本が汚染水の海洋放出について、周辺国との十分な事前協議なしに決定したことに深い憂慮と反対する立場を伝えた。また汚染水の海洋放出は韓国国民の健康と安全、また海洋環境に悪影響を及ぼす可能性があることから、極めて慎重なアプローチで同問題を扱うよう強調した。
共同通信によると、茂木氏は日本の方針を批判する韓国政府の対応について懸念を表明したという。
また茂木氏は鄭氏に対し、慰安婦訴訟問題に対する適切な措置を強く要求し、強制徴用訴訟と関連しては日本政府が受け入れ可能な解決策を韓国側が早期に提示するべきとするこれまでの立場を改めて強調した。
これに対し鄭氏は、日本側の正しい歴史認識なしにはこの問題を解決することはできないと強調し、慰安婦被害者や強制動員被害者に関する政府の立場を説明した。
また両氏は韓日間の懸案を解決するため両国間の緊密な対話と意思疎通を続けることを確認した。
外交部当局者は「鄭長官は今後多様な懸案について意思疎通を強化すると話し、茂木外相もこれに対する完全な同意を示し、コミュニケーションをすると応じた」と伝えた。
一方鄭氏は、韓米日外相会談に続く韓日会談が予想より長くなったことで主要7カ国(G7)外相会合のスケジュールに合わせ、移動を急ぐことになった。
G7外相会合は4~5日(現地時間)の日程で開催され、韓国は、インド、オーストラリア、南アフリカ共和国、ブルネイとともにゲストとして招待された。
鄭氏は2月に外交部長官に就任。韓日間の歴史問題の解決などのため、いつどこでも茂木氏と会う姿勢を示していたが、日本が応じず、電話会談も行えずにいた。
(朝日新聞 2021/05/05)
主要7カ国(G7)の外相会議出席のため、英ロンドンを訪れている茂木敏充外相は5日午前(日本時間同日午後)、韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)外相と初めて会談した。元慰安婦問題などで両国関係の冷え込みは続いており、対面での日韓の外相会談は昨年2月以来となった。
日本外務省の発表によると、茂木氏と鄭氏の会談は20分間行われた。
茂木氏は、韓国の裁判所が日本政府に元慰安婦らへの賠償を命じた判決をめぐり、韓国側に改めて適切な措置を講ずるよう求めた。また元徴用工訴訟をめぐり、日本企業の資産が売却される「現金化」は「絶対に避けなければならない」とも指摘。日本側が受け入れ可能な解決策を早期に示すよう促した。
一方、韓国外交省の発表によると、鄭氏は茂木氏に対し、元慰安婦や元徴用工の問題について「日本側の正しい歴史認識がなければ過去の歴史問題は解決できない」と強調し、韓国側の立場を説明した。
また、鄭氏は、日本政府が東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出する方針を決めたことについても言及。「周辺国と十分な事前協議がなかった」として、決定に反対する意思を伝えた。そのうえで、「汚染水の放流は韓国国民の健康と安全、海洋環境に潜在的な脅威を与える可能性がある」と述べ、慎重な対応を求めた。
両外相は日韓関係を健全な関係に戻すべく、外交当局間の意思疎通を継続することで一致した。
米バイデン政権は対中国、対北朝鮮の戦略として、日米韓3カ国の連携を特に重視している。日韓関係改善の見通しが立っていないなかで今回、会談が実現した背景には米国の意向もありそうだ。日本政府関係者は「茂木氏が米側の顔を立てた」と解説した。(安倍龍太郎、ソウル=鈴木拓也)

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