(中央日報 2021/08/31)
国内外の言論団体と学界、市民団体から「言論抑制法」と批判を受けている「言論仲裁及び被害救済等に関する法律(言論仲裁法)」改正案は、当初30日に国会本会議に上程される予定だったが、不発となった。共に民主党はこの日、朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長に言論仲裁法の本会議上程を強く要求したが、朴議長が与野党の合意を呼びかけ、結局、本会議は開かれなかった。尹昊重(ユン・ホジュン)民主党院内代表は同日夜10時頃、国会議長室で開かれた与野党院内代表会談直後、「今回の会談でも与野党が合意に至らなかった。31日午前に改めて会合し、交渉を続けることにした」と述べた。
形式的には暫定的中断だが、民主党が言論仲裁法の改正案を押し通す続けることができるかは不透明だ。尹院内代表はこの日午後8時30分から国会で開かれた非公開議員総会で「この事案が国内問題を越え、国際問題になっているようだ」とし「時間をかけて、より詳しく確認して欲しい」という趣旨で発言したと複数の参加者が伝えた。尹院内代表が言及した「国際問題」とは、24日、非営利人権団体の転換期定義ワーキンググループ(TJWG)などが言論仲裁法改正案の内容は世界人権宣言および自由人権規約の規定に違反しているという理由で、国連の表現の自由特別報告官に陳情書を送った件に関連するものとみられる。
尹院内代表のこのような発言に、一部議員が「宋永吉(ソン・ヨンギル)代表、尹昊重院内代表は、元々こんな人達ではないじゃないか」と強く抗議したが、民主党指導部は結局、強行処理を中断することにした。民主党が31日にも本会議を開き、改正案を押し通す可能性はあるが、それよりも9月1日に開始する定期国会に移し、長期課題とする可能性が高まった。この日の議員総会直後、民主党議員の間では「事実上、9月の処理も難しくなったのではないか」という発言まで出てきた。
◆与党内部は強行論が圧倒的…「崖から一緒に飛び降りよう」
4時間前にも民主党は言論仲裁法の強行処理のための手順を1つ1つ踏ん行った。尹院内代表は同日午後4時30分ごろ、朴議長主宰で金起ヒョン(キム・ギヒョン)国民の力院内代表と会った直後、「民主党は国会議長にきょう本会議を開いて人事に関する事項だけではなく、言論仲裁法を含む20個の法案をすべて処理してほしいと要請した」と述べた。
その後、民主党は「最大5倍の懲罰的損害賠償制」の骨子は維持したまま、故意・重過失推定規定を削除する修正案を国民の力側に提示した。折衷案の形は取っているが、依然として言論仲裁法の主要な骨格は維持しているという点から、強行処理のための「名分の積み重ね」という見方が出た。
この日午後3時から開かれた民主党の議員総会でも「今、崖の端に立っている。決断の瞬間だけが残った。一緒に飛び降りよう」〔金民錫(キム・ミンソク)議員〕など強行処理の主張が圧倒的だった。「言論抑制法のコーディネーター」と呼ばれる金勝源(キム・スンウォン)議員が最初の発言者として、党内外の批判に反論し、「言論の自由は侵害されない」という趣旨で発言し、代表的な強硬派の鄭清来(チョン・チョンネ)議員も「もっと議論し、もっと熟議しても、新たに出てくる内容はない。メディアの反発は当然ではないか」と速度戦を要求した。
鄭議員をはじめ、民主党議員団の「中心」と言えるキム・ギョンヒョプ、都鍾煥(ト・ジョンファン)・徐瑛教(ソ・ヨンギョ)、李元明(イ・ウォヌク)・鄭清来の3選議員がこの日、相次いで強行処理に力を加えており、会議の雰囲気は急激に一方に傾いた。彼らは「更に議論をしたところで実益がない」(李元明)と政治的有利・不利を根拠として出したり、「私も初めて報道された時は(批判記事が)大きく出て、訂正報道は小さく出されて被害を受けた。このようなことを明確に伝えよう」(徐瑛教)と主張した。尹院内代表がこの日、言論仲裁法の上程を要求したのは、このような発言が議員総会の場で行き交った直後だった。
◆与党圏元老「賢く処理」求める…青瓦台の懸念も配信されたように
しかし、結局、民主党指導部が強行処理を中断したのは、与党圏の元老たちの積極的な引き止めが、一部影響を及ぼしたという見方も出ている。議員総会の元党常任顧問の金元基(キム・ウォンギ)・林采正(イム・チェジョン)・文喜相(ムン・ヒサン)元国会議長や柳寅泰(ユ・インテ)元議員など、民主党の長老たちは宋永吉(ソン・ヨンギル)代表に会い、強行処理への懸念を伝えた。高溶振(コ・ヨンジン)首席報道官によると、この日、元老たちは「言論改革は、金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の時から着実に努力していた事案だ。しかし、道は知恵を持って賢明に進んで欲しい」と伝えた。
この日の議論に参加した金元議長は、中央日報の電話取材で、「私たちは皆『あまりに先に進む必要はない』、『与野の関係を円満に収拾しなければならない』と話した」と述べた。林元議長も電話取材で、「(宋代表に)『国民と共に進んで欲しい』と助言した」と述べた。「ネズミを捕まえようとして壺を割ってしまう。牛を治そうとして牛が死んだらどうするのか」(文元議長)、「(4月7日の)補欠選惨敗の原因は何か。180席の威力を誇示して独走するように(見えたが)、結局、審判を受けたのだ。法案1つを処理するのに1週間遅れ、1カ月遅れたからといって世界がひっくり返るのか」(柳元議員)という発言もあった。元老4人のうち、言論仲裁法の強行処理に同意する人は誰もいなかったという。
この日、国会には李哲熙(イ・チョルヒ)青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)政務首席の姿も確認された。李政務首席はこの日夕方6時40分ごろ、民主党院内首席副代表室を訪問し、20分間滞在して与党院内指導部と会った。「言論仲裁法に関する青瓦台の立場を伝えたのか」という記者団の質問に李首席は「申し上げることはない」と答えたが、結果的に李首席の訪問直後、民主党は強行処理を中断した。
| 「メディア懲罰法案」の国会採決見送り 本会議延期に=韓国 (聯合ニュース 2021/08/25) 韓国の朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長は25日、同日午後に予定されていた国会本会議を延期すると発表した。与党「共に民主党」の韓秉道(ハン・ビョンド)院内首席副代表が伝えた。 共に民主党はメディアに対する懲罰的な損害賠償を可能にする「言論仲裁法」の改正案を同日未明に国会の法制司法委員会で単独で可決。国会本会議で採決を強行する姿勢を示していたが、国会法の手続き上問題があるとの野党側の主張を受け入れたものと受け止められる。 ただ、共に民主党は今月中に本会議を開いて改正案を採決する必要があるとの立場を崩していない。 これに関連し、与野党の院内代表はこの日会合を開く予定だ。 韓氏は「延期とは今月中に処理(するということ)」とし、「院内代表の会合でわれわれの立場を伝え、結論を出す」と説明した。 共に民主党の尹昊重(ユン・ホジュン)院内代表は「(言論仲裁法の採決の方針に)変わりはない」とし、「野党と本会議の日程を改めて協議したい」と述べた。 言論仲裁法の改正案はメディアの故意・重過失による虚偽・ねつ造報道に対し、損害賠償を請求できると定めている。訂正報道や記事閲覧遮断も請求できる。 一方、最大野党「国民の力」などは権力維持を目的とした言論封殺だと主張し、徹底抗戦の構えを示している。 |

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