(朝日新聞 2021/12/08)
■ウイグル族を強制収容しているとして、米など中国を制裁
アウルさん 米国が北京冬季五輪の「外交ボイコット」の理由として、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題を挙げているね。どんな問題なの?
A 同自治区には独自の言語を持ち、イスラム教徒の多いウイグル族など多くの少数民族が暮らすが、18世紀半ばに清朝に征服(せいふく)された。中華(ちゅうか)人民共和国成立をへて漢民族の移住が徐々(じょじょ)に増え、宗教や文化が抑圧(よくあつ)されたと訴(うった)えるウイグル族らと対立するようになった。
ア どうして中国政府の締(し)め付けが強まったの?
A きっかけは2009年のウルムチ騒乱(そうらん)だ。広東省の工場で漢族がウイグル族を襲(おそ)った事件に抗議(こうぎ)するデモ隊と治安部隊が衝突(しょうとつ)し、当局発表で197人が死亡した。政権はその後、批判勢力を「テロ分子」や「分離(ぶんり)独立派」と呼んで弾圧した。「危険思想の温床(おんしょう)」として、イスラム信仰(しんこう)にも大幅(おおはば)な制約を加えた。
ア 最近、米欧(べいおう)などからの批判が目立つね。
A 米トランプ前政権が18年、中国政府が「職業技能教育訓練センター」などと呼ぶ施設(しせつ)に、多くのウイグル族が強制的に収容されているとして問題視した。21年1月には、中国の政策が「ジェノサイド(集団殺害)」にあたると非難する声明を発表。強制収容のほか、強制的な避妊(ひにん)や中絶、移動の制限、強制労働、信教の自由の侵害(しんがい)なども行われたと訴えている。
ア 他国はどうしたの?
A 同年3月、欧州(おうしゅう)連合、英国、カナダがバイデン米政権とともに中国への制裁を発動した。中国共産党関係者らを対象に、資産を凍結(とうけつ)するなどした。
ア 中国での反応は?
A 新疆産の綿を調達しないと発表したスウェーデンの衣料品大手「H&M」など欧米企業(おうべいきぎょう)に対し、不買運動が起きたり、大手通販(つうはん)サイトで商品が検索(けんさく)できなくなったりした。(上海=井上亮)


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