(日本経済新聞 2021/12/28)
岸田文雄首相は28日、共同通信社の単独インタビューに官邸で応じ、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の前倒しについて、医療従事者や高齢者ら約3100万人以外への対象拡大に意欲を示した。衆院選の区割り改定議論に絡み、国会議員定数が地方で削減され都市部に集中する現状に危機感を表明。憲法が投票価値の平等を求めていることを踏まえ、憲法改正論議推進が必要だと強調した。
政府は医療従事者や高齢者施設の入所者らの接種間隔を8カ月から6カ月に短縮する方針。今回、対象拡大検討に踏み込んだ首相発言の背景には、首相自らが「正体の分からない敵」と位置付けるオミクロン型への危機感がある。感染拡大時でも「何重にも準備した態勢を十二分に稼働させ、国民の安心につなげていきたい」と述べた。
水際措置など封じ込め策に関する今後の政府方針については「年末年始の(感染)状況をしっかり見たい」と説明。その上で「先行きを判断し、できれば明るい見通しを立てたい」と語った。
憲法論議を巡り、9条への自衛隊明記を含む自民党「改憲4項目」について「順番にこだわらない」と改めて言明した。地方の国会議員定数削減の背景として「憲法に『1票の価値』の物差し、人口比例しか書いていないからだ」と訴えた。
慰安婦問題に関する日韓合意から6年を迎えたことには「最低限、国と国との約束は守らないと、これから先、どんな議論をしても意味がない」と韓国を批判。自身が外相当時に合意した内容の履行を重ねて求めた。
2023年には先進7カ国首脳会議(G7サミット)が日本で開催される。地元広島での開催の是非に関する質問に対し「被爆地の実相に触れてもらうのは大事だが、複数の地域が手を挙げている状況だ。冷静に、平等に見なければいけない」と述べるにとどめた。(共同)

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