(外務省 2023/03/07)一部抜粋
■旧朝鮮半島出身労働者問題

【NHK 岩澤記者】太平洋戦争中の徴用をめぐる問題について伺います。大臣は、この問題をめぐって、韓国が解決策を発表する前日の5日に、韓国の外相と電話で会談したとのことですが、翌日の発表に向けて、どのようなやり取りを行ったのでしょうか。 また、韓国による昨日の発表などを受けまして、韓国の外相を日本に招いたり、大臣が韓国を訪問したりするお考えはあるでしょうか。

【林外務大臣】昨年11月の日韓首脳会談におきまして、両首脳が、日韓間の懸案の早期解決を図るということで、改めて一致したことを受けまして、外相間でも、緊密な意思疎通を行ってきたところでございます。5日の日韓外相電話会談は、その一環で行ったものでございます。

 朴振(パク・チン)長官との間で、それまでの外交当局間の協議、これを評価した上で、意思疎通を行いました。それ以上の詳細については、先方の発言を含め、外交上のやり取りであり、差し控えたいと思います。

 また、今、お話のあった訪日、また、往来について、何か決まっていることはございません。

【共同通信 植田記者】関連してお伺いします。昨日、韓国政府が、徴用工問題に向けた解決策を発表したことを受けまして、徴用工問題に関しては、これで解決したという認識なのかどうか、今後、徴用工問題をめぐる外交当局の協議を続ける必要がなくなったということなのかどうか、見解をお伺いします。

 また、昨日、大臣が述べられた、政治、文化、経済面での交流拡大というのは、具体的に何を念頭に置いているのか、お伺いします。

【林外務大臣】日本政府としては、昨日、韓国政府により発表された措置、これを2018年の大法院判決により、非常に厳しい状態にあった日韓関係を、健全な関係に戻すためのものとして、評価しております。

 韓国政府が、今後、国内のプロセスを行いつつ、原告の理解を得るべく最大限努力し、本件措置を着実に実施していくということを期待いたします。

 政治、経済、文化等の分野における交流の拡大についてですが、特定の案件を念頭に置いたものではなく、1965年の国交正常化以来築いてきました、この日韓の友好協力関係の基盤に基づいて、日韓関係を健全な形で、幅広い分野で、更に発展させていくということを期待する趣旨で、述べたところでございます。

【読売新聞 阿部記者】関連なんですけれども、今回の韓国側が発表した措置の、その不可逆性についてお尋ねします。過去には、日韓間の合意が覆されたこともありますけれども、今回の措置について、どのように、この可逆性を担保しているのか、大臣の見解をお聞かせください。

【林外務大臣】昨日発表された措置については、韓国政府は、原告の理解を得るべく最大限努力するとしておりまして、今後、国内のプロセスを行って、本件措置、これを着実に実施していくことを期待しておるところでございます。

【朝日新聞 上地記者】関連してお伺いします。大臣、昨日、歴史認識に関する、継承するという政府の立場を表明されたかと思いますが、その中では、植民地の支配や侵略に関して、「痛切な反省」や「心からのお詫び」という部分も継承するということを、政権として確認をしたという理解でよろしいんでしょうか。

【林外務大臣】昨日、私(林大臣)から述べたとおり、日本政府は、1998年10月に発表された「日韓共同宣言」を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおります。今回の機会に、これを改めて確認したものでございます。

【中央日報 金記者】2点お伺いしたいと思うんですけれども、昨日の会見で、大臣は、民間企業による自発的な寄付活動については、特段の立場を取ることはないとおっしゃいましたけれども、これはいわゆる被告企業、三菱重工業と日本製鉄、二つの企業にも当てはまる話なのか。つまり、これから、今、言われている財界、経団連などを通じた、いろいろな未来に向けてのいろいろな事業に、民間企業が参加すると言われているんですけれども、これに二つの企業が寄付することに関しては、政府として、妨げる意向はないのか、そういうことが一つ。

 二つ目は「求償権」の話なんですけれども、第三者による肩代わりという形をとったわけなんですけれども、これは法的に、「求償権」が残るという、一応話でございますが、日本政府としても、この「求償権」の存在については認めるという認識でよろしいでしょうか。以上です。

【林外務大臣】まず、「求償権」の方ですが、韓国政府が発表した措置に関する韓国国内法上の位置付けについて、日本政府としてお答えする立場にはないわけですが、その上で申し上げますと、本件措置の趣旨に鑑み、「求償権」の行使については、想定されていないものと承知しております。

 また、寄付のお話でございますが、昨日申し上げましたように、政府としては、特段の立場を取らないということでございますので、一般論として、全ての企業に、それは当てはまるということで申し上げました。