(熊本日日新聞/YAHOOニュース 2023/07/25)
熊本市が市自治基本条例の「市民」の定義に外国人を明記する改正案を断念することが25日、分かった。市民らへの意見公募で反対意見が大半を占めたことを受け、明文化は回避すべきと判断。新たに公表した改正案では「外国人」の文言を削除し、市民の定義については現行条例のまま変えない。
現行条例は「市民」を市内居住者、市内への通勤・通学者、市内の事業者・地域団体・市民活動団体と規定。市はこれまでも要件を満たせば外国人も該当するとしてきたが、条例に明文化して外国人が「地域の担い手」としてまちづくりに参加しやすい環境を整えようと、改正に乗り出した。
しかし、改正案に対する意見を1カ月間募ったところ、1476人(うち市内居住者は457人)が寄せた1888件の意見の大半が反対。「外国人に参政権を与えることになる」という誤解に基づいた指摘も相次いだ。
このため、改正案の4月施行を目指していた市は2月定例市議会への提案を見送り。「明文化は時期尚早だった」として、文言を削除する方針を市議会に報告していた。教育市民委員会でも「改正によって分断が生まれることを懸念している」「『住民』が市に住む全ての人を指すのならば、特記する必要はない」といった意見が出ていた。
「外国人」の文言を削除した新たな条例改正案については、9月定例市議会に提出する方向で検討している。(山下雅文)
(読売新聞/YAHOOニュース 2023/07/25)
熊本市が自治体の基本的ルールを定める自治基本条例の改正案で、市民の定義に追記する予定だった「外国籍を含む」との記載について、削除する方針を固めたことがわかった。外国人参政権を認めるとの誤解から反対意見が殺到したためで、28日にも発表する。識者は「削除によって、外国籍の住民に悪い印象を与えることになる」と指摘している。
市が昨年12月に公表した改正案では、自治会長らの「外国人もまちづくりに参加してほしい」などの意見を踏まえ、「市民」の定義の条文に「外国の国籍を有する者を含む」との文言を加えた。施行されれば、政令市初となる見通しだった。
しかし、外国籍の住民に選挙権や住民投票権が付与されるとの誤解がSNSで拡散。昨年12月~今年1月の意見公募では、寄せられた1888件(うち市外が1300件)のうち、ほとんどが反対意見で、「都合のいい市政に変えられる」「移民を認めるものになる」といった声が相次いだ。
市は4月施行を目指していたが、2月議会への改正案提出を見送った。市関係者によると、新たな改正案では、市民の定義について、誤解や不安を招かないよう現行のままにするという。
同市では1月現在、市民約73万人のうち、外国籍が7272人を占め、10年間で約3000人増加。半導体受託製造大手・台湾積体電路製造(TSMC)の進出に伴い、さらに増える見込みだ。大阪公立大の明戸隆浩准教授(多文化社会論)は「外形的には、排外的な意見を受けて市側が改正案を修正しており、外国籍の住民にネガティブなメッセージを発することになる。外国人との共生を進める方針を明確に打ち出すべきだ」と強調する。
市によると、自治基本条例は「自治体の憲法」として全国各地で制定されている。長野県小諸市や高知県四万十町などで、住民の定義に外国籍を含む記載があるという。

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