(読売新聞 2023/07/25)
 先進7か国(G7)は、脱炭素化に不可欠で重要性が増している重要鉱物について、特定国からの輸入割合を引き下げるため、7か国の共通目標を設ける方向で調整に入った。生産国である中国を念頭に、1か国に依存しないサプライチェーン(供給網)の構築につなげる狙いがある。G7の連携を強化し、供給体制の多角化も図る方針だ。

 複数の日本政府関係者が明らかにした。具体的には、特定国からの輸入割合が高い重要鉱物に関して、どの程度まで頼るかを目標として定める。他国からの輸入を増やすことで、最終的に目標を達成したい考えだ。

 5月に広島市で開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)では、経済安全保障が重要テーマとなり、重要鉱物の「脱中国依存」を目指すことで一致した。首脳声明では、「重要鉱物の供給源の多様化をいかに図るべきか、国際エネルギー機関(IEA)の提言を求める」と明記した。

 IEAは現在、依存度を下げる重要鉱物の選定を進めており、年内をめどに具体的な提言をまとめる方向だ。

 特定国への依存度を下げるための具体策としては、G7各国で、別の資源国への共同投資を行う案も浮上している。日本は今年のG7議長国を務めており、今後の議論を主導することを目指す。

 リチウムなどの重要鉱物は、太陽光パネルに使われるなど、再生可能エネルギー技術に欠かせない。ただ、各国は中国をはじめとした特定国に依存している。

 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の統計(2021年)によると、リチウム(酸化リチウムと水酸化リチウムの合計)は、81%が中国からの輸入だった。

 鉱物は、供給網の「上流」に位置づけられる採掘から、加工や精製といった「中流」、最終製品を製造する「下流」に工程上、分類される。中国は、特に中流で強みを持つ。IEAの統計(21年)によると、精製の工程における中国の世界でのシェア(市場占有率)は、リチウムが58%、コバルトが65%、ニッケルが35%だった。

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 中国は、対立国への貿易を制限する「経済的威圧」を繰り返している。G7は、重要鉱物の調達先を増やして特定国への依存度を下げ、連携してリスクを低減させたい考えだ。

◆ 重要鉱物 =電気自動車(EV)や蓄電池などに使われ、経済活動を支える上で重要な鉱物。生産国が偏在していることが特徴とされる。日本政府は、リチウムやニッケル、コバルトなど35種を「重要鉱物資源」に指定し、備蓄対象としている。