(朝日新聞 2024/02/20)
 群馬県立公園「群馬の森」(高崎市)の朝鮮人追悼碑の撤去をめぐり、県が代執行費用の見積額としていた約3千万円の内訳がわかった。撤去工事費が1400万円、警備員費が1600万円だった。ただ、実際の工事内容や期間は見積もり時点から変わっており、県が費用を精査後、碑を所有していた市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」に請求するという。

 朝日新聞の情報公開請求に対して、県が内訳のわかる資料を開示した。県は1月19日付で守る会に代執行令書を出しており、その時点で撤去費用を約3千万円と見積もっていた。

 この資料や県によると、見積もり時点では碑の移設が前提だったため、公園を24時間閉鎖した上で、工事期間を1月29日~2月11日の2週間に設定していた。

 工事自体も、できるだけ碑を傷つけない形でいくつかのパーツに分けて取り外すことを想定。資材や重機の搬入などに60万円、フェンスなどの仮囲いや重機の下に敷く鉄板の配置などに880万円、碑本体の撤去工事に290万円、後片付けに170万円と、一連で計1400万円かかる見通しだった。

 一方、警備員費は1600万円。安全上の配慮で公園を閉鎖して昼と夜の交代で24時間態勢をとることから、延べ約600人の警備員を配置する計画だった。

 ただ実際は撤去工事の前に、守る会が「記憶 反省 そして友好」と刻んだプレートや碑文、ハトをあしらった陶板の3点を引き渡すよう要望し、両者が合意。3点を取り外したコンクリートの台座や碑などは移設せず、その場で処分されることになったという。

 このため工事内容も見直され、工期も2月2日までに短縮された。

 警備期間が短くなったり碑をつり上げるクレーンなどを使わなかったりして費用が減額される一方、警備員や重機など資材のキャンセル代や仮囲いの増設、コンクリートの処分といった追加の費用も発生したという。実際にかかった費用について、県は「もう少し調べないと、請求する金額が3千万円から増えるか減るか、申し上げることができない」としている。

 追悼碑は、植民地時代に軍需工場などに労務動員されて犠牲になった朝鮮人を悼む目的で2004年、市民団体が約570万円かけて建立していた。(高木智子)

■朝鮮人追悼碑撤去の概算費用(3千万円)の内訳
※移設を想定していた1月19日時点の群馬県の資料より

【撤去工事費】(計1400万円)
 ○準備工事(資材搬入など)    60万円
 ○仮設工事(仮囲いなど)    880万円
 ○コンクリート土台の撤去     60万円
 ○モニュメントの塔、椅子の撤去  30万円
 ○碑壁の撤去          200万円
 ○後片付け           170万円

【警備員費】
 ○14日間、延べ約600人     1600万円