(朝鮮日報 2024/09/10)
金浦国際空港近くの自動車部品工場で発生した火災について、その原因は北朝鮮から飛来した汚物風船だったとみられ、消防当局が引き続き検証を行っている。
京畿道消防災害本部が9日に明らかにした。それによると同日午前10時30分ごろ、京畿道金浦市高村邑台里の平屋自動車部品工場の屋根から北朝鮮の対南汚物風船の起爆装置や紙の残骸などが発見された。
金浦空港からわずか2-3キロしか離れていないこの工場では4日前の今月5日未明に火災が発生した。火災は午前3時20分頃に発生し、周辺の建物にいた作業員らが「隣の工場の屋根の右端に炎が見える」と消防に通報した。現場に駆け付けた消防隊員らは通報から1時間17分後の午前4時37分に火を消し止めた。この火災で犠牲者やけが人などは出なかったが、サンドイッチパネル(プラスチックの芯材を金属の板で挟んだ積層構造の板)の屋根など天井部分が約50平方メートルほど燃えた。
消防当局が同日現場に調査官を派遣し現場検証を行ったところ、北朝鮮の汚物風船の起爆装置とみられる燃えかすを発見したという。消防署の関係者は「現場で発見された物体は北朝鮮汚物風船の起爆装置などの残骸であることを確認した」とコメントした。
北朝鮮から飛来した汚物風船により首都圏各地で火災の通報が相次いでいる。今月8日午後2時ごろには京畿道坡州市広灘面のある倉庫の屋上に北朝鮮の汚物風船が落下し火災が発生した。この火災で人命被害は出なかったが、サンドイッチパネル造りの倉庫1棟の屋根330平方メートルが燃え、火は3時間後に消し止められた。警察と消防はこの倉庫の屋根の上から起爆装置とみられる物体を発見した。金浦=キム・スオン記者
(ハンギョレ新聞 2024/09/10)
5月末に飛来しはじめた北朝鮮の「ごみ風船」がソウルと京畿道北部一帯の住民を苦しめだしてから、すでに100日が過ぎた。当初は北朝鮮も、一部の脱北民が先にはじめた北朝鮮に対するビラ散布をやめよとして罵詈雑言を浴びせてきていたが、今月4日から8日にかけては「5日連続」で挑発を行いながらも、今やそんな言葉すらも発しなくなっている。一部の地域では風船に仕掛けられた起爆装置によって火災が起きるなど、国民の不安は極に達しているが、新国防長官は緊張緩和に努めるのではなく、就任第一声で北朝鮮「政権の終末」を口にした。北朝鮮の脅威に各自適応しなければならない国民の気持ちをいらだたせるだけだ。
野党「共に民主党」のヤン・ブナム議員が8日にソウル市と京畿道から提出を受けた資料では、北朝鮮のごみ風船散布がはじまった5月28日から先月10日までの首都圏における被害規模は1億52万8000ウォン(約1072万円)と集計されている。止めてあった自動車や建物の屋根が壊れたりもしており、風船を地面に落とすために一定時間が過ぎると作動する起爆装置によって火事になるケースもあった。8日には京畿道坡州市(パジュシ)にある製薬会社の倉庫にごみ風船が落ち、8700万ウォン(約928万円)の経済的被害が発生している。
また、7月24日には龍山(ヨンサン)の大統領室庁舎内にごみ風船が落ちた。国の最高統治機関が北朝鮮の脅威に直接さらされた非常事態だったが、大統領室は「物体の危険性はない」と語っただけだ。北朝鮮の挑発の余地をなくすために脱北民による北朝鮮へのビラ散布をやめさせるという対策は、政府内からは出ていない。そのため「ごみ風船」は大韓民国の日常になりつつある。
にもかかわらずキム・ヨンヒョン新国防長官は6日の就任式で、前任のシン・ウォンシク国家安保室長の掲げた「北朝鮮が挑発してくれば即時、強力に、最後まで報復する」との原則を継承するとしつつ、「残酷な代価」、「政権の終末」などの挑発的な発言ばかりを並べ立てた。目の前の北朝鮮のごみ風船の脅威にはお手上げの政府が、無意味な大言壮語を吐いてばかりいるわけだが、いったい誰に向けた発言なのか。
11月の米国の大統領選挙を前に、北朝鮮が7回目の核実験などの重大な動きに出る可能性がある、というのが韓米当局の見解だ。このような緊迫した情勢変化の中で、韓国の対北朝鮮ビラと北朝鮮のごみ風船が「偶発的衝突」の口実になる可能性はないのか。政府は無駄な固執をやめ、今からでも対北朝鮮ビラの取り締まりに当たるべきだ。国民の安全が何よりも大事だ。

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